咎禍

Yuta

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咎禍 第13話 「戦友」

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第13話「戦友」

俺の名前は天城譲介。

俺達SRはいきなり四騎士のⅡ・ジュリエットに襲われる。ジュリエットは剣さんがアコンシャスと人間のハーフであることを暴露し、俺達は仲間内で殺し合った。しかし田蔵さんが止めに入ったことで俺達は和解することができたのだ。

アジトに戻ると、田蔵さんが俺の傷に消毒液をかけ、包帯でしばり、解毒薬を飲ませてくれた。

百合香さんも遊馬さん達を治療している。

夜飯も食わず、仲間割れしていたので全員腹が減っていた。

俺達は焚き火の用意をしていた。

俺と剣さんが薪を割っている。

譲介「毒…効きましたよ」

剣「お前の炎もエグかったわ。槍をあんなぶん回せるのもほんますごかった。『シュバババ!』ていうか『ドガガガ!』って感じがしてよぉ。『バコンッ!』『ドンッ!』ってん感じしたで!」

譲介「なんですかそれw」

剣「www」

………

剣「中々言えてなくてすまんな。ワイはアコンシャスと人間のハーフでな。アコンシャスと人間の戦争の直前に狭間の国に生まれた。やがワイが18の時に両親がワイを守って死んで、ワイはコールドスリープでずっと眠っとたんや。起きて最初に出会ったのが問馬やった。あいつは馬鹿すぎて俺の危険さとか分かっとらんかったけど、やからこそワイは嬉しかった。あいつは初めて『人間』や『アコンシャス』という枠組みやなく『ワイ』としてワイを観てくれたんや。」

譲介「そうだったんですね…。俺も親はいない。父は元々いなかったし、母は10歳の時に攫われてそれっきり。だから俺には仲間がいなかった。でも嬉しいです。今は仲間に囲まれてる。」

剣「そうか。お前も苦労してきたんやな。」

一方で遊馬さんと問馬さんも川で水をくんでいた。

問馬「お前マジで殺しにきてる目してて怖かったぁぜぇ~」

遊馬「お前なら殺しても死なない気がしたんだ。」

問馬「なんだそれw」

遊馬「www」

問馬「おっ、蛙がいる~ぜぇ~!テンション上がるぜぇ~!」

薪を受け取った田蔵さんがライターで火をつけた。

後ろから大量の肉が入った籠を持った百合香さんがでてくる。

田蔵「今日は焼肉じゃ!」

問馬「焼肉!うまそうだぁ~ぜぇ~!ところでコーラは?」

百合香「ありますよ!」

問馬「やったぜえ~!!!!!」

ジューッ!

ゆっくりと肉が焼けていく。肉のおいしそうな香りが広がり、肉から油がでてくる。

俺達は目を合わせなかった。なんともいえない気まずさが空気を包む。仲直りしたとはいえ殺し合ってしまったからだ。

百合香「さっ!食べましょ!」

譲介「いただきます」

口の中にジューシーな肉汁とタレの旨味が広がった。

問馬「うまいぜ!うまいぜぇ!」

だがなぜだろうか。あたたかい。

焚き火の暖かさじゃない。確かに人の温もりを感じた。

静寂の中田蔵さんの声がした。

田蔵「明日。万里の頂上でもいくか。そこでかき氷でも食べようじゃないか。」

問馬「おもしろそうだぜぇ!『瞬時に校長』!」

遊馬「『万里の頂上』だ!お前の耳相変わらずやばいな!」

全員「wwwwww」

譲介「なんか…チームワークっていいですね。」

田蔵「じゃな。」

そして次の日俺達は万里の頂上へと向かった。

譲介「高いですね」

田蔵「じゃな!」

問馬「スカイダイビングしたいぜ!」

剣「死ぬわ…って!待て待て!バンジージャンプできるんか!?」

バンジージャンプの店員「今ならできますよ~」

問馬「行くぜ!剣も一緒だぜ!」

剣「いや待て待て!大丈夫かいな!?」

問馬「?。ビビってんのか?」

剣「ビ、ビビっとらんわ!」

問馬「じゃあ行くぜ!」

バンジージャンプの店員「命綱つけましたね?ではこの契約書にサインを!」

問馬「するぜ!」

剣「待て待て!『万が一の場合、こちらは責任をとりません。』って書いとるで!」

問馬「?。まあよくわかんねぇけどとりあえずサインするぜ!」

バンジージャンプの店員「ではいきますよ!3!2!1!」

問馬「いっくぜぇ~!」

剣「ギャァァァ~!」

ヒューン!

