【第ニ部】没落令嬢は今宵も甘く調教される

真風月花

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三章

38、朝の光の中で【4】

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 背後から激しく揺さぶられ、しかも三本の指が擦れて。一瞬で頭の中が白くなってしまいました。
 びくびくと震える体。あまりにも簡単に達してしまったのです。

「翠子さん、そんなに締め付けたら……」
「だめぇ、動かないで。今、いって……るの」
「ああ、分かるよ。ちゃんと伝わってくる」
「ぁあっ、んん……っ」

 達したばかりの体は敏感で、なのに旦那さまはなおもわたくしを穿つので、さらなる快感に貫かれて。強すぎる快感が波のように押し寄せてきます。

「また……お願い、苦し……」

 どんなにお願いをしても、旦那さまは解放してくださいません。片手はわたくしの秘所に添えられ、もう片方の手はわたくしの体をがっちりと拘束なさっています。
 耳元で聞こえる荒い息遣い。そしてわたくしの淫らな声。

「だめ……止めて……もう、わたくし」
「済まない。そのお願いは聞けないな」

 内腿を濡らしているのが、自分から溢れているものだと思うと、足を閉じたくなりました。
 けれど、足を開かされそれも叶いません。
 
 間断なく押し寄せて来る絶頂。わたくしは口を閉じることすらもできず、旦那さまの汗が背に落ちるだけでも、びくりと感じてしまいます。

「ぁ……ぁあ、ぅ……ぁぁ」

 もう、まともな言葉を発することも出来ません。感じすぎて、おかしくなってしまいそう。
 旦那さまに愛され、躾けられ、わたくしの体はどんどん調教されているのかもしれません。

◇◇◇

 何度も絶頂を極めた翠子さんは、壁を引っ掻きながら喘いでいた。
 その姿がとても美しく、ともすれば見とれてしまうほどだ。

 彼女は俺の頬を伝って落ちる汗にすらも感じて、びくっと身を竦ませる。
 ああ、なんと愛しいのだろう。

 さっきまで頑なだったのに。こうして俺を受け入れて、存分に感じてくれる。
 他の誰かと翠子さんを比べたことはない。俺には生涯、あなたしかいないからだ。
 他の誰も、あなたの身代わりにはなれないし、他の女性には触れたくもない。

 だが、こうして俺のすべてを受け入れてくれる翠子さんのことが愛しすぎて。いつか抱き潰してしまうのではないかと、不安にもなる。

「動くよ」
「ま、待って……ください」

 翠子さんの手を、繋がった部分に触れさせたまま、俺は再び彼女を深く貫いた。

「は……ぁ、はっ、ぁ……っ」

 もはや、体中が敏感になった彼女は、俺の頬を伝い流れる汗が背に落ちただけで、達してしまう。
 俺自身にも彼女の指が触れているから、自分でも気づかぬ内に「く……っ」と噛み殺した声が洩れてしまう。

「あ、あぁ、あっ、だめ、だめぇ」

 もう何度目だろうか。翠子さんはまた達した。
 弓なりに背中をのけぞらせ、唇を半ば開いて目には涙を浮かべている。
 普段のあどけなさは欠片も見えぬ、凄絶な色香だ。

 ベッドにぐったりと体を投げ出して、翠子さんは眠りに落ちた。
 白い裸身をさらす彼女を抱き上げると、まだ快感が去らないのか、甘い喘ぎ声を洩らしている。

「よく頑張ったな」

 彼女のひたいにくちづけを落とすと、ぴくりと翠子さんの体が跳ねた。まるで白魚のようだ。

 とんとんとん、と階段を上がる音がする。
 人の重さの足音ではない。あいつだ、猫のくせに足音を立てる(なんの為の肉球だよ、と言いたくなる)エリスが、背伸びをして前脚で扉を開いた。

 小さな口には、白い足袋を咥えている。

「お前は本当に、翠子さんに優しいよな」
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