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第3章 なりきり学生生活は問題だらけ?
第032話 幕間 コレットチーム、トラウマ解消
しおりを挟む「そうだね。本来なら3匹くらいこの娘等なら楽勝なんだけど……、トラウマあるし初陣みたいなもんだからね。2匹はアタシが倒すよ。コレット達は3人で残りの1匹を倒してみな」
3人で1匹か、私はラビィとルルと視線を交わして頷き覚悟を決めた。タニアさんは楽勝だって言ってるし私達だってアレから沢山鍛えたんだ。怖いだけで自信が無い訳じゃない。
タニアさんは武器を長槍からハンマーに変えている。柄が10キロ、先端部分が20キロ、ハンマー全体で30キロ近くあるのだ。私達じゃ振り回すのは当然だけど持って歩くのも大変だ。
タニアさんはそのハンマーを持ちながら木の枝を揺らしてゴブリンに気付かせた。
「ぐぎゃっ!?」
「「ギキーー!!」」
ゴブリンが逃げないように私達とランドさん達は隠れている。木の葉の影から隠れて見ていると音に気付いたゴブリン達が一斉にタニアさんに向かって襲い掛かって来た。
「ふんっ」
タニアさんは落ち着いてハンマーの下を蹴って反動で担いで突っ込むように一振した。ハンマーは片側が小さな斧のようになっていて反対側は円錐状に尖らせてある。長さも2Mくらいあって長身のタニアさんが振り回すとかなりの迫力だ、その一振だけで2匹のゴブリンの頭が千切れ飛んだ。
「ほら3人共出な! 相手は棒切れ持ったゴブリンだ。目だけは守るんだよ!!」
一瞬タニアさんの無双っぷりに呆然としてしまったけどそれは残ったゴブリンも同じだったみたい。私達はタニアさんに急かされるままゴブリンの前に立ってしまった。
ダメダメ、私が指示をしないと。ゴブリン1匹だけど初めだし大事にいっても良いよね?
「私とラビィで前衛、ルルは後ろから飛び道具でお願い! 味方に当てないようにね!」
「っ了解!」「んっ」
「ギギャーー!」
私達が言い終わるや否やゴブリンはタニアさんの一振から我に帰って持っていた木の棒を私に向かって振り下ろして来た。私は咄嗟に小盾を斜めで受け、反らしてからガラ空きの胸を片手剣で突き刺して蹴り飛ばした。
「ぐぎゃっ、ゴフッ」
ゴブリンは血を噴いて動かなくなった。…………あれ? ……終わり?
「「「…………」」……コレット~?」
後ろからなのにラビィとルルがジト目で見て来るのが分かる。
「いやわざとじゃないのよ!? 私も夢中だったし、余裕無かったのよ!!」
「ハイハイ落ち着きな。此処は魔物のいる森の中だよ?」
「「うっ……すみません」」「ません」
「まだ魔物はいるから気を抜かないように。コレット、さっきは中々良かったよ。今度は落ち着いて出来るようにな」
「っはい、タニアさん」
褒められた、けど確かに今のは意識して出来た訳じゃない。勢いで倒してしまっていただけで冷静に実力を出せるようにならないと駄目なんだ。
と言う事で5分程進むとゴブリン2匹と遭遇した。私は1人で相手をさせられてもう1匹をラビィとルルが相手する事になった。
私の相手は素手、大丈夫、顔だけ守れれば大怪我しない。今度は良く見るようにして掴みかかって来たゴブリンを躱して首を切りつけ、更によろけた所を背中から止めを刺した。
ラビィとルルを見るとラビィが短槍で正面からゴブリンの腹を突き刺してルルが片手剣で肩から下に切り裂いて倒していた。
「うん、ちゃんと戦えてたじゃないか」
「ルルが初めに石ころ投げて牽制してくれたからよ。それでルルに気を取られてるのを見て落ち着いて短槍を刺せたわ」
「んっ、上手くいった」
「ルルはそう言う絡め手が得意なのよね。模擬戦でも色々仕掛けて来るから気が抜けないし」
「力が無いから色々考えてる」
その後も森の奥に進んで行ってゴブリンと戦って行く。たまに猪や狼系の魔物も見掛けたけど向かって来なければスルーして行った。
「出来るならこの娘達にああ言うのとも戦わせて経験を積ませたかったんだけどね?」
「そう言うなタニア、村にとってはゴブリンみたいな人形の魔物は特に脅威なんだ」
「手を使えるから柵は乗り越え易いし人の武器だって使えちまうからな。他の動物系の魔物の領域にしてゴブリンを狩ってくれるようにしていきたいんだよ」
「ランド達も色々考えるようになったんだねえ。冒険者時代とは偉い違いじゃないか」
「そりゃキチンとやらねえと金にならんし、下手打って魔物が増えたりしたら俺等が先頭に立って調査する事になるんだぞ? 後々自分等が危険になるような真似出来るかよ」
「そう言うタニアもその新調した武器、良い調子じゃねえか。何だよゴブリンの体が千切れて吹っ飛んで行くって、今なら単独でゴブリンキングも倒せたんじゃねえか?」
「んん~、どうかね? アタシはゴブリンキングは死体でしか見て無いからね。まあ今ならナイト2匹くらいなら軽く行けると思うけど」
前のスタンピードの時タニアさんはそれで大怪我を負ったらしい。ゴブリンナイトってキングの下で確か180cmくらいある筋肉質の奴よね? 私達じゃまともに剣も刺さらなそう。
「ははっ、流石はランク5の冒険者様。いや期待の新人傭兵様ってか?」
「止めてくれ。スタンピード前まではランク4だったし、冒険者でまともに活躍したのがアタシしかいなかったから冒険者の評判を上げる為にランクを上げさせられただけなんだよ」
「でもでもアイリスちゃんに怪我を治して貰って凄く調子が良いって言ってましたよね?」
「そりゃそうだけどねラビィ。いや、足の古傷も治して貰ったし目も良くなったから強くはなってるさ。前ならこのハンマーだって満足に振るえなかっただろうさ」
ドスンとハンマーの先を地面をつく。その重さから普段移動の時は流石に杖をつくようにして持ち歩いている。
「私もそれ持たせて貰ったけど無理、持つだけで精一杯だったよ。30kgくらいあるんじゃない? ルルは持つ事も出来なかったもんねえ?」
「……アイリスちゃんも持てない」
「「まあそりゃねぇ」」
あの子ルルより力無かったし。
更に2時間程奥に進んで前のスタンピードの時のゴブリンの大元の巣まで辿り着いて、其処にいたゴブリン達と数匹の上位種を倒して今日は森を後にした。
と言っても私達にはまだ早いって事で遠くから見学させられたんだけど。ランドさん達も危なげ無く戦っていたけどタニアさん無双だった。
「…………遠いね」「……無理」
「別に最強目指してる訳じゃないんだから仲間が強いのは心強いじゃない。私達は私達のペースで行けば良いのよ」
ラビィとルルが気後れしてそうだったから私も自分に言い聞かせるように励ました。
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