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第37話 さらなる誤解とすれ違い
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「ああ、そういうことでしたか。申し訳ありません。僕としたことがメル殿の気持ちに気づかなくて」
「ベネット様……」
「確かにメル殿の方から国王陛下にお願いはやりにくいでしょうね。なるほど、実家の侯爵家とは別の独立した屋敷や領地を賜る、良い着想です。私の方から頼んでみるので、メル殿は心配なさらず」
「えっ……?」
ベネット一人が得心が言ったような口ぶりで語った。
「あ、あの……」
なんだろう、この激しく肩透かしを食らったような感……。
メルは戸惑った、しかし、
「ご配慮、ありがとうございます……」
と、礼を言うしかなかった。
それでこの話はおしまいになった。
二人の会話を魔道具の盗聴機能で効いていたばあやとレナート、そしてテティスは盛大にため息をついた。
「メル殿も肝心なところで……」
ばあやが嘆く。
「まあ、俺にも身に覚えがないとは言えないよ。幼いころから他人に避けられてれば女性が自分に好意を持ってくれているなんて思ってもみないから」
レナートが共感する。
「メルもこういうことへの押しは弱いのね。ベネットと似た者同士というか……」
テティスが分析する。
その翌日、ベネットは父王に離婚後のメルの処遇について、彼女に領地や屋敷を与えることを約束させ、それをメルに伝えた。
さらにその翌日、ベネットの執務室にてばあやが掃除をしながらベネットに質問した。
「ベネット様、お寂しくはないのですか?」
「寂しい?」
「メル様とお別れするのが嫌ではないのですか? いえね、始まりはどうであれ、メル様とはとても仲睦まじくばあやには見えていましたので」
ばあやは直球で質問をぶつけることに決めた。
「メルは気立てのいい娘だから私のような者にも普通に接してくれているだけさ。もともとメルの意志に反した結婚だったんだ、早く解放してあげなきゃならないよ」
「あの……、『私のような者』とか、少々ご自分を卑下しすぎではないですか?」
ばあやはおずおずと意見を言う。
「まあ、いいじゃないか。この国を出たら呪いとは無縁になるし、そうなればメル殿でなくても女などいくらでも寄ってくるさ、なあ、ベネット。なにもメル殿との結婚にこだわらなくてもなあ」
レナートがおどけたように口をはさむ。
ベネットの執務室にはめったに人が立ち寄らないので、こうやって勝手に潜むことは可能なのだ。
「まあ、そういうおつもりでしたの!」
ばあやがあきれたように言う。
「ちょっと待って、メルの代わりに別の女が得たいからとか、そんなこと考えてないぞ!」
「でも、メル殿と別れるならいずれ……」
「いや、そんな……」
どっちなんだ、と、ばあやとレナートが突っ込みたくなっている矢先、テティスがいきなり執務室に現れた。
「ちょっと、ベネット! あんた国王にメルの処遇を頼んだというけど、だまされているわよ!」
「だまされているってどういうことです?」
すごい勢いでまくし立てたテティスにベネットが尋ねた。
「メルを実家の侯爵家から独立させる算段だったらしいけど、あんたが王宮から出ていけばそれを反故にする気満々だってことよ!」
「なんだって!」
「あんたが無事王宮を出ていけるまでは、一応王家の人間の言動を確認しておいた方がいいと思って、監視珠をそれぞれに飛ばしていたのよ。そしたら王と王妃は、あんたと話をした後、約束を守る気が全くないような話をしていたわ。彼女はあんたと離婚をしても王宮にとどめ置かれ王家の人間の業務を肩代わりさせられる。いいように使われるのよ」
「そのための王太子妃教育と業務の押し付けだったのか……」
ベネットが口惜しそうにつぶやく。
「「あのクサレ王家!」」
レナートとばあやは声を合わせて叫んだ。
「ベネット様……」
「確かにメル殿の方から国王陛下にお願いはやりにくいでしょうね。なるほど、実家の侯爵家とは別の独立した屋敷や領地を賜る、良い着想です。私の方から頼んでみるので、メル殿は心配なさらず」
「えっ……?」
ベネット一人が得心が言ったような口ぶりで語った。
「あ、あの……」
なんだろう、この激しく肩透かしを食らったような感……。
メルは戸惑った、しかし、
「ご配慮、ありがとうございます……」
と、礼を言うしかなかった。
それでこの話はおしまいになった。
二人の会話を魔道具の盗聴機能で効いていたばあやとレナート、そしてテティスは盛大にため息をついた。
「メル殿も肝心なところで……」
ばあやが嘆く。
「まあ、俺にも身に覚えがないとは言えないよ。幼いころから他人に避けられてれば女性が自分に好意を持ってくれているなんて思ってもみないから」
レナートが共感する。
「メルもこういうことへの押しは弱いのね。ベネットと似た者同士というか……」
テティスが分析する。
その翌日、ベネットは父王に離婚後のメルの処遇について、彼女に領地や屋敷を与えることを約束させ、それをメルに伝えた。
さらにその翌日、ベネットの執務室にてばあやが掃除をしながらベネットに質問した。
「ベネット様、お寂しくはないのですか?」
「寂しい?」
「メル様とお別れするのが嫌ではないのですか? いえね、始まりはどうであれ、メル様とはとても仲睦まじくばあやには見えていましたので」
ばあやは直球で質問をぶつけることに決めた。
「メルは気立てのいい娘だから私のような者にも普通に接してくれているだけさ。もともとメルの意志に反した結婚だったんだ、早く解放してあげなきゃならないよ」
「あの……、『私のような者』とか、少々ご自分を卑下しすぎではないですか?」
ばあやはおずおずと意見を言う。
「まあ、いいじゃないか。この国を出たら呪いとは無縁になるし、そうなればメル殿でなくても女などいくらでも寄ってくるさ、なあ、ベネット。なにもメル殿との結婚にこだわらなくてもなあ」
レナートがおどけたように口をはさむ。
ベネットの執務室にはめったに人が立ち寄らないので、こうやって勝手に潜むことは可能なのだ。
「まあ、そういうおつもりでしたの!」
ばあやがあきれたように言う。
「ちょっと待って、メルの代わりに別の女が得たいからとか、そんなこと考えてないぞ!」
「でも、メル殿と別れるならいずれ……」
「いや、そんな……」
どっちなんだ、と、ばあやとレナートが突っ込みたくなっている矢先、テティスがいきなり執務室に現れた。
「ちょっと、ベネット! あんた国王にメルの処遇を頼んだというけど、だまされているわよ!」
「だまされているってどういうことです?」
すごい勢いでまくし立てたテティスにベネットが尋ねた。
「メルを実家の侯爵家から独立させる算段だったらしいけど、あんたが王宮から出ていけばそれを反故にする気満々だってことよ!」
「なんだって!」
「あんたが無事王宮を出ていけるまでは、一応王家の人間の言動を確認しておいた方がいいと思って、監視珠をそれぞれに飛ばしていたのよ。そしたら王と王妃は、あんたと話をした後、約束を守る気が全くないような話をしていたわ。彼女はあんたと離婚をしても王宮にとどめ置かれ王家の人間の業務を肩代わりさせられる。いいように使われるのよ」
「そのための王太子妃教育と業務の押し付けだったのか……」
ベネットが口惜しそうにつぶやく。
「「あのクサレ王家!」」
レナートとばあやは声を合わせて叫んだ。
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