26 / 278
第1章 うろうろ迷子と運命の出会い?
第026話 3人娘に保護される、聖女?
しおりを挟む「いや、まあ回復魔法の事も……うーん。まあいざと言う時は頼りになるがな。だが今回期待してるのはそっちじゃない」
「違うんですか?」
「ああ、ウチのギルド長がエルビアの町まで行って戦力の補充に行っててな。折り返して此処まで戻るのに早くとも後1日は掛かる。――で、その補充が来たら残党狩りに参加して欲しいんだ」
「アイリスちゃんてそんなに強いんですか? こんなに可愛いのに!?」
可愛い関係ないよな? って言うかこんな少女達にまでこの扱いって……。確かに肌のハリとか良くなってるとは思うけど、オッサン相手に何言ってんだか。コイツ等目が腐ってるんじゃないだろうか。
「まあアイリスが弱いとは思わんが、今回は索敵能力を買ってるんだ。コッチははっきり言ってかなりの腕だぞ。専門家の俺も全く敵わん」
「ふえ~、すごーい、アイリスちゃん何でも出来るんだねえ」
よしよしすなラビィ、お前は俺の母親か!?
「で、――どうだ?」
「ん~……」
面倒だなぁ、でも2日寝てられるなら受けても良いかなあ? 危なくなければだけど。
「お前にはレイク達とガストン達を付けるつもりだから安全は保障するぞ」
「ガストン?」コテリ
「ああ、知らなかったか? 青の城壁ってチーム名で領内じゃ有名なんだが、3人共ランク5の上級者で守りの硬さには定評があるチームだぞ」
「んん~……、分かったぁ」
ランク5ならレイクに次ぐ上級者だしレイク達も付くなら確かに安全か。
「はあ、……助かる」
「それなら私も残ってアイリスちゃんのお世話をします!」
「「私達も」」
「いや、残ってる冒険者はコッチで厳選したメンバーだけだ。両隣りの村も腕の立つ奴等で固めてる。お前等そこに割って入れる力があるのか?」
「「「うっ」無いです」防具もボロボロ」
「あっ! いや待て、聖女騒ぎもあったな。この村にはまだ兵士と冒険者だけで30人近くいるし。それにこれからエルビアの町からも人が来るか。うーん、……お前等の中に紛れれば少しは目立たないかも知れんか?」
「私頑張ってアイリスちゃんを守って見せます!」
「私もっ!」「頑張る、です」
「あー、なるべく目立たないようにな。一応金についてはウチのギルド長に冒険者ギルドのギルド長を脅し、――説得して出して貰うよう頼んでみるから」
「「「はいっ!」」」
「トラブルになりそうなら助けを呼べ。アイリスも寝ちまったし後は頼んだ。起きたら忘れてるかも知れんから俺の依頼の話しをもう一度説明しといてくれ。じゃあな」
「あっ、本当だ」「何時の間に」「ふふっ。可愛い、子供みたい」
『――子供に子供言われとるのじゃ』呆れ顔
「ふわぁ~ああ、……んゅっ?」
目を覚ますと部屋では今度はラビィが一緒の布団で寝てた。コイツら貞操観念何処に捨てて来た?
『そう言いながらその年頃の少女に抱き付いて寝とるお主の方は一体どうなっておるのじゃ?』ジト目
精霊剣には悪意を感知する事が出来る能力があるらしくて、この少女達には悪意が無いらしい。そのおかげで俺も警戒せずにいられるんだけど人肌って何か安心するなぁ。
これがねぇねだったら最高なのに、ってもう夕方か、……あれ? 一度起きたような??
『起きておったぞ。後で娘達に話しを聞いておくが良い。それよりも体調はどうなのじゃ?』
んー……うん!?お前また俺に何かしたんじゃないだろうな!
『何もしとらんのじゃ。昨日の事があったから様子見しとったのじゃ。その分じゃと問題無さそうじゃの』
むむっ、まあ……まだダルい、疲れがあるくらいか。でも本当に何もしてないんだろうな?
『我が調整してたら疲れなど残さんのじゃ。それよりも確認したい事があるのじゃが?』
ん? 何だ?
