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1日目⑪
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「幸運でしたね、臥龍。
チュートリアルでまさかスキルを授かるとは」
ついに始まったダンジョン探索。
スカル先生との別離後――
十分な広さを持った洞窟を俺は油断せずに歩む。
敵の居場所や内部構造についてはアイが懇切丁寧に教えてくれている。
お陰で罠にも掛からず、先行きに不安も無い。
だが……スカル先生から学び得た常在戦場の心構えが、物見遊山なおのぼりさん気質になるのを防いでいた。
そんな俺に話し掛けてくるアイ。
俺は気になった事を含め訊いてみる。
「それって――普通じゃないのか?」
「極めて異例です。
通常はあくまで戦闘訓練を施すのみですから」
「異例といえば、あの骸骨【スケルトン】……
俺は敬意をこめてスカル先生と呼ぶけど、あの人は何者だ?
どう見てもただのモンスターじゃないだろ?」
「ええ。詳しくは今のレベルでは語れません。
ですがあの方の前身はその昔【剣聖】と呼ばれた――」
言い掛けたアイの言葉が静止する。
その理由を俺も理解している。
場所もタイミングもぴったりだから覚悟は出来ていた。
アイが告げたダンジョン1階に点在する敵の一匹。
大鼠【ジャイアントラット】が現れたのだ。
子犬程もある毛むくじゃらのそいつは暗がりから姿を見せると周囲を確認。
俺の姿を捉えると甲高い声を上げて襲い来る!
「見せてもらおうか……
ダンジョンに住まうモンスターの性能とやらを!」
短い手足を激しく動かし突進してくる大鼠。
俺はスコップを自然体で構えると、静かに大きく振りかぶる。
すると大鼠は人の急所である喉元目掛けて鋭い牙を覗かせ跳躍してきた!
獲物を狙う速さ・獰猛さに秘められた殺意。
共にダンジョンに挑む前の俺ならば即死してしまう恐れがある脅威だろう。
だが――戦士【ファイター】クラスを得てスカル先生の薫陶を受けた今の俺は、数時間前とはもはや別人レベル。
「甘い、そこだ!」
パッシブスキルである【身体強化】の恩恵を受けたスコップの旋回が、空中で逃げ場のない大鼠【ジャイアントラット】の姿を正確に捕捉。
渾身の力をこめた一撃は大鼠を壁面まで吹っ飛ばし叩きつけた。
反撃に備え残心を怠らずスコップを構え直したがそれは杞憂だったようだ。
頭蓋骨が粉砕され目玉が飛び出た大鼠はピクピク痙攣した後、絶命。
魔石と呼ばれるものをその場に残し消え失せた。
ファンファーレも何もない泥臭い戦闘。
しかし――
「お見事です、臥龍。
ダンジョンモンスター初討伐になります」
「おう。けど、認めたくないもんだな……
低レベル故の未熟さってヤツを」
手放しで褒めるアイの称賛に、いつの間にか浮かんでいた汗を拭いながら――俺は冗談交じりに屈託のない笑みを浮かべ応じるのだった。
チュートリアルでまさかスキルを授かるとは」
ついに始まったダンジョン探索。
スカル先生との別離後――
十分な広さを持った洞窟を俺は油断せずに歩む。
敵の居場所や内部構造についてはアイが懇切丁寧に教えてくれている。
お陰で罠にも掛からず、先行きに不安も無い。
だが……スカル先生から学び得た常在戦場の心構えが、物見遊山なおのぼりさん気質になるのを防いでいた。
そんな俺に話し掛けてくるアイ。
俺は気になった事を含め訊いてみる。
「それって――普通じゃないのか?」
「極めて異例です。
通常はあくまで戦闘訓練を施すのみですから」
「異例といえば、あの骸骨【スケルトン】……
俺は敬意をこめてスカル先生と呼ぶけど、あの人は何者だ?
どう見てもただのモンスターじゃないだろ?」
「ええ。詳しくは今のレベルでは語れません。
ですがあの方の前身はその昔【剣聖】と呼ばれた――」
言い掛けたアイの言葉が静止する。
その理由を俺も理解している。
場所もタイミングもぴったりだから覚悟は出来ていた。
アイが告げたダンジョン1階に点在する敵の一匹。
大鼠【ジャイアントラット】が現れたのだ。
子犬程もある毛むくじゃらのそいつは暗がりから姿を見せると周囲を確認。
俺の姿を捉えると甲高い声を上げて襲い来る!
「見せてもらおうか……
ダンジョンに住まうモンスターの性能とやらを!」
短い手足を激しく動かし突進してくる大鼠。
俺はスコップを自然体で構えると、静かに大きく振りかぶる。
すると大鼠は人の急所である喉元目掛けて鋭い牙を覗かせ跳躍してきた!
獲物を狙う速さ・獰猛さに秘められた殺意。
共にダンジョンに挑む前の俺ならば即死してしまう恐れがある脅威だろう。
だが――戦士【ファイター】クラスを得てスカル先生の薫陶を受けた今の俺は、数時間前とはもはや別人レベル。
「甘い、そこだ!」
パッシブスキルである【身体強化】の恩恵を受けたスコップの旋回が、空中で逃げ場のない大鼠【ジャイアントラット】の姿を正確に捕捉。
渾身の力をこめた一撃は大鼠を壁面まで吹っ飛ばし叩きつけた。
反撃に備え残心を怠らずスコップを構え直したがそれは杞憂だったようだ。
頭蓋骨が粉砕され目玉が飛び出た大鼠はピクピク痙攣した後、絶命。
魔石と呼ばれるものをその場に残し消え失せた。
ファンファーレも何もない泥臭い戦闘。
しかし――
「お見事です、臥龍。
ダンジョンモンスター初討伐になります」
「おう。けど、認めたくないもんだな……
低レベル故の未熟さってヤツを」
手放しで褒めるアイの称賛に、いつの間にか浮かんでいた汗を拭いながら――俺は冗談交じりに屈託のない笑みを浮かべ応じるのだった。
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