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第45話 結婚式前夜の脱出(後編)
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「目隠しの術を施しているから、でかい図体だけど人々に気づかれることはないわ。あ、あれはレナートの馬車じゃない?」
はるか上空から町へ向かうレナートの馬車が見えた。
さらに飛ぶと、ささやかではあるが祭りでにぎわう近隣の町の様子が。
先に馬車で出発したばあやは街のはずれで待機してくれていた
そのままリザで飛んで国境を超えることもできるけど、呪いを無効化する条件に空からの移動が入ってないとまずいので、町はずれからは馬車に乗り込んで国境を超える。
「歴代の『呪われた王子』もみなこの道をまっすぐ行った国境の町から出ていったのよ。そこから入った国が私たちのいるニードルよ」
街の喧騒を外れた場所にある小さな小屋。
そこに粗末な馬車が停まっていても気にかけるものなど誰も居ない。
その近くにリザは降り立ち、ほどなくしてレナートも合流する。
「私はばあやさんとこの地に残って後処理をするわ。後はレナートお願いね」
粗末な馬車はテティスの魔法で、どの王侯貴族にも引けを取らない豪華な馬車になった。
メルとベネットがマントを外すと王族でいた時にも身に着けていた外出着、そのいでたちで馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、行くぞ」
レナートが御者役を引き受け三人は国境を目指す。
最大の関門は国境にある関所である。
数時間かけてそこにたどり着いた時にはすでに夜になっていた。
国境を挟む国道は、王太子夫妻の結婚式と各地で広げられる祝祭を見ようとやってくる観光客、つまりメディア国に入ってくる馬車や人は多かったが、逆にベネットらのように出ていく者はそんなにいなかった。
しかし、元王太子の脱出などを警戒して出国する人間のチェックは厳しく、役人が馬車の扉を開け中にいる人間を確認する。
その豪奢な馬車に乗っていたのは仮面をかぶった金髪の若い男とベールをかぶった若い女性だった。
「恐れ入りますが、仮面を取ってはいただけないでしょうか?」
役人は告げた。
若い貴公子は役人の要請に従い仮面を外す。
現れたのは男性すらも見ほれるような見目麗しい容貌であった。
「失礼しました!」
警戒すべきは二目と見られないような醜い要望の男、仮面をかぶっているとはいえ別人だろう。
そう役人は判断する。
「大きな声じゃ言えないですが、さる国の高貴なお方がお忍びでこの国に滞在していたのです。正体を明かすわけにはいかないので仮面をかぶっているのです。でも、王太子の結婚式でこの国にも人が大勢押し寄せて静かに過ごすことができなくなったでしょ。だから出国されるんですよ」
御者役のレナートがダメ押しで説明した。
そして彼らは国境を越えた。
「ようやく解放されたのですね、王家の呪いからすべての者が」
感慨深げにメルは言った。
「再度聞くが後悔は……?」
「するわけないじゃないですか!」
「そうか、不束者だがよろしく頼む」
どっちが嫁かわからないようなセリフをベネットが言う。
煌々と輝る月明かりの下、馬車は新たな生活に胸ときめかす若い夫婦を運んで行った。
はるか上空から町へ向かうレナートの馬車が見えた。
さらに飛ぶと、ささやかではあるが祭りでにぎわう近隣の町の様子が。
先に馬車で出発したばあやは街のはずれで待機してくれていた
そのままリザで飛んで国境を超えることもできるけど、呪いを無効化する条件に空からの移動が入ってないとまずいので、町はずれからは馬車に乗り込んで国境を超える。
「歴代の『呪われた王子』もみなこの道をまっすぐ行った国境の町から出ていったのよ。そこから入った国が私たちのいるニードルよ」
街の喧騒を外れた場所にある小さな小屋。
そこに粗末な馬車が停まっていても気にかけるものなど誰も居ない。
その近くにリザは降り立ち、ほどなくしてレナートも合流する。
「私はばあやさんとこの地に残って後処理をするわ。後はレナートお願いね」
粗末な馬車はテティスの魔法で、どの王侯貴族にも引けを取らない豪華な馬車になった。
メルとベネットがマントを外すと王族でいた時にも身に着けていた外出着、そのいでたちで馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、行くぞ」
レナートが御者役を引き受け三人は国境を目指す。
最大の関門は国境にある関所である。
数時間かけてそこにたどり着いた時にはすでに夜になっていた。
国境を挟む国道は、王太子夫妻の結婚式と各地で広げられる祝祭を見ようとやってくる観光客、つまりメディア国に入ってくる馬車や人は多かったが、逆にベネットらのように出ていく者はそんなにいなかった。
しかし、元王太子の脱出などを警戒して出国する人間のチェックは厳しく、役人が馬車の扉を開け中にいる人間を確認する。
その豪奢な馬車に乗っていたのは仮面をかぶった金髪の若い男とベールをかぶった若い女性だった。
「恐れ入りますが、仮面を取ってはいただけないでしょうか?」
役人は告げた。
若い貴公子は役人の要請に従い仮面を外す。
現れたのは男性すらも見ほれるような見目麗しい容貌であった。
「失礼しました!」
警戒すべきは二目と見られないような醜い要望の男、仮面をかぶっているとはいえ別人だろう。
そう役人は判断する。
「大きな声じゃ言えないですが、さる国の高貴なお方がお忍びでこの国に滞在していたのです。正体を明かすわけにはいかないので仮面をかぶっているのです。でも、王太子の結婚式でこの国にも人が大勢押し寄せて静かに過ごすことができなくなったでしょ。だから出国されるんですよ」
御者役のレナートがダメ押しで説明した。
そして彼らは国境を越えた。
「ようやく解放されたのですね、王家の呪いからすべての者が」
感慨深げにメルは言った。
「再度聞くが後悔は……?」
「するわけないじゃないですか!」
「そうか、不束者だがよろしく頼む」
どっちが嫁かわからないようなセリフをベネットが言う。
煌々と輝る月明かりの下、馬車は新たな生活に胸ときめかす若い夫婦を運んで行った。
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