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二章
15、長い夜に
翠子さんは、感じやすいのだろう。
俺が胸に与える刺激だけで、すでに肩で荒い息をしている。
「旦那さま……もう、苦しいです」
「まだ、これからだ」
たとえ現実から逃れるためであっても、あなたが望んでくれたことなのだ。
時計の針は、まだ八時にもなっていない。
明日の朝まで時間はたっぷりとある。
そう簡単に、あなたを離しはしない。
翠子さんの膝を開かせ、脚の付け根に手を這わせる。
「は、恥ずかしいです」
「いずれ俺の花嫁になるのに。早いか遅いかだけのことだ」
大きく足を開かせると、翠子さんは両手で顔を隠してしまった。手首の縛めを解くのではなかった、と少し後悔した。
「足を閉じぬように」
「は……はい」
浴衣を敷布代わりに、畳に横たわったまま答える翠子さんの声は震えている。
彼女の花弁を指で開くと、小さなつぼみにも似た突起がひくついていた。
指でつまむと、翠子さんの体が、びくっと跳ねた。
「や、やめてください」
「抱いてくれといったのは、あなただ。怖くなったからといって、途中でやめろというのか?」
指で愛撫を続けると、淫靡な水音がした。それが自分が感じている証拠だと分かった翠子さんは、苦悶の表情を浮かべながら首を左右に振る。
そのたびに、結んだ帯紐の端が誘うように揺れる。
翠子さんはすぐに達しそうに、背を弓なりに反った。だが、そんな簡単に終わらせない。
自分からねだるという事が、どういう結果を引き起こすのか。ちゃんと教えてやらないといけない。
もう少しで翠子さんが極めそうなのを悟り、俺は手を離した。
中途半端なところで投げ出された彼女は、足をもぞもぞと動かした。
もし今、目隠しを解いたのなら、黒い瞳を切なげに潤ませていることだろう。
「煽るのが上手だな」
「そんな……わたくしは」
「まぁいい。今すぐに奪っても、処女のあなたには痛くて苦しいだけだろう。幸い二人の時間はたっぷりある。今後、夜はあなたの体を俺になじませることとしよう」
俺が次にどこに触れるか、翠子さんには分からない。
だから、濡れた指を彼女の中に入れると、その突然の刺激に悲鳴に似た声を上げた。
「や、いやぁ」
「たった指一本だ。その程度で怯えておいて、よくも抱いてほしいなどと言えたものだ。君のそれは『抱きしめてほしい』という意味だったのか?」
俺の浴衣の袖に、翠子さんがしがみついてきた。そして「いいえ」と小さく返事をする。
彼女の肩を左手で抱えて上体を起こしたままで、俺は指を動かした。
その動きに合わせて、翠子さんが唇を噛みしめる。
彼女の中は熱く、そして狭く、指に絡みつくようだ。
あなたが欲しい。だが、痛く苦しいだけの記憶を刻みつけたくない。
一度達しかけた体は敏感で、彼女の中に入った指を動かしながら、親指で花弁の中心でひくつく突起に触れた。
「あ、あぁ……あ……んっ」
「いきなさい」
「せ、先生。先生っ」
旦那さまと呼ばなければならないことも忘れるほどに、翠子さんは追い上げられていく。
その余裕のなさが、俺の指でこんなにも感じてくれているのだと、至福にも似た喜びを覚える。
「や、あぁ……だめ、もう……あぁ……」
切なく啼きながら、翠子さんは絶頂を迎えた。
くたりと力なく俺の腕に体をあずけているが、まだ余韻が残っているのだろう。
翠子さんの肩や足が、時おり痙攣したように動く。
「俺の可愛い人。愛している」
俺は翠子さんの唇に、そっとくちづけた。
俺が胸に与える刺激だけで、すでに肩で荒い息をしている。
「旦那さま……もう、苦しいです」
「まだ、これからだ」
たとえ現実から逃れるためであっても、あなたが望んでくれたことなのだ。
時計の針は、まだ八時にもなっていない。
明日の朝まで時間はたっぷりとある。
そう簡単に、あなたを離しはしない。
翠子さんの膝を開かせ、脚の付け根に手を這わせる。
「は、恥ずかしいです」
「いずれ俺の花嫁になるのに。早いか遅いかだけのことだ」
大きく足を開かせると、翠子さんは両手で顔を隠してしまった。手首の縛めを解くのではなかった、と少し後悔した。
「足を閉じぬように」
「は……はい」
浴衣を敷布代わりに、畳に横たわったまま答える翠子さんの声は震えている。
彼女の花弁を指で開くと、小さなつぼみにも似た突起がひくついていた。
指でつまむと、翠子さんの体が、びくっと跳ねた。
「や、やめてください」
「抱いてくれといったのは、あなただ。怖くなったからといって、途中でやめろというのか?」
指で愛撫を続けると、淫靡な水音がした。それが自分が感じている証拠だと分かった翠子さんは、苦悶の表情を浮かべながら首を左右に振る。
そのたびに、結んだ帯紐の端が誘うように揺れる。
翠子さんはすぐに達しそうに、背を弓なりに反った。だが、そんな簡単に終わらせない。
自分からねだるという事が、どういう結果を引き起こすのか。ちゃんと教えてやらないといけない。
もう少しで翠子さんが極めそうなのを悟り、俺は手を離した。
中途半端なところで投げ出された彼女は、足をもぞもぞと動かした。
もし今、目隠しを解いたのなら、黒い瞳を切なげに潤ませていることだろう。
「煽るのが上手だな」
「そんな……わたくしは」
「まぁいい。今すぐに奪っても、処女のあなたには痛くて苦しいだけだろう。幸い二人の時間はたっぷりある。今後、夜はあなたの体を俺になじませることとしよう」
俺が次にどこに触れるか、翠子さんには分からない。
だから、濡れた指を彼女の中に入れると、その突然の刺激に悲鳴に似た声を上げた。
「や、いやぁ」
「たった指一本だ。その程度で怯えておいて、よくも抱いてほしいなどと言えたものだ。君のそれは『抱きしめてほしい』という意味だったのか?」
俺の浴衣の袖に、翠子さんがしがみついてきた。そして「いいえ」と小さく返事をする。
彼女の肩を左手で抱えて上体を起こしたままで、俺は指を動かした。
その動きに合わせて、翠子さんが唇を噛みしめる。
彼女の中は熱く、そして狭く、指に絡みつくようだ。
あなたが欲しい。だが、痛く苦しいだけの記憶を刻みつけたくない。
一度達しかけた体は敏感で、彼女の中に入った指を動かしながら、親指で花弁の中心でひくつく突起に触れた。
「あ、あぁ……あ……んっ」
「いきなさい」
「せ、先生。先生っ」
旦那さまと呼ばなければならないことも忘れるほどに、翠子さんは追い上げられていく。
その余裕のなさが、俺の指でこんなにも感じてくれているのだと、至福にも似た喜びを覚える。
「や、あぁ……だめ、もう……あぁ……」
切なく啼きながら、翠子さんは絶頂を迎えた。
くたりと力なく俺の腕に体をあずけているが、まだ余韻が残っているのだろう。
翠子さんの肩や足が、時おり痙攣したように動く。
「俺の可愛い人。愛している」
俺は翠子さんの唇に、そっとくちづけた。
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