赤獅子皇帝の花嫁

桃源郷

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本編

皇女様とお茶会

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ルナリアとステラは現在、何故か帝都の城に居た。

というのも、社交界シーズンに入ったのでカレンも帝都へ行くというのでそれに便乗する形で行きの馬車に乗せてもらった。
その頃にはすっかり仲も深まっていて名前も呼び捨てになっていた。

「ルナリア、あのね。会わせたい方がいるの。」

「会わせたい方?」

「ええ。だから、屋敷に着いたら私が選んだ服に着替えてね?お願い。」

「わ、分かったわ。」

急に言われ困惑しながらも、頷く。
屋敷に着けば、いつのまにか客間が用意されていてカレンの侍女達に囲まれた。

「ルナリア様。私共、この日を今か今かと待っていましたの。」

ふふふと笑う侍女達に少しの身の危険を感じた。

「み、皆さん落ち着いて。ちょ、どこ触って・・着替えは一人できます!」

抵抗はむなしく、あれよあれよと服を脱がされていく。

「あぁ、なんて白い肌なの。スベスベだわ。」
「髪なんて美しい銀髪よ!これでもう少し長ければ色々髪を結えたのに・・」
「腰、細いわ。コルセット必要かしら?」
「いらないわ。今日は気軽なお茶会とカレン様が言っていたから。」

お人形よろしくというふうにルナリアはなすがまま。あっとゆう間に着替えさせられた。
シルバーグレーを基調とした軽いドレスだった。ステラも着替えさせられたようで、紫のドレスを着ていた。

久しぶりの格好になんだか落ち着かない。
すると、部屋のドアが開けられカレンが入ってきた。

「うん。準備できたわね。」

「カレン、何故こんな正装しなければならないの?」

「それはね。今らか城へ行くからよ!早く、馬車に乗って!」

「え?お城?」

「詳しい、話は馬車で!」

息つく暇もなく、城へ向かう。

「皇女様と私は仲良くさせてもらっているの。帝都に戻りましたという挨拶と・・その友人を紹介しようと思って・・・ごめんなさいね、急に」

少し、俯いて言う姿がすごく可愛らしい。

(皇族とはあまり関わりたくはなかったけれど少しぐらいはいいかしら。商品の宣伝にもなるしね。)

城へ行くと言われ、何か、商会に役に立てればと思って1セットだけシャポワン を持ってきた。

「大丈夫よ。逆に機会を頂けて光栄だわ。」

「そう!良かった。」

不意打ちで言ったのが後ろめたかったのだろう。ルナリアの言葉に嬉しそうに破顔する。

そんな会話をしていれば城についてしまっていた。

ーーーーー

「カレン様、お連れ様。皇女様はこちらです。」

案内されたのは色とりどりの花に囲まれた温室だった。

「よくきたな、カレン。・・と、そちらは?」

明るい日差しの中にいたのはとてもカッコイイ人だった。
黒の混じった赤の長い髪を後ろで束ね。キリッとした瞳は、興味深そうに此方をみていた。すらりとしたスタイルに沿ったドレスを着ている。

(誰かに似ているかしら?)

そう考えても、彼女の頭上に耳は犬か狼のような大きな三角耳で、尻尾もフサフサしている。その種族の人に会ったことはないはずだ。髪の色から一人だけ脳裏をよぎったがすぐ否定する。彼はもっと鮮やかな赤だったから。

「ヴィオラ様、お久しぶりです。こちら、私の友人のルナリアです。以前、皇女様が気になると手紙で伺った商会の・・彼女です。」

「そうか。貴方が、はじめまして私はヴィオラと言う。ドラニア帝国、第一皇女でちなみに、狼族だ。よろしく。」

「はい、よろしくお願いします。私、ルナリアと申します。以後、お見知りおきを。」

緊張しながらも挨拶を返す。

「そう、かしこまらなくていい。今日は、友人だけの軽いお茶会だ。」

チラリとヴィオラが顔を見て向ければ侍女達が紅茶を持って来ていた。
なぜか、そこにはステラも混じっていてドレスを着ていたはずなのにいつものお仕着せ姿になっていた。

「ステラさん!可愛かったのに~!」

カレンが残念そうに言うが無表情に

「慣れなくて、申し訳ありませんが脱がせていただきました。」

としれっと返していた。
その、様子を見て皇女様はふふふと笑い。

「良い。今日は軽いお茶会といっただろう?それぞれ、落ち着く形でいい。さぁ、お茶を飲んで一息つこうか。」

こうして、お茶会が始まった。
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