拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第8章 のろのろ帰還と運命の再会?

第008話 アドンの町へ

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 ビアンカお姉様とフォシュレーグ王国に入ってすぐ、急遽アドンの町に向かう事になった。第3王女エミリアーナ姫と白銀騎士団とやらがソコの迷宮に潜って戻って来ないらしいのだ。
 本来なら領都に向かってねぇねと再会出来た筈なんだけどね。ビアンカお姉様の付き人としての契約期間内なのだから付き合うのも仕方がない。大人なんだから我慢するんだよ。
 急ぎの旅だから馬車の馬に俺の回復魔法をフルに使い倒している。馬に水や食事も必要だから小休止は取っているんだけど、馬車で3日の旅だから2日掛からずに辿り着くだろう。
 ――けど、何か馬と俺だけキツいんだけど?
 休憩の間、久しぶりにレイク達を剣を交えた。互いに木剣だけどやっぱりレイク達は強くて全然相手にならなかった。
 レイクは元々ランク6だったけど今やリックとトマソンも同じランク6だそうだ。俺なんてまだランク3なのに。ランク6で人外の領域に触れ、ランク7で片足を突っ込むって言うからな。――コイツ等揃って人外だ。
「つってもレイクと比べられたらなぁ? 一緒にされたくねえからさっさとランク上げて欲しいんだよな。レイクには」
「俺も、レイクとは比べられたくない」
「仕方ないだろ? ランク7に上げるにはリアースレイ精霊王国から認められないと駄目なんだから。シャルロッテ様待ちだな」

 レイクはランク7クラスの力があるとシャルロッテ様は見ていてリアースレイ精霊王国に働き掛けているらしい。ランク7となると審査出来る人がこの国に居ないんだって、大変だね。
 その為にシャルロッテ様から大剣、魔剣レーティッシュを渡されたそうだ。オリハルコンと日緋色金が入った合金で破魔の力があって、嵌め込まれた魔石に風の力が宿っているらしい。レイクと同じくらいの背丈(195cm)がある魔剣だから見上げちゃうけど、めっちゃ格好良い。
 俺が扱えたら交換して欲しいくらいだ。俺の身長(130cm)より遥かにデカいから持てもしないだろうけど、……一応貸して貰ったよ。
 持つどころか倒れない様に支えるしか出来なかったけどな!
『イヤすぐに倒れそうになってレイクに剣ごと支えられておったのじゃ』
『主、見栄張ったなのー?』
 うるさいな!
「あっはっはっ、似合うじゃないかアイリス。レイク、アイリスの剣と交換してやったらどうだ?」
「いや俺にはもったいないだろう。アイリスさんのは伝説級の精霊剣だぞ?」
 無骨な大剣を持つ小柄なアイリス、幼女向けの可愛らしい細剣を持つ大柄なレイク。そのギャップを面白がってリックがイジるが、レイクは大真面目に答えてしまう。
「そう言う事じゃないんだけどなあ。トマソンはどうだ? アイリスの双剣」
「リックの方が似合うだろう。無理が無い」
「いや無理無理、無理だって! 恥ずかし過ぎるだろぉ!? こんな小っちゃい女の子が使う様な剣! 帯剣どころかただ持ってるのも恥ずかしいわ!!」
 俺はその恥ずかしい剣を使っているんだが?
『そんな魔剣よりリリィ達の方が優秀なのじゃぞ!? 伝説級じゃぞ伝説級! しかも精霊神様自らお与えになったのじゃぞ!?』
 直接って、俺別に手渡されてないけど?
『精霊神様の思し召しなのじゃ! あんな偶然有り得ないのじゃああああ!!』
『ネネェの時もそうなのー! それにこの見た目は主の望みの姿なのー!!』
 リリィの精霊剣を手に入れた時そんな話しをしたな。でも望み通りの姿かと言われると微妙なんだよね。何で幼い少女が好みそうな可愛らしい剣になってしまったのかが分からない。
『それはリリィの見た目(アイリスの妹の幼女姿)のイメージに引っ張られたのじゃな。お主が』
 ――むう。

「俺とトマソンの武器も魔武器なんだぜ。アダマンタイトが入っていてレイクと同じ国宝級だ。まあ俺達のは並でレイクのは最上級の、だけどな」
「俺達は魔武器ありきでランク6に上げられた」
「それな、けど扱える様になってから確実に実力も上がってるだろ?」
 俺は伝説級の精霊剣ありきでランク3なのだが?
 アダマンタイトが癖が強く、魔力を通さないのでまともに扱える様になるまで時間が掛かったそうだ。コツは魔力を魔剣に通さず覆う様にするのだそう。良く分からない。
 レイクは盾に片手剣だったのが大剣一本に、リックとトマソンは槍と両手剣のままだが各々以前とは比べ様もない武器を手にして技量も上げたらしい。
 どっちも格好良いじゃないか。持たせて貰ったけど身体強化魔法を使っても持ち上げられないくらいだ。俺に腕力が無さ過ぎるのかコイツ等の武器が重過ぎるのか。
『絶対後者じゃろ』
『分かりきった事なのー』
 うるさいなもうっ! 全員に軽くあしらわれたし、全く成長が見えない俺とは大違いだよ!!
「いや、アイリスも中々双剣が様になってたんじゃないか? 扱い難しそうなのにな」
「――守りは固く感じた」
「アイリスさんは双剣になってからまだ間がないのに、才能があるのかも知れないですね」
 取って付けた様なフォローするなコイツ等。
『いやいや、実際上手くなっとるのじゃ!』
『ネネェもそう思うなのー』
 雑なフォローすんなよな、お前等も。

「ビアンカ様っ、ほらほらアイリスちゃんを見て下さいよ。ぷくって膨れてます! 頬っぺをぷくって! かんわいいですねえ!?」
「落ち着きなさいナージャ。……それにしてもあの子、何かますます子供っぽくなってないかしら?」
「アリアちゃんカチュアちゃんと一緒にいたお陰ですね! 私も尽力致しましたが微々たるものですよ!?」
「……誉めて無いんだけど? て言うか何をしてたのよ貴女?」
 ダールトンから強奪したカメラとやらで、遠慮なく撮って見せてくるナージャを窘め、アイリスへの疑問を呟くが当然の様にまともな返答は返って来ない。
 困惑するしかないビアンカを横にテンション爆上げのナージャであった。
「アイリスちゃん大丈夫? 痛いところ無い?」
「ん、無い」
「アイリスちゃん頑張ったね~。良い子良い子」
 アイリスはアリアとカチュアの元に行き2人に慰められていた。
 レイク達3人に軽くあしらわれた事で拗ねていたのが丸分かりだったのだ。されるがままになっているアイリスもアイリスだが。

「……おいレイク、お前も感じたか?」
「と言う事は2人も?」
 レイクはアイリスと鍛練で剣を交えたが剣を向けると忌避感を感じていた。リックとトマソンも同じ様に感じていた様だ。だがこの忌避感には全員覚えがあった。
 ――メメントリア王国で精霊樹に感じたモノと同様のモノだった。
「神聖なる魔力、……か。本当に人間か? アイツ」
 厳しい目を向けるリック、普段のアイリスからはそこまで神聖な気配は感じない。相対した時に感じたのは身体強化魔法で魔力を使ったからだろう。
 アイリスは気付いていないがリリィ達の魔力を受け入れ続け、自身もそれを参考に魔法を使い続けてきた事でその魔力の性質も同化して来ているのだった。
「流石アイリスさんだな」
「レイクのシャルロッテ様とアイリスに対する信頼が怖いんだけど?」
「今更だ。諦めろリック」




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