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第17話 先代の呪われた王子レナート
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王宮の庭園まで入り込んで敬語もなしにこの国の王太子に話しかける男。
明るい夜だったので黒髪の三十代くらいの男性の姿がメルにも見て取れた。
「伯父上!」
ベネットの言葉にメルは面食らった。
「よいしょっと!」
手持ちのカギフックの付いたロープを使って黒髪の男は二人のいるバルコニーにのぼってきた。
「お邪魔をして悪いけど、おそらく頼まれものはもしかして……」
男は懐から小さな箱を取り出しベネットに差し出した。
「ありがとうございます」
ベネットが決まり悪そうにそれを受け取る。
「そういや結婚したって話だったな。もしかしてその娘が……」
「ああ……、妻のメルです……」
「なるほどその贈り物というわけか」
二人のやり取りをわけも分からずメルは見守っていた。
先ほどベネットは彼のことを『伯父上』と言ったが、だとしたら王家の血を引く者ではないのか?
しかし目の前にいる黒髪の男は、少し裕福な庶民が身に着けるマントを身に着け、どう見ても平民の富裕層くらいの人物にしか見えない。
「それにしても勝手に庭園に入ってくるとは……」
ベネットがあきれたように黒髪の男に言う。
「はは、勝手知ったる王太子宮さ。他の王家の人間たちのいるところとは離れているし、警備の人間の目をすり抜ける経路など熟知しているさ」
そして、きょとんとした表情にメルに向き直ると男は自己紹介をした。
「初めまして、メル殿。現国王の異母兄のレナートと申します。今は隣国で細々と商売をやっています」
「王族の方が商売?」
「ああ、呪いがベネットの代に移った後、私は国を出て隣国でギルドなどとも連携しながら、希少なものを扱う商売をしているのさ」
呪いが移る?
少し浅黒い肌をした黒髪の男の顔には呪いの跡は見えない。
「呪いって一生モノではなかったのですか?」
メルが驚いて黒髪の男に聞き返した。
「ああ、呪いの条件はその国の跡継ぎの第一王子。ベネットも今の国王が王太子の時に生まれ、その瞬間に私の呪いはきれいさっぱり消えてしまった。呪いにかかるのは常に一人だけのようなんだ。でも、王族の奴らはね、一度でも呪われた者は忌み嫌って、新しい呪われた王子が生まれると以前の呪われた王子のことなんか関心も向けやしない。だから私が隠棲先の離宮から姿を消しても探そうともしなかったのさ」
「伯父上それ以上は……」
メルに説明をする伯父のレナートをベネットはたしなめた。
「どうしてだい? 君の奥さんなんだろ、ちゃんと説明してなかったのかい?」
レナートは首を傾げベネットに聞き返す。
「伯父上には、新しい呪われた王子が誕生し、僕が解放されこの国を出た後の身の振り方などを相談しておりますが、メルはあくまで王家が体裁を整えるために来てもらった形式上の妻ですので、王家や呪いの事情に関わらせるのは……」
「おいおい、形式上の妻って、だったら、希少な宝石を使ったこの贈り物はどういう意味なんだ、訳が分からん」
明るい夜だったので黒髪の三十代くらいの男性の姿がメルにも見て取れた。
「伯父上!」
ベネットの言葉にメルは面食らった。
「よいしょっと!」
手持ちのカギフックの付いたロープを使って黒髪の男は二人のいるバルコニーにのぼってきた。
「お邪魔をして悪いけど、おそらく頼まれものはもしかして……」
男は懐から小さな箱を取り出しベネットに差し出した。
「ありがとうございます」
ベネットが決まり悪そうにそれを受け取る。
「そういや結婚したって話だったな。もしかしてその娘が……」
「ああ……、妻のメルです……」
「なるほどその贈り物というわけか」
二人のやり取りをわけも分からずメルは見守っていた。
先ほどベネットは彼のことを『伯父上』と言ったが、だとしたら王家の血を引く者ではないのか?
しかし目の前にいる黒髪の男は、少し裕福な庶民が身に着けるマントを身に着け、どう見ても平民の富裕層くらいの人物にしか見えない。
「それにしても勝手に庭園に入ってくるとは……」
ベネットがあきれたように黒髪の男に言う。
「はは、勝手知ったる王太子宮さ。他の王家の人間たちのいるところとは離れているし、警備の人間の目をすり抜ける経路など熟知しているさ」
そして、きょとんとした表情にメルに向き直ると男は自己紹介をした。
「初めまして、メル殿。現国王の異母兄のレナートと申します。今は隣国で細々と商売をやっています」
「王族の方が商売?」
「ああ、呪いがベネットの代に移った後、私は国を出て隣国でギルドなどとも連携しながら、希少なものを扱う商売をしているのさ」
呪いが移る?
少し浅黒い肌をした黒髪の男の顔には呪いの跡は見えない。
「呪いって一生モノではなかったのですか?」
メルが驚いて黒髪の男に聞き返した。
「ああ、呪いの条件はその国の跡継ぎの第一王子。ベネットも今の国王が王太子の時に生まれ、その瞬間に私の呪いはきれいさっぱり消えてしまった。呪いにかかるのは常に一人だけのようなんだ。でも、王族の奴らはね、一度でも呪われた者は忌み嫌って、新しい呪われた王子が生まれると以前の呪われた王子のことなんか関心も向けやしない。だから私が隠棲先の離宮から姿を消しても探そうともしなかったのさ」
「伯父上それ以上は……」
メルに説明をする伯父のレナートをベネットはたしなめた。
「どうしてだい? 君の奥さんなんだろ、ちゃんと説明してなかったのかい?」
レナートは首を傾げベネットに聞き返す。
「伯父上には、新しい呪われた王子が誕生し、僕が解放されこの国を出た後の身の振り方などを相談しておりますが、メルはあくまで王家が体裁を整えるために来てもらった形式上の妻ですので、王家や呪いの事情に関わらせるのは……」
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