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第46話 新婚旅行……、だったのか?
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レナートはニードルの首都への最短距離ではなく少し回り道をして、風光明媚な国一番の大きさの湖のほとりに一泊することとした。
「お部屋はお一人様用とお二人様用をおひとつずつですね」
宿の主人が部屋のカギを彼らに手渡した。
「きれいなところだろう。湖の向こうにある森の奥にはそこそこ強い魔物が徘徊しているから時々狩りに来るんだ。ここはその定宿ってわけさ。心配しなくても湖畔のあたりは安全だからな」
宿の中を案内しながらレナートが説明する。
「さあ、ここがお前たちの部屋だ。湖の目の前、宿で一番眺めのいい部屋だぜ」
レナートが二人用の部屋を扉を開ける。
「じゃあな、俺の部屋は別棟だから」
「ちょっと待ってください、伯父上」
「なんだ?」
「ここは僕と伯父上の部屋じゃないのですか? 男性二名に女性一名、だから、二人部屋と一人部屋を……」
「何言ってんだ、お前? ここは夫婦用の部屋で、俺は一人だから……」
「へっ?」
「当たり前だろう。ここはニードルじゃ新婚旅行にもよくつかわれる地で、どこの宿にもそのための部屋がいくつかあるんだ。じゃあな、ごゆっくり」
「いやいや、ちょっと待ってください」
ベネットが焦ってレナートを引き留める。
「あの、少しいいですか?」
なんだよ、と、めんどくさそうにベネットの質問に答えるレナートに今度はメルが尋ねる。
「夫婦用の部屋とおっしゃいましたが、かなり狭いのですね……」
「これが普通だ、平民ならな。いや、平民にしては少し贅沢なくらいの部屋だぞ」
「これだけ狭い部屋にベネット様と……」
そこが新婚旅行のだいご味だろうが、と、レナートは思いながら二人に告げる。
「慣れることだ、じゃあな」
放置するかのようにレナートは二人を残して部屋を出た。
夫婦用の寝室に取り残されたベネットとメルに気まずい沈黙が流れた。
思い起こせば王宮ならば二人きりと言っても、広い部屋でそれなりの距離を取って向かい合うこともできた。
しかし、いま彼らがいるこの部屋は置かれているテーブルやソファーも二人が密着して座る程度の大きさしかなく、ベッドもまた同様であった。
「えっと、少し暑いですね……」
ベネットは湖に面した部屋の窓を開ける。
照れ隠しからか、湖からの涼しい風にベネットは火照った顔をさらした。
日中にこうやって顔に直接風を受けるのもベネットにとっては国を出て初めて体験することであった。
心地よさそうに陽光と湖からの風を受けているベネットにメルが後ろから声をかける。
「小さい部屋も悪くないですね。好きな方と一緒なら」
数日後、ベネットとメルは先々代のヴァルカンや先代のレナートが済む家に近居し新たな生活を始める。
ギルドに顔の利く彼らのおかげで家庭教師や簡単な魔物狩りなど仕事はいろいろとあった。
ただ美男子すぎるベネットを若い女性がいる家の家庭教師にするといろいろ問題があったとか、メルも何名かの男性に懸想をされたが、夫のベネットを一目見ると皆あきらめて帰っていったとか、平民にしては美しすぎる若夫婦もそれなりに楽しみながらニードルでの生活になじんでいく。
二人の間には一男一女が生まれ家族としての幸せを味わいながら六年後、故国メディアの異変を耳にすることとなる。
「クーデターですって!」
「ああ、首謀者はオーブリー辺境伯だ」
「お部屋はお一人様用とお二人様用をおひとつずつですね」
宿の主人が部屋のカギを彼らに手渡した。
「きれいなところだろう。湖の向こうにある森の奥にはそこそこ強い魔物が徘徊しているから時々狩りに来るんだ。ここはその定宿ってわけさ。心配しなくても湖畔のあたりは安全だからな」
宿の中を案内しながらレナートが説明する。
「さあ、ここがお前たちの部屋だ。湖の目の前、宿で一番眺めのいい部屋だぜ」
レナートが二人用の部屋を扉を開ける。
「じゃあな、俺の部屋は別棟だから」
「ちょっと待ってください、伯父上」
「なんだ?」
「ここは僕と伯父上の部屋じゃないのですか? 男性二名に女性一名、だから、二人部屋と一人部屋を……」
「何言ってんだ、お前? ここは夫婦用の部屋で、俺は一人だから……」
「へっ?」
「当たり前だろう。ここはニードルじゃ新婚旅行にもよくつかわれる地で、どこの宿にもそのための部屋がいくつかあるんだ。じゃあな、ごゆっくり」
「いやいや、ちょっと待ってください」
ベネットが焦ってレナートを引き留める。
「あの、少しいいですか?」
なんだよ、と、めんどくさそうにベネットの質問に答えるレナートに今度はメルが尋ねる。
「夫婦用の部屋とおっしゃいましたが、かなり狭いのですね……」
「これが普通だ、平民ならな。いや、平民にしては少し贅沢なくらいの部屋だぞ」
「これだけ狭い部屋にベネット様と……」
そこが新婚旅行のだいご味だろうが、と、レナートは思いながら二人に告げる。
「慣れることだ、じゃあな」
放置するかのようにレナートは二人を残して部屋を出た。
夫婦用の寝室に取り残されたベネットとメルに気まずい沈黙が流れた。
思い起こせば王宮ならば二人きりと言っても、広い部屋でそれなりの距離を取って向かい合うこともできた。
しかし、いま彼らがいるこの部屋は置かれているテーブルやソファーも二人が密着して座る程度の大きさしかなく、ベッドもまた同様であった。
「えっと、少し暑いですね……」
ベネットは湖に面した部屋の窓を開ける。
照れ隠しからか、湖からの涼しい風にベネットは火照った顔をさらした。
日中にこうやって顔に直接風を受けるのもベネットにとっては国を出て初めて体験することであった。
心地よさそうに陽光と湖からの風を受けているベネットにメルが後ろから声をかける。
「小さい部屋も悪くないですね。好きな方と一緒なら」
数日後、ベネットとメルは先々代のヴァルカンや先代のレナートが済む家に近居し新たな生活を始める。
ギルドに顔の利く彼らのおかげで家庭教師や簡単な魔物狩りなど仕事はいろいろとあった。
ただ美男子すぎるベネットを若い女性がいる家の家庭教師にするといろいろ問題があったとか、メルも何名かの男性に懸想をされたが、夫のベネットを一目見ると皆あきらめて帰っていったとか、平民にしては美しすぎる若夫婦もそれなりに楽しみながらニードルでの生活になじんでいく。
二人の間には一男一女が生まれ家族としての幸せを味わいながら六年後、故国メディアの異変を耳にすることとなる。
「クーデターですって!」
「ああ、首謀者はオーブリー辺境伯だ」
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