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「俺が今回、霊長の守護者として琺輪より受けた使命。
この世界の魂を持たない君になら話してもいいだろう。
それは魔神皇と呼ばれる者を始末すること。
邪なる存在に唆され異世界から転生し、無謀なる力を振りかざす……
即ち悪しき魂を滅ぼすことだったんだ」
少し重苦しい口調でネムレスは私に語ってくれました。
私も彼の口から出たキーワードに鼓動が荒くなります。
魔神皇。
その言葉に、苦い想い出と聞き覚えがあったから。
むしろ忘れる事がなかったといっても過言ではありません。
パンドゥールが言っていた、奴等の親玉の名称です。
自らの造り出した組織であるアラクネの情報網を広げ、
それとなく詮索はしてたのですが……
先代勇者である一行が所属してたS級パーティー<雷神の右腕>
何分結成されてたのが10年以上も前の話であり、
さらにその活動は辺境を主体としたものだったので、
思う様に情報が集まりませんでした。
結局父様達のやんちゃ振りが判明しただけで、その正体にはたどり着けなかったのが残念です。
父様にそれとなく聞いてみましたが、上手くはぐらかされましたし。
しかし断ち切れた糸がここで微妙に絡んできます。
意外なところ、意外な形で物事は繋がっているみたいです。
でも聞き慣れない言葉もあったので、すぐさま尋ねてみることにします。
「そういえばネムレス」
「どうした、ユナ」
「琺輪って何ですか?」
「地球人である君達の言葉で言うなら……根源<ルーツ>
いや、アカシックレコードといった方が分かりやすいか。
万物の始まり。
全ての起因となった霊的な場所の事だ」
「それなら以前聞いた事があります」
「そうか。理解が早くて助かる」
「ただ」
「ん?」
「何故私の世界の事を?
詳しくは何も話してないのに」
幾分か警戒の意を込め、ネムレスを睨みます。
しかしネムレスは肩を竦め解説し始めます。
「君は勘違いをしてる、ユナ」
「何がです!?」
「この100周期で琺輪世界に渡界できる隣り合った世界は、
今現在ファイブリアと君の住んでいた地球だけだ。
君の魂はどう見ても人間の在り方だ。
妖精が繁栄するファイブリアのものでは決してない。
君は知らないかも知れないが、意外と異世界を行き来する者は多いのだよ。
俺の同僚にはその監視と案内を主体とする者もいる」
「そう……なんですか?
でも、うーん」
「君の世界にも旧神<エルダーズゴッド>と呼ばれる者達がいる。
そういった存在達なら異世界の壁を抜けるのは決して不可能ではない」
「なるほど。
じゃあ……私を転生させてくれたナイアル様も」
「ああ。この世界にも知れ渡る程、強大な力を持つ存在だ。
ただ……邪神というか、外なる神<アウターズゴッド>に属するがな」
「外なる神<アウターズゴッド>?」
「運命を嘲笑うもの。
視えない因果の指し手。
英雄の介添え人。
正しき怒りの具現者。
実に様々な呼ばれ方をするが、その目的は一つ」
「何です?」
「停滞した世界の混沌化だな。
ナイアル達のような存在は、世界が調和に満ち安定するのを望まない。
人々が争い合い切磋琢磨するのが好ましいと考えているらしい。
だから時に君のような存在を唆したり、遣わしたりする」
「悪いひと……なんですか?」
「仮にも神を掴まえて善も悪も無いが。
定命を生きる人間では理解しかねる部分が多いしね」
私の疑問にネムレスは皮肉げに苦笑を返すのでした。
この世界の魂を持たない君になら話してもいいだろう。
それは魔神皇と呼ばれる者を始末すること。
邪なる存在に唆され異世界から転生し、無謀なる力を振りかざす……
即ち悪しき魂を滅ぼすことだったんだ」
少し重苦しい口調でネムレスは私に語ってくれました。
私も彼の口から出たキーワードに鼓動が荒くなります。
魔神皇。
その言葉に、苦い想い出と聞き覚えがあったから。
むしろ忘れる事がなかったといっても過言ではありません。
パンドゥールが言っていた、奴等の親玉の名称です。
自らの造り出した組織であるアラクネの情報網を広げ、
それとなく詮索はしてたのですが……
先代勇者である一行が所属してたS級パーティー<雷神の右腕>
何分結成されてたのが10年以上も前の話であり、
さらにその活動は辺境を主体としたものだったので、
思う様に情報が集まりませんでした。
結局父様達のやんちゃ振りが判明しただけで、その正体にはたどり着けなかったのが残念です。
父様にそれとなく聞いてみましたが、上手くはぐらかされましたし。
しかし断ち切れた糸がここで微妙に絡んできます。
意外なところ、意外な形で物事は繋がっているみたいです。
でも聞き慣れない言葉もあったので、すぐさま尋ねてみることにします。
「そういえばネムレス」
「どうした、ユナ」
「琺輪って何ですか?」
「地球人である君達の言葉で言うなら……根源<ルーツ>
いや、アカシックレコードといった方が分かりやすいか。
万物の始まり。
全ての起因となった霊的な場所の事だ」
「それなら以前聞いた事があります」
「そうか。理解が早くて助かる」
「ただ」
「ん?」
「何故私の世界の事を?
詳しくは何も話してないのに」
幾分か警戒の意を込め、ネムレスを睨みます。
しかしネムレスは肩を竦め解説し始めます。
「君は勘違いをしてる、ユナ」
「何がです!?」
「この100周期で琺輪世界に渡界できる隣り合った世界は、
今現在ファイブリアと君の住んでいた地球だけだ。
君の魂はどう見ても人間の在り方だ。
妖精が繁栄するファイブリアのものでは決してない。
君は知らないかも知れないが、意外と異世界を行き来する者は多いのだよ。
俺の同僚にはその監視と案内を主体とする者もいる」
「そう……なんですか?
でも、うーん」
「君の世界にも旧神<エルダーズゴッド>と呼ばれる者達がいる。
そういった存在達なら異世界の壁を抜けるのは決して不可能ではない」
「なるほど。
じゃあ……私を転生させてくれたナイアル様も」
「ああ。この世界にも知れ渡る程、強大な力を持つ存在だ。
ただ……邪神というか、外なる神<アウターズゴッド>に属するがな」
「外なる神<アウターズゴッド>?」
「運命を嘲笑うもの。
視えない因果の指し手。
英雄の介添え人。
正しき怒りの具現者。
実に様々な呼ばれ方をするが、その目的は一つ」
「何です?」
「停滞した世界の混沌化だな。
ナイアル達のような存在は、世界が調和に満ち安定するのを望まない。
人々が争い合い切磋琢磨するのが好ましいと考えているらしい。
だから時に君のような存在を唆したり、遣わしたりする」
「悪いひと……なんですか?」
「仮にも神を掴まえて善も悪も無いが。
定命を生きる人間では理解しかねる部分が多いしね」
私の疑問にネムレスは皮肉げに苦笑を返すのでした。
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