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五章
6、お仕置き【3】
人差し指と中指を、翠子さんの中で不規則に動かす。驚いているのか、それとも待ちわびていたのか、俺の指は締め付けられた。
狭いその場所で、ばらばらの動きをする指に、翠子さんは唇を噛みしめる。それでも、愉悦の声は洩れてくる。
「あぁ……っん、や……ぁ、旦那……さまぁ」
溢れてくる蜜に、指が滑らかに動くようになる。指に合わせて、翠子さんの身体も揺れる。
中がいっそう収縮するのを感じ、俺は指を抜いた。
淫猥な水音を立てて、抜かれる指。
また達する前に、快感の源を奪われて、翠子さんは放心したように唇を軽く開いている。
「くるし……い、です」
「うん。そうしているからな」
「……ひどい」
「当然だ。お仕置きだと言っただろう」
まったく、どれほど心配したと思っているんだ。
学校では目立たないし、自分では地味だと思っているようだが。男は何も、きらびやかで華やかな娘にばかり目が向くわけではない。
最近は、普通に着物を着ていても、翠子さんにはしっとりとした色香がある。たぶん……というか、確実に俺のせいなんだが。
登下校の時にも、道行く学生があなたを振り返って見ているのを、俺は知っている。
いつか恋文を持った青年が、緊張しながらあなたに声をかけるのかと思うと、気が気じゃない。
俺は立ち上がり、翠子さんの首筋にくちづけた。
「っ……あぁ」
短く呻く声。俺は筆で、彼女の胸の頂きをふわりとなぞった。
じれったいほどにゆっくりと筆を動かしては、噛みつくように唇を重ねる。
視界を塞がれた翠子さんには、どこに、どんな刺激が与えられるのか分からない。
それが感覚をより鋭敏にするのだろう。
「ふっ……っあ、あぁ……」
決定的な刺激は与えていないはずなのに、翠子さんは細く白い首をのけぞらせて、達した。
すぐに彼女の膝が力を失う。
「立っているように命じたはずだが」
「も……だめ、です」
翠子さんが力なくくずおれる。
後ろ手に縛られ、目隠しされたままなので、俺は彼女の身体をとっさに支えた。
「そんなに時間は経っていないけどな」
「……ごめん、なさい」
参った。降参だ。
涙声で、しかも今にも消え入りそうな声で謝られて。どうしてあなたを嬲ることができようか。
俺は彼女の目隠しと、手首の帯を解いてやった。
よかった。縛めていた痕は残っていない。
行灯の明かりが目に入り、その眩しさで翠子さんは目を細める。
「もう怒っていらっしゃらないのですか?」
「ああ、怒っていないよ」
「許してくださるの?」
俺がうなずくと、翠子さんはその黒い瞳を潤ませた。
今になって涙を流すなんて。これまで泣くのを我慢していたなんて。
俺は、なんてひどい奴なんだ。
「おいで、翠子さん」
「でも……」
「もう一人で勝手に出歩かないと、約束できるね。それと、あの叔父についていかないこと」
「はい」
俺が両腕を広げると、翠子さんは倒れこむように胸に飛び込んできた。浴衣の背に手をまわして必死にしがみついてくるから、俺は彼女を抱きしめて髪にもひたいにも頬にもキスの雨を降らせる。
駄目だ。あなたに対してのお仕置きのはずだったのに。罪悪感にさいなまれて、まるで自分自身を仕置きしているかのようだ。
頭を撫でてやると、彼女はそっと微笑んだ。
たとえ俺があなたの花を散らし、穢したとしても。あなたはきっと清らかなままなのだろう。
そんな優しい笑顔だった。
狭いその場所で、ばらばらの動きをする指に、翠子さんは唇を噛みしめる。それでも、愉悦の声は洩れてくる。
「あぁ……っん、や……ぁ、旦那……さまぁ」
溢れてくる蜜に、指が滑らかに動くようになる。指に合わせて、翠子さんの身体も揺れる。
中がいっそう収縮するのを感じ、俺は指を抜いた。
淫猥な水音を立てて、抜かれる指。
また達する前に、快感の源を奪われて、翠子さんは放心したように唇を軽く開いている。
「くるし……い、です」
「うん。そうしているからな」
「……ひどい」
「当然だ。お仕置きだと言っただろう」
まったく、どれほど心配したと思っているんだ。
学校では目立たないし、自分では地味だと思っているようだが。男は何も、きらびやかで華やかな娘にばかり目が向くわけではない。
最近は、普通に着物を着ていても、翠子さんにはしっとりとした色香がある。たぶん……というか、確実に俺のせいなんだが。
登下校の時にも、道行く学生があなたを振り返って見ているのを、俺は知っている。
いつか恋文を持った青年が、緊張しながらあなたに声をかけるのかと思うと、気が気じゃない。
俺は立ち上がり、翠子さんの首筋にくちづけた。
「っ……あぁ」
短く呻く声。俺は筆で、彼女の胸の頂きをふわりとなぞった。
じれったいほどにゆっくりと筆を動かしては、噛みつくように唇を重ねる。
視界を塞がれた翠子さんには、どこに、どんな刺激が与えられるのか分からない。
それが感覚をより鋭敏にするのだろう。
「ふっ……っあ、あぁ……」
決定的な刺激は与えていないはずなのに、翠子さんは細く白い首をのけぞらせて、達した。
すぐに彼女の膝が力を失う。
「立っているように命じたはずだが」
「も……だめ、です」
翠子さんが力なくくずおれる。
後ろ手に縛られ、目隠しされたままなので、俺は彼女の身体をとっさに支えた。
「そんなに時間は経っていないけどな」
「……ごめん、なさい」
参った。降参だ。
涙声で、しかも今にも消え入りそうな声で謝られて。どうしてあなたを嬲ることができようか。
俺は彼女の目隠しと、手首の帯を解いてやった。
よかった。縛めていた痕は残っていない。
行灯の明かりが目に入り、その眩しさで翠子さんは目を細める。
「もう怒っていらっしゃらないのですか?」
「ああ、怒っていないよ」
「許してくださるの?」
俺がうなずくと、翠子さんはその黒い瞳を潤ませた。
今になって涙を流すなんて。これまで泣くのを我慢していたなんて。
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「でも……」
「もう一人で勝手に出歩かないと、約束できるね。それと、あの叔父についていかないこと」
「はい」
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駄目だ。あなたに対してのお仕置きのはずだったのに。罪悪感にさいなまれて、まるで自分自身を仕置きしているかのようだ。
頭を撫でてやると、彼女はそっと微笑んだ。
たとえ俺があなたの花を散らし、穢したとしても。あなたはきっと清らかなままなのだろう。
そんな優しい笑顔だった。
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