田蔵「おぉ。思いっきりいったのう。」

遊馬「ですね。」

譲介「かなり思いっきりですね…」

すると2人が戻ってくる。

問馬「楽しかったぜ!」

剣「…………」

田蔵「よかったのう!かき氷でも食べるか!」

剣「食べるで!」

問馬「食べたいぜぇ~」

田蔵「ワシはレモンでいいかのう。」

譲介「じゃあ俺はいちごで!」

遊馬「ブルーハワイでお願いします」

剣「ぶとうで頼むで!」

問馬「コーラだぜ!コーラしかないぜぇ~!」

百合香「抹茶でお願いします!」

田蔵「わかったぞい。ワシのおごりじゃ。」

譲介「ありがとうございます!」

かき氷の冷たさとガリガリした食感が俺を包み込む。

譲介「おいしいですね!」

田蔵「そうじゃな!」

問馬「うまいぜ!氷るようなウマさだぁ~ぜぇ~!」

剣「脳みそキーンやな!略して『脳筋!』」

遊馬「問馬のことか」

問馬「?」

田蔵「よかったな。みんなでこの夕焼けを見れて。」

譲介「来年も全員で見たいです。」

田蔵「そうじゃな。」

剣「親いない同士頑張ろうな!」

譲介「はい剣さん!また一緒に頑張りましょう!」

遊馬「馬コンビ悪くないな」

問馬「だろ!?」

俺達はSRだ。アコンシャスとたたかってる。キャリーみたいな強いアコンシャスもこの先いるだろう。だが俺は願ってる。またこの6人でまたこの景色を見れることを。

俺達は夕焼けを見ながら、万里の頂上を降りた。そこには確かに仲間の温もりがあった。

田蔵「やっと戦友(とも)という顔つきになってきたな。」

譲介「ですね!」

百合香「病気でたたかえないけど、ご飯でささえるよ」

田蔵さんのその言葉を聞いてみんなが微笑んでいた。

その時俺達にも動きがあった。

問馬「おい剣!俺たちが写ってるぜ!有名人だぜ!」

剣「な、なんやこれ!?」

遊馬「待て!それは!」

そこには俺達が殺し合ってる映像が写っていた。

----------------------------------------------—-------------------

遊馬「アコンシャスってどういうことだよ!」

剣「…………」

譲介「変身!」

問馬「落ち着けって!」

--------------------------------------------------------------------

譲介「誰がこんな動画を…」

実は俺たちが殺し合ってる時。影から覗いてる奴らがいた。

ジュリエット「あなたアコンシャスと人間のハーフなのね」

YouTuber「やべぇ…なんか四騎士がでてきたからとってたら、SRがすごい修羅場になってんぞ!」

YouTuber2「これ投稿したら大物YouTuberだな!」

そして一部始終を取ってやがった。

YouTuber「全部とれたぜ!早速アップだ!タイトルは…『【釣り無し!】SR剣は実はアコンシャスだった!』だな!」

そしてその動画は一瞬で拡散された。

一般人「SR剣が!まじか!」

Xやtiktok、facebook、Instagram、この衝撃的事実は様々なところで拡散された。

そしてニュースでも報道されていた。

百合香「みんな!これ!」

ニュースキャスター「速報です。SR剣さんが実はアコンシャスだったという情報が拡散されています。VTRをどうぞ。」

ジュリエット「アコンシャスのようね」

遊馬「アコンシャスだったのかよ!なんとかいえよ!」

剣「…………」

シャキン!

