拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

文字の大きさ
99 / 278
第3章 なりきり学生生活は問題だらけ?

第022話 お友達と自己紹介と日常会話

しおりを挟む

「へえ、ホリーは商業ギルド系列のお店だったのね?」
「はい。……安さで勝負してたけどやっぱり苦しくて、レンリート伯爵家からお話しが来た時はびっくりしたけど助かりました」
「ふふん、その点エリカは元々商工ギルド系だから大して影響は無かったわよ? フランもじゃない?」
「ふふっ、そうですね。でもあの方のハーレムに加えられる事を考えれば大変助かりましたわ」
「うっ、そっ、そりゃエリカだってそうよ! あんなオークみたいなの死んでも嫌だったもん!」
「ちょっ、声が大きいわよエリカちゃん! 貴族と繋がりのある人達もいるんですよ? どんな噂立てられるか」ボソ
「あうっ!? ごっ、ごめんなさい」
「ふぅ、まあ滅多な事でも無ければ大丈夫だと思いますけど。自国の侯爵家の3男を学院から落としてしまうんですから」
「そう、そうよね? ホリーの言う通りよね?」
「ええ、私もそう思いますわ。第一学院に行くのかと思ったら自領の学院に通うと言う話しですし」
「フランさんもやっぱりそう思いました? フォシュレーグ王国と言うよりリアースレイ精霊王国が圧力を掛けたんでしょうけど、そこまで強い繋がりがあるのかしら?」
「………………何?」コテン
 女の子の話しなんて付いていけないからぼうっと話しを聞き流してたらホリーが俺を見つめてた。何の話し?

「ところでアイリスちゃん、可愛い服着てみませんか? 商工ギルドと取引き出来るようになって沢山可愛い服を仕入れられて、是非アイリスちゃんに着て頂きたいですわ」
 おう、フランがいきなり目をキラキラさせて本当に何の話しだ?
「あら、それならエリカの店の方が良いんじゃない? ウチは元々商工ギルドの洋服屋だもん沢山種類があるわよ?」
 ふふん、と無い胸を張り得意気にするエリカ。でも商売が競合してるのか、仲違いしなきゃ良いけど……。
『その前にオナゴに無い胸とか言うでないのじゃぞ?』
「ふふっ、私の家は女性服専門店なんですよ? エリカちゃんも可愛いから可愛い洋服を着せてみたいですわ」
「そっ、そう……。まあ確かにエリカは可愛いからね」
 フランが一枚上手だったか、エリカも毒気が抜けたみたいだし揉めずに良かった……ってちょっと待て、女性専門??
「……僕、……男、だよ?」
 くっ、僕って使い慣れてないから恥ずかしいぞ? みるみる顔が赤くなる、こんな事なら練習しとくんだった。全く、俺で良いじゃないかビアンカ様め。
『やれやれ、何処で恥ずかしがっておるのか。そんなんだから可愛いがられるのじゃ。まあ別に悪い事じゃ無いからリリィは構わんが』ジト目

 何故か皆んなに生暖かい目で見られながら俺とエリカだけがちゃん付けされると言う問題が発生したが、解決されないまま授業が進んでいく。
 因みに従者の殆どが送り迎えだけで家に帰って仕事をしてるそうだ。専属の従者と言うのは貴族や大商人の子供だけらしい。
 なのに何故かナージャさんは後ろに控えている。ヴェルンさんも学院内にいるらしいし何でだろうな。たかが一家臣に過剰じゃね? ……貴族の見栄ってヤツかね、面倒な事だな。
 ――いや俺的には助かるか。

 学院の授業は午前9時から3時間昼休憩をとって午後2時間の5時間ある。内容は座学が数学、国内史、世界史、礼節。実技が剣術、魔法、音楽(ダンス含)だ。
 馬術もあるけど馬の数に限りがあるから貴族の多い上位クラスのみとなっていて俺には関係ない。一番為にはなりそうだけど馬に乗るのは怖いから無くて良い。
 座学は数学以外が苦手だ。国内史世界史はビアンカお嬢様曰く、自国の都合で創られたファンタジーで本来なら覚えるに値しないゴミだって言うし、礼節もアデール王国内でしか通用しないモノも多くて他国で混同して間違えたら恥をかくそうだ。
 そんな事言われたら覚える気がしないんだけど!?
 意外なのがエリカちゃん(ちゃん付け強制)以外が余り信じてなかった事だ。自国の商品より明らかに精霊王国の物が出来が良くて流石に歴史書通りとは思えなかったそうだ。
 エリカちゃんは何も考えず鵜呑みにしてたらしいけど言われて納得してたな。寧ろフランなんて他国の人がアレを読んだらと思うと恥ずかしいと顔を赤くしてたしな。
『うむ、本好きと言う事もあって色々思う所があるのじゃろう』

「ええー! アイリスちゃん副都の迷宮に行ってたの? 大丈夫だった!?」
「ちょっ、エリカちゃんまた声が大きい!」
 エリカちゃんが声を上げホリーに嗜められた。でも皆んな興味津々みたいだな。
「でも確かにアイリスちゃん、試験の時も騎士を倒しちゃったし強かったもん。エリカびっくりしたんだから、ね? フラン」
「そうですね、本当に強かったです。私もびっくりしましたわ」
「違う、……弱いもん」
 皆んな分かって無い。あんなの相手が雑魚で油断してたからだ。あんなんで強いなんて言われても恥ずかしいだけだ。傭兵として一人前のレベルにも達して無いのに。
 だからあの騎士が金とコネで騎士になった口で実力は伴って無かったって教えておいた。けどそれなのに皆んな微妙な顔してた。
『まあ子供の中では強い方じゃし、それで充分じゃと思っておるのじゃろ』
 こ、……子供……。

「そっかぁ、じゃあ迷宮はどこまで行ったの? 強かった? エリカも何時か行ってみたいんだよね」
「3階層……、までなら、装備が良ければ、安全……」
「ふうん、強くはなかったの?」
 エリカちゃんぐいぐい来るな。
「早かった、……剣を当てる、苦労した」
「ふうん、成る程ぉ、装備を整えれば安全かぁ。ねね? アイリスちゃん今度一緒に行かない?」
 行かない、とは言い辛いよな。
「エリカちゃん無理言っちゃ駄目だよ? アイリスちゃん伯爵家に雇われの身なんだから。それに先ずは自分で戦えるようにならないとね?」
「うう、分かってるもん」
 フランに窘められ拗ねるエリカちゃん。諦めてくれた様で助かったな。

 その後、出て来た魔物の話しをしていったけど噛みつきネズミの話しで嫌な顔をして吸血蝙蝠で興味を無くし、跳ね兎が剣にズブズブ刺さりながら体当りされ血塗れになった話しをしたら耳を塞がれた。
 何故か分からないけど、エリカちゃんだけじゃ無く皆んなに俺がそう言う話しをしちゃ駄目だと怒られた。……何故だ?
『グロかったからのう、お主には似合わないって事じゃろ』
 ……俺の扱いどうなってんの??

 因みに。
「アイリスちゃんて、お貴族様の家でどう言う扱いなのかなあ?」
「ただの家臣なら従者を2人も、馬車付きで付けてる訳ないもんね?」
「実はアイリスちゃんも貴族の子って事?」
「それにしては……貴族としての常識が無いような気がしますわね」
「それを言ったら平民としても相当ズレてない?」
「「確かに」」
 なんて一幕も。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜

☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。 しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。 「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。 書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。 だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。 高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。 本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。 その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...