追放されたデバフ使いが実は対ボス最終兵器でした〜「雑魚にすら効かない」という理由で捨てられたけど、竜も魔王も無力化できます〜

チャビューヘ

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第23話 【竜の眷属】

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 第23話 【竜の眷属ケンゾク

 森の空気が重い。

 日が傾き始め、木々の影が地面をう。

 俺たちは馬を降り、徒歩で北へ進んでいた。

「この辺りから、竜の領域だ」

 クリスが剣の柄に手をかける。

 周囲を警戒しながら歩く四人。

 足元の枯れ葉が、一歩ごとに音を立てた。

 ダリウスが立ち止まる。

「待て」

 彼の視線が、左手の茂みに向いている。

 俺も気配を感じた。

 何かがいる。

 それも、一匹ではない。

 茂みが揺れた。

 次の瞬間、巨大なトカゲが飛び出してきた。

「ドラゴンリザードだ!」

 クリスが叫ぶ。

 全長三メートルはある。

 ウロコは深緑色で、鋭い牙が口からノゾいていた。

 一体だけではない。

 左右から、さらに四体が現れる。

 計五体。

 完全に囲まれた。

「くそっ、多いぞ!」

 ダリウスがオノを構える。

 ミラがツエを握り締めた。

「どうする?」

 クリスが俺を見る。

 彼女の目に、信頼が見える。

 俺は深呼吸した。

 冷静になれ。

 相手のレベルは高い。

 つまり、俺のデバフが効く。

「任せてくれ」

 俺は一歩前に出た。

 最も近いドラゴンリザードに照準を合わせる。

「【弱体化】!」

 魔力が放たれた。

 紫色の光がリザードを包む。

 効果は即座に現れた。

 リザードの動きが鈍る。

 明らかに、速度が落ちている。

「効いてる!」

 ミラが驚きの声を上げた。

 だが、一体だけでは足りない。

 俺は次々とデバフを放つ。

「【弱体化】!【弱体化】!」

 二体目、三体目。

 全てのリザードに魔法陣が絡みつく。

 五体すべてが弱体化した。

「今だ、攻撃しろ!」

 クリスが剣を振るう。

 その一閃イッセンが、リザードのウロコを切り裂いた。

 通常なら硬いウロコが、まるで紙のように裂ける。

 ダリウスのオノが、別のリザードをタタき潰す。

「いけるぞ、こいつら!」

 彼の声に、興奮が混じっていた。

 ミラの炎魔法が、三体目を包む。

 リザードが悲鳴を上げて倒れた。

 残り二体。

 そのうちの一体が、俺に向かって突進してくる。

 牙が迫る。