譲介「再生した…!やっぱり間違いないな!」

ニュースキャスター「SNSでこのような動画が拡散されました。街頭インタビューでも様々な意見をいただきました。」

一般人「いや~SRの人達ね。頑張ってアコンシャス倒してくれたんだけどね。剣さんいい人だと思ってたのに衝撃ですよこれは。」

一般人2「剣さんすごいいい人だったのにねぇ。この前の野球観戦なんてキャリーっていうアコンシャスを倒してくれたじゃない。」

ニュースキャスター「準四騎士のⅣであるキャリーをはじめ様々なアコンシャスを倒してきたSR。SR本部も対策をとっているということです。」

遊馬「なんだこれ…」

このニュースが広まった時、SR本部も動いていた。

唐澤「ほう…これは…」

レイナ「いかがいたしましょう。鏡を動かしますか?」

唐澤「いや。また台湾にアコンシャスがでてはならん。ここは『笹川』が適任だ。剣の処刑を執行させろ。」

レイナ「かしこまりました。」

人が少ないところに来た。その時俺達は悪寒を感じた。

田蔵「!?」

田蔵(殺気!)

シャキン!

田蔵「フン!」

シュンッ!

???「よくかわしましたね。田蔵さん。ダルい相手だ。」

田蔵「お前は…!」

遊馬「笹川!」

譲介(なんだこの闘気は…ただものじゃない!)

ジュリエットを経験してなければこの威圧に耐えられなかったかもしれない。

譲介「誰だ!?」

笹川「名乗る名なんてないよ」

そこに現れたのは俺と同い年くらいの女だった。

田蔵「あいつはSRの最高地位である『禍(まが)』の一人…『笹川雪乃(ささがわゆきの)』じゃ。」

バンッ!

やつが銃をうってきた!

その銃は問馬さんの腹を捉えた

問馬「がはっ…」

問馬(まったく反応できなかった…いてぇ…しかも電気で痺れる…腹筋に力が…)

譲介「問馬さん!」

剣「問馬!貴様ぁ!」

遊馬「待て!」

だが遊馬さんが剣さんを静止する。

遊馬「いきなり剣を振るい、銃を発砲したが、何の目的だ?俺達は同じSRのはずだ。何故攻撃する。」

田蔵(そうじゃ。遊馬の判断はただしい。話をすれば無駄な争いをする必要はないぞい。)

遊馬さんと田蔵さんは話をしようとしていた。

笹川「いや。目的もなにもニュース見てないんですか?そいつアコンシャスですって」

遊馬「知っている。剣はアコンシャスだ。」 

田蔵「じゃがな。剣は違う。剣はみんなを助けていた。わかっとるじゃろ!」

笹川「何を言うかと思えば、アコンシャスを庇うとは。同じSRとして恥ずかしいですよ。まあどちりにせよ本部からの命令だ。やるしかないんですよ。」

田蔵「本部…唐澤か!」

笹川「それ以上はいえません。まあ、死ぬんだしアンタらには関係ないですよ。」

遊馬(戦うしかないのか…コイツと…勝ち目があるというのか?)

そうコイツは本部から命令を受けていた。

田蔵「お前ほどの実力者を前にしてもワシの意見は変わらんぞ。」

笹川「ハァ…。大人しくついてきてくれればいいんですって。」

田蔵「唐澤の元にか…?」

笹川「そうですよ。」

田蔵「向こうで…処刑する気じゃろ?」

笹川「知らないですね。そこまで聞いてません。まあ多分そうじゃないですか?」

田蔵「ならばやはり討つしかない。剣は命に変えてでも守るんじゃ」

笹川「そうっすか。じゃあ死ね。」

譲介(悪寒が…とまらない…いややるしか…ない!)

・次回予告

譲介「田蔵さぁ~ん!!!」

田蔵「若いもんを…やらせるか………!」

次回 「田蔵命を懸ける」
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