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第38話 王家とは違う価値基準
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ちょうどその頃、メルは王太子妃の執務室で第二王子オーブリーの訪問を受けていた。
「どういうことでしょう?」
メルはオーブリーの話に質問を返した。
「やつがどういったかは知らないが、君は離婚した後も王宮を出られないということだよ」
オーブリーは答えた。
彼女の本意とは少し違っていたもののベネットが好意で取り計らってくれた「実家から独立して新たな屋敷と領地を賜る件」。
自分がいくらベネットと一緒にいたいと言っても彼の方はそう思っていないのなら仕方がない。
彼が好意でしてくれたことをありがたく受け取るしかないのかな、と、メルは思うようになっていた。
それが嘘だとオーブリーは知らせに来てくれたのだ。
「父や母が化け物とまともに約束すると思うかい?」
「えっと、つまり、ベネット様は国王陛下にお話をして約束を取り付け、それを私にも話してくださいましたが、国王陛下はそれを守るつもりはないという意味ですか?」
「ああ、そういうことだね」
「そうですか、お知らせいただきありがとうございます……」
このことをベネットが知ったらどう思うだろうか?
メルは思案する。
「君は実家や王家の捨て石になりたくないのなら、もう一度僕の提案を考えてほしいな」
オーブリーは言った。
「あの、その前に気になることが……」
「なんだい?」
「普通約束を交わしたなら、それを破る方が悪いですよね。つまりこの場合国王陛下。なのにオーブリー様の口ぶりからはそれを感じ取られない」
「……?」
「王家にとってベネット様はペテンにかけてもいい存在なのでしょうか? そしてその約束に関わった私のことも?」
「君のことは心配しているし、だからこそ……」
「ベネット様は? 約束を守るという当たり前のことすら、反故にしていいと考えるその価値基準は一体何なのですか?」
「あいつは……」
「自分と同じ人間じゃない、だから、何をやっても何を言ってもいい? そんなことはないでしょう! まだそんなに日は経っておりませんが、ベネット様がとても高貴でお優しい心の持ち主だということを私は知っています。一部ですが、ばあやさんなどそれをちゃんとわかってらっしゃる方もいます。私はそんな方々と心を同じくして生きていたいのです!」
「メル殿……」
「私はベネット様が好きです。少なくとも、私にはあなた方王家の人間の心根の方が恐ろしい化け物に見えます!」
メルは思いのたけをぶちまけた。
国王にだまされたことを知ったベネットがメルを訪ねるため執務室に入ってきていたのに気づかずに。
「どういうことでしょう?」
メルはオーブリーの話に質問を返した。
「やつがどういったかは知らないが、君は離婚した後も王宮を出られないということだよ」
オーブリーは答えた。
彼女の本意とは少し違っていたもののベネットが好意で取り計らってくれた「実家から独立して新たな屋敷と領地を賜る件」。
自分がいくらベネットと一緒にいたいと言っても彼の方はそう思っていないのなら仕方がない。
彼が好意でしてくれたことをありがたく受け取るしかないのかな、と、メルは思うようになっていた。
それが嘘だとオーブリーは知らせに来てくれたのだ。
「父や母が化け物とまともに約束すると思うかい?」
「えっと、つまり、ベネット様は国王陛下にお話をして約束を取り付け、それを私にも話してくださいましたが、国王陛下はそれを守るつもりはないという意味ですか?」
「ああ、そういうことだね」
「そうですか、お知らせいただきありがとうございます……」
このことをベネットが知ったらどう思うだろうか?
メルは思案する。
「君は実家や王家の捨て石になりたくないのなら、もう一度僕の提案を考えてほしいな」
オーブリーは言った。
「あの、その前に気になることが……」
「なんだい?」
「普通約束を交わしたなら、それを破る方が悪いですよね。つまりこの場合国王陛下。なのにオーブリー様の口ぶりからはそれを感じ取られない」
「……?」
「王家にとってベネット様はペテンにかけてもいい存在なのでしょうか? そしてその約束に関わった私のことも?」
「君のことは心配しているし、だからこそ……」
「ベネット様は? 約束を守るという当たり前のことすら、反故にしていいと考えるその価値基準は一体何なのですか?」
「あいつは……」
「自分と同じ人間じゃない、だから、何をやっても何を言ってもいい? そんなことはないでしょう! まだそんなに日は経っておりませんが、ベネット様がとても高貴でお優しい心の持ち主だということを私は知っています。一部ですが、ばあやさんなどそれをちゃんとわかってらっしゃる方もいます。私はそんな方々と心を同じくして生きていたいのです!」
「メル殿……」
「私はベネット様が好きです。少なくとも、私にはあなた方王家の人間の心根の方が恐ろしい化け物に見えます!」
メルは思いのたけをぶちまけた。
国王にだまされたことを知ったベネットがメルを訪ねるため執務室に入ってきていたのに気づかずに。
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