拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

文字の大きさ
301 / 305
第2部第1章 ひたひた進む新展開?

第002話 幕間 グランツ、魂の叫び

しおりを挟む

「「「「「レンリート! レンリート! レンリート! レンリート! レンリート!」」」」」
「「「「「新国王陛下ばんざーい! ばんざーい!! ばんざーーい!!!」」」」」
 レンリート・ウル・グランツは王都民の大歓声を受け白目になりそうになりながら妻のエウレカと共にアデール王国の王都へ、大軍の護衛を引き連れて入って行った。
 なお大軍はパレードをさせる為に王都前で待ち構えていたレンリート伯爵領軍である。――当然シャルロッテの差配だ。
「こっそり入られたらパレードにならないわよ」
「いやパレード自体を望んでないんだよ!?」
 レンリート夫妻は旧アデール王国王都で民衆から新国王として手厚い歓迎を受けて王城へ入って行った。既にグランツは長旅以外の疲れで疲れ切っていた。
 因みにシャルロッテはレンリート伯爵領と旧アデール王国の領境から飛空挺を使ってグランツ達を連れて来ようとしたのだが、カントラス王国の商工ギルドでアイリスが居ない事が理由で飛空挺の使用を断られていた。
(まあグランツが旧アデール王国を治めればリアースレイ精霊王国の再進出を検討すると約束してくれたし、最低限仕事は出来たと言えるけど)
 やはりアイリスが居ないともどかしい。今はビアンカとフォシュレーグ王国に戻っているけど何とか呼び戻したいと改めて考えるシャルロッテだった。

「この国の名前はレンリート王国で良いかしら?」
「俺の話し聞いてる!? って言うかいきなりブッ込んで来たなシャルロッテ!!」
「国名は早く決めて欲しいのよ」
「いや先ず国を興す事を望んでねえんだよ!? 自国(フォシュレーグ王国)と揉めるだろ!!」
「何を今更、その為のエミリアーナ姫でしょ? 上手く使いなさいよ」
「不敬が過ぎるだろぉおおおおお!!?」
「貴方も国王でしょ」
「まだなってねえわ! て言うかなるつもりもねえわ!!」
「既にカントラス王国との同盟の話しも進んでるし、メメントリア王国、タヒュロス王国との同盟案も作ってあるのよ。貴方はフォシュレーグ王国の高位貴族だからフォシュレーグ王国との関係も友好的になると思われているの」
「思った以上に話しが進んでる!!?」
「民衆の歓迎はそう言った周辺諸国との関係改善によって平和が築かれる事への期待なのよ」
「期待が重い! て言うか俺が断ったらどうする気だったんだよ!?」
「断らせないわよ。と言うか断れないでしょう? もし断れば周辺諸国と泥沼の戦争、旧アデール王国領の削りあいになるわよ? 貴方も最前線で巻き込まれるのよ?」
「なっ、何でだよ!?」
「はぁ、……アデール王国は政治も軍もバラバラなのよ? そんな領地を放っておいたらアデール王国の残党にカントラス王国、そしてフォシュレーグ王国が進軍するでしょうね」
 それは分かる。支配者の居ない領地なんて放っておけば敵対勢力の手に渡るし、何より自分のモノにしたいと考えるのが普通の王侯貴族と言うモノだ。
「泥沼になってくれば周辺の中小国家も動いてきて更に混沌化するでしょうね。――その際領境にある貴方の領地も矢面に立たされるのはのではないかしら?」
 そこにルードルシア教王国ラージヒルド商業王国が加わって一体どれだけの血が流れて、どれだけの時間を掛けて、どれだけの領地を国が得るのでしょうね?
(楽しそうに言いやがって。だが自国自領の事を考えれば確かに息子達の事もある。――これは受けるしか無いのか?)

「それにしてもカントラス王国とは良く同盟を進めたわね。上手く行くのかしら?」
 俺が重責に胃を痛めているとエウレカが口を挟んできた。
 確かに、カントラス王国はフォシュレーグ王国と同規模の王国だ。アデール王国が実質フォシュレーグ王国に吸収される(様に見える)のをただ指を咥えているとも思えん。
「当初はカントラス王国の重鎮達もカントラス王国内の教王国商業王国の連中も猛反発したらしいですね。――でもアデール王国の内乱を先導したのがその教王国商業王国である事が暴露されて流れが変わったの」
 ルードルシア教王国ラージヒルド商業王国は否定していたが、ラージヒルド商業王国が飛空挺を奪ったのをアデール王国の愚王が宣伝していたのだ。それがカントラス王国の耳にも入ったのが決定打となった。
 他国を戦乱に巻き込んで弱らせ、支援と称して国を乗っ取る気かと国民の多くから批判が出る事になったそうだ。そしてルードルシア教王国ラージヒルド商業王国の声が小さくなった隙に同盟の話しを押し進めたのだ。
 ――まあどうせその噂の出元はシャルロッテだろうがな。
「……しかし死んでも他国を混乱させるとか、流石は愚王と呼ばれるだけあるな。あの突撃姫と並び称されるだけはあるんだな」
「…………貴女」
「ふふっ、エミリアーナ姫の耳に届かなければ良いですね?」
「――っ! シャルロッテ言うなよ! 絶対だからな!? フリじゃないぞ!!」
 思わずボヤいてしまったが、他国の愚王より先の迷宮の事とか間近に迷惑を掛けられた突撃姫ことエミリアーナ姫の方が俺にとっては災害だ。――出来ればもう関わりたくない。
 ――愚王はもう死んでるしな。


 そして国名はレンリート王国となった。これからの様々な軋轢を考えると本当に胃が痛い。
 だがエウレカはご機嫌だ。リアースレイ精霊王国と国交が出来れば化粧品に宝飾品、様々な物が直接取り引きで手に入る様になるのだ。
 その上アイリスを囲い込めば美容の魔法も受けられるのだからそれも当然だろう。
 今も何時アイリスをコチラに呼ぶのかシャルロッテに詰め寄っている。俺には出来ない所業だ。
「まだビアンカお嬢様の護衛期間中ですから、一時的に呼ぶ事は出来るでしょうが、……定住して貰う方が良いんですよね」
「そうよね! 一緒に住むのも良いわよね!? 城に幾らでも部屋なんて余っているんだし!」
「あの子の機嫌を損ねてはなりません。ビアンカお嬢様には心を許しているそうなので、ソチラから色々と話しを聞いて外堀を埋める様に注意深く懐に入れるのが良いでしょうね」
 エウレカは楽しそうに、シャルロッテも実に楽しそうに話してるが俺は全く楽しくない。
 あの謎生物(アイリス)とシャルロッテが組む事になるんだぞ? エウレカもビアンカもシャルロッテ側だし味方がいねえぞ!? 俺の胃が破壊される地獄の未来しか見えないんだよ!!
(何故こんな事に! シャルロッテめ! 俺は国なんて起こさずに平穏に生きたかったんだぞぉおおおおお!!!?)
 レンリート・ウル・グランツ、魂の叫びであった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」

チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。 だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。 魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。 だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。 追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。 訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。 そして助けた少女は、実は王国の姫!? 「もう面倒ごとはごめんだ」 そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...