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指定のズボンは履いていても上半身のシャツを着たわいいがボタンもとめずに半裸状態で出てきたのか。
「させたのはお前だろう。わざわざ飲み物に媚薬なんて混ぜやがって」
「なっ、知って・・・!」
おうおう!結構な爆弾発言聞いちゃったんだけど、新聞部は知ってんのか?あいつら盗聴器仕掛けてそうだよな。
「じゃなきゃ誰がお前なんて相手にするか。鬱陶しい」
「あ、あんだけやっといて!サイテー!!」
分かっててやったんじゃないのか。媚薬だろ。市販だとえげつないエグイのもあるし、どんな代物か分からないが男としちゃ見境なくなる。自分の犯罪じみたことは棚上げしてよく言えるな。
それよりもこれって修羅場?他人の修羅場ほど聞いてて馬鹿馬鹿しいものはない。
「会長、そろそろ離してください」
「お前から近付いてきたのにすんなり逃がすと思うか」
ん?って顔近付けて囁くのはやめて欲しい。
あーあ、なんか転校生こっち見て固まってますよ会長。
「斉彬!」
「五月蝿い。お前はただの暇つぶしだ、調子に乗るな」
「そ、そんな・・・っ」
ショックをうけたのか、カタカタ震えだす色白の細い体。見るからに不健康そう。肌に透明感なんてない。庇護欲を誘うと言われてる見た目に、どっちかというと・・・。
「じゃあソイツは違うっていうのかよ!」
今にも泣き出しそうな目をして叫ぶ。その応えに当たり前だとか平然と言い放つ会長に、それじゃいつまで経っても話が終わらないだろって思いつつ、いつこの修羅場は終わるんだろうかと目の前にある肩にうなだれる。
「悪いが幸村、俺の前に立て」
「ちょっと・・・!?」
頭を一撫でした会長に腕を引っ張られて場所を移動させられると、丁度転校生が立つ真正面に距離はあっても俺がいる。
「お前が自分の容姿にどれだけ自信があって、誰もかれもが自分を煽てると思っているか知らないが」
俺の顔の真横、耳あたりに顔を寄せてきているのか息がかかって擽ったい。
何を考えているのか指で人の顎を掬い、まるで見せつけるように頬ずりしてくるとか、ちょっと気持ち悪いんですけど!
「こいつの顔、体、表情。よく見ろ。お前に引けを取る場所がどこにある」
「ちょっと、擽ったい!」
「・・・・・あっ、あぁ」
「自意識過剰も甚だしい。おい、こいつをオカズにマス掻くな」
人の体を触りだすお前が言うか。
左手の人差し指で頬を撫で、右手は体のラインを確かめるみたいに下へと撫でさするように降りていく。こっちとしては擽ぐったさと無闇に触られて不愉快な気持ちが渦巻いて眉を顰める。
右耳まで甘噛みしやがった。
喘ぐように声を出して手で口を塞ぐ転校生。俺は会長の手から逃れるため、そっと視線を転校生に落とせばなんの役にもたたないと知る。有り得ないことになった。
え、公開自慰でもおっぱじめる気かよ。
力なく両膝を地面につけ、ズボンのファスナーまで自分で下げて自身を取り出す。お前は自慰を覚えたばかりの動物か!悲惨なことになってきた。
視覚的に気分が悪くなってきて見るのも嫌だ。
「いいか、千春。お前に現を抜かす奴ばっかりだと思えば大間違いだ。精々頭ん中だけにしろ」
更に顔が赤くなる転校生は酷い状態で、なにがなんだか、誰か座り込みだした奴をどうにかしろ!こっちは会長の考えなんてサッパリ分からないがキャパオーバー。
人をオカズとか、なんてもん見せやがる!
そんなに力も入っていない腕から抜け出し、座り込んだ転校生を見下してここから出て行けと言えば呆気なく白い液体を見たくもない下半身から吐き出して、荒い息を繰り返しフラフラと俺の方へ歩き出す。
ホラー映画より恐ろしい!と、思えば後ろから腕を引っ張られて難を逃れた。
会長に蹴られて見るも無惨な奴はいいとして、この床の始末は誰がするのか。
え、俺?
「帰るぞ」
ええ?!このままですか。
青臭い臭いをそのままに、腕を掴まれて生徒会室から出る会長に続くと丁度どこかからの帰りなのか副会長と鉢合わせした。タイミング悪すぎだろ。
「斉彬?」
「清掃を呼べ」
「清掃って、幸村!」
低く声を出した会長に訝しげな顔をし、こっちに気付いた副会長は見た目と同様に綺麗な笑みを向けてくれるけど、ごめんなさい、今は無理。話せません。俺は空気だ、透明なんだ。目に見えない存在、ユキムラって誰でしょう。思わず口を手で押さえる。
やばい、廊下の空気って結構キレイだと感じた。
「いま中に入ると散々だ。あとのことは任せる」
「ちょっと、斉彬!幸村、なにかあったの?」
「知りたければ中に入って確認しろ」
会長、副会長に全部丸投げって・・・。でも俺じゃどうにも出来ないし思い出したくもない。
前を歩く会長に引っ張られて着いて行くしかない俺は気持ち悪さと戦いながらエレベーターではなく階段を使って下へと降りていく。
20160215.