『これまでお主が寝とる間に調整して来たが、精神に何か作用した事は無かったよな?』
んんー……まあ、そうだけど。
『とすると昨日の変化は我の回復魔法と合わなかったのかも知れんと思うての』
……確かに、コイツの清浄過ぎる魔力で気持ち悪くなった事はあったけど、あそこまで性格そのものが変わるのは無かったかな?
『うむ、その確認の為少しだけ試したいのじゃが良いかの?』
ええ~……イヤだよ、何でそんな事すんだよ。
『お主が怪我した時には我が回復させるしかなかろう?今の内に検証しておきたいのじゃ』
むむ、うーん……、そう言う事なら、……危険は無いんだろうな?
『その為の検証なのじゃ。無論配慮はするから安心するのじゃ。先ずはかすり傷を癒やす程度の魔力を外魔力循環して取り込むのじゃ』
「んっ」
相変わらず不快な魔力だ。それが身体中を駆け巡る、少量だけど自分の心が無理矢理洗われるような気がする。抵抗すると少し胸がムカつくように感じる程度か。
『次は同じ魔力量を回復属性にして送り込むのじゃ。違いがあるか教えるのじゃ』
うっ、気持ち悪い。さっきの2・3割増しくらいか。量が量だけに耐えられるけど。
『ふむ、やはり回復魔法との相性が悪かったようじゃの。慣れれば耐えられるかの?』
無理。
『潔いの、ではもうひとつ検証じゃ。直接回復魔法にして流すのではなく患部で回復魔法に属性変化させてみるのじゃ。取り敢えず指先にの』
おっ、コレならさっきよりはマシだな。初めの時に近いくらいか。
『では最後にお主の魔力のみで患部に回復魔法へ属性変化させてみるのじゃ』
おお、コレなら俺の魔力を勝手に使われる気持ち悪さはあるけど問題無いな。
『成る程、――さてどうするかの』
何だよ、この方法で良いじゃねえか。
『お主の魔力で足りなければ無理じゃろ。それに患部で回復魔法に変えるのは遠隔操作になるから難易度が上がるのじゃ』
それじゃ何の解決にもならないじゃないか。
『お主自身になら大抵の怪我でも遠隔操作でイケるがの。他人の大怪我には無理なのじゃ。精霊剣の能力の範疇を超えておるのじゃ』
他人の大怪我だと遠隔操作では治せない……と。
『本来回復魔法は精霊剣の分野じゃないからの。それにそもそもお主の魔力が全く足らんじゃろ』
うぐ、どうせ俺の魔力は少ないよ。
『うむ、取り敢えずこれからはお主の魔力量を増やすように調整をしていこうかの、多少の怪我ならお主の魔力だけで治せるようになるしの』
そうすればお前が外魔力循環しなくて済むって事か。
『お主自身魔力を使って鍛えるのも重要じゃぞ(結局なんの解決にもならんかったが、わざわざ言わんでええよな?)』
「あれ? アイリスちゃん起きてたの?」
「んっ」コクリ
ラビィも起きたか。っと、立ち上がろうとしたらさっきの魔力の検証の所為かフラっときてラビィの方に倒れ掛かってしまった。
「きゃっ、大丈夫アイリスちゃん!?」
「んっ、……ごめん」
右手に柔らかい感触が、慌てて手を離してラビィの方を恐る恐る見る、けど怒っては無いようでホッとした。
「何かあった? アレ? アイリスちゃんやっと起きたんだ」
「どうしたの?」
「うん、起きたけどアイリスちゃんはまだ本調子じゃないみたい」
ちょっとフラっとしただけなんだけど、何故か皆んなが心配する。そんなにか弱く見えるのか? 35歳のオッサンなのに、何か悲しくなってくるな。
その後お茶を貰いながら色々話しを聞いたら昼間サージェスが来て、俺に2・3日残るように言ったらしい。
それから聖女騒ぎが町で広まるのは時間の問題だそう。冒険者に口止めは出来なかったそうだ。もうあの町にはいられないかな。でもこれからどうすれば良いのかさっぱり検討もつかない。
――ソレもコレも全部この邪剣の所為か。
『(うぬぅ、原因を考えると否定出来んのじゃ!)』
2
あなたにおすすめの小説
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜
☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。
しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。
「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。
書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。
だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。
高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。
本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。
その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる