Geekに恋した2人

べいかー

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三角関係 六

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  ※ ※ ※ ※

 「初めまして、森田奏です。今日は、よろしくお願いします。」

奏は、初対面のユイカを前にして、緊張していた。もちろん、ユイカは今をときめく超人気モデルだから、というのは奏が緊張していた理由の1つだ。しかし、理由はそれだけではなかった。実は、ユイカは奏にとって、タイプの女性であったのである。もともと、柄にもなく少し派手めの女性を好む奏は、ひそかに(といっても周囲にはバレバレであったが)「ユイカちゃん、かわいいな。」と思っていた。そして、担当者からこの対談の話を頂いた時、そう、

「ユイカちゃんって知ってるかな?」

と訊かれ、ユイカと仕事ができると分かった時は、

「えっ、はい。一応知ってます。」

と、「一応」をつけて返事をし、さらにポーカーフェイスで通したが、内心では、

「やった!」

と、心が跳び上がってしまうような勢いだったのである。

 また、それと同時に、「対談で緊張し過ぎて、空回りして、ユイカさんに嫌われたらどうしよう…。」と、奏の頭の中には、一抹の不安もよぎった。その不安は、時間がたち、対談の日が近づくにつれて日増しに大きくなり、奏の心は、期待というよりもそちらの不安の方が大きく、完全に不安モードになっていたのであった。

 「初めまして、ユイカです。こちらこそ、よろしくお願いします!」

ユイカも奏にあいさつした。その笑顔もかわいらしく、また上品だな、奏はそう思った。そして、この日を迎えたからには、不安に思っていても仕方がない。とりあえず頑張ろうと、奏は一瞬で、心に決めたのであった。
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