「させたのはお前だろう。わざわざ飲み物に媚薬なんて混ぜやがって」
「なっ、知って・・・!」
おうおう!結構な爆弾発言聞いちゃったんだけど、新聞部は知ってんのか?あいつら盗聴器仕掛けてそうだよな。
「じゃなきゃ誰がお前なんて相手にするか。鬱陶しい」
「あ、あんだけやっといて!サイテー!!」
分かっててやったんじゃないのか。媚薬だろ。市販だとえげつないエグイのもあるし、どんな代物か分からないが男としちゃ見境なくなる。自分の犯罪じみたことは棚上げしてよく言えるな。
それよりもこれって修羅場?他人の修羅場ほど聞いてて馬鹿馬鹿しいものはない。
「会長、そろそろ離してください」
「お前から近付いてきたのにすんなり逃がすと思うか」
ん?って顔近付けて囁くのはやめて欲しい。
あーあ、なんか転校生こっち見て固まってますよ会長。
「斉彬!」
「五月蝿い。お前はただの暇つぶしだ、調子に乗るな」
「そ、そんな・・・っ」
ショックをうけたのか、カタカタ震えだす色白の細い体。見るからに不健康そう。肌に透明感なんてない。庇護欲を誘うと言われてる見た目に、どっちかというと・・・。
「じゃあソイツは違うっていうのかよ!」
今にも泣き出しそうな目をして叫ぶ。その応えに当たり前だとか平然と言い放つ会長に、それじゃいつまで経っても話が終わらないだろって思いつつ、いつこの修羅場は終わるんだろうかと目の前にある肩にうなだれる。
「悪いが幸村、俺の前に立て」
「ちょっと・・・!?」
頭を一撫でした会長に腕を引っ張られて場所を移動させられると、丁度転校生が立つ真正面に距離はあっても俺がいる。
「お前が自分の容姿にどれだけ自信があって、誰もかれもが自分を煽てると思っているか知らないが」
俺の顔の真横、耳あたりに顔を寄せてきているのか息がかかって擽ったい。
何を考えているのか指で人の顎を掬い、まるで見せつけるように頬ずりしてくるとか、ちょっと気持ち悪いんですけど!
「こいつの顔、体、表情。よく見ろ。お前に引けを取る場所がどこにある」
「ちょっと、擽ったい!」
「・・・・・あっ、あぁ」
「自意識過剰も甚だしい。おい、こいつをオカズにマス掻くな」
人の体を触りだすお前が言うか。
左手の人差し指で頬を撫で、右手は体のラインを確かめるみたいに下へと撫でさするように降りていく。こっちとしては擽ぐったさと無闇に触られて不愉快な気持ちが渦巻いて眉を顰める。
右耳まで甘噛みしやがった。
喘ぐように声を出して手で口を塞ぐ転校生。俺は会長の手から逃れるため、そっと視線を転校生に落とせばなんの役にもたたないと知る。有り得ないことになった。
え、公開自慰でもおっぱじめる気かよ。
力なく両膝を地面につけ、ズボンのファスナーまで自分で下げて自身を取り出す。お前は自慰を覚えたばかりの動物か!悲惨なことになってきた。
視覚的に気分が悪くなってきて見るのも嫌だ。
「いいか、千春。お前に現を抜かす奴ばっかりだと思えば大間違いだ。精々頭ん中だけにしろ」
更に顔が赤くなる転校生は酷い状態で、なにがなんだか、誰か座り込みだした奴をどうにかしろ!こっちは会長の考えなんてサッパリ分からないがキャパオーバー。
人をオカズとか、なんてもん見せやがる!
そんなに力も入っていない腕から抜け出し、座り込んだ転校生を見下してここから出て行けと言えば呆気なく白い液体を見たくもない下半身から吐き出して、荒い息を繰り返しフラフラと俺の方へ歩き出す。
ホラー映画より恐ろしい!と、思えば後ろから腕を引っ張られて難を逃れた。
会長に蹴られて見るも無惨な奴はいいとして、この床の始末は誰がするのか。
え、俺?
「帰るぞ」
ええ?!このままですか。
青臭い臭いをそのままに、腕を掴まれて生徒会室から出る会長に続くと丁度どこかからの帰りなのか副会長と鉢合わせした。タイミング悪すぎだろ。
「斉彬?」
「清掃を呼べ」
「清掃って、幸村!」
低く声を出した会長に訝しげな顔をし、こっちに気付いた副会長は見た目と同様に綺麗な笑みを向けてくれるけど、ごめんなさい、今は無理。話せません。俺は空気だ、透明なんだ。目に見えない存在、ユキムラって誰でしょう。思わず口を手で押さえる。
やばい、廊下の空気って結構キレイだと感じた。
「いま中に入ると散々だ。あとのことは任せる」
「ちょっと、斉彬!幸村、なにかあったの?」
「知りたければ中に入って確認しろ」
会長、副会長に全部丸投げって・・・。でも俺じゃどうにも出来ないし思い出したくもない。
前を歩く会長に引っ張られて着いて行くしかない俺は気持ち悪さと戦いながらエレベーターではなく階段を使って下へと降りていく。
20160215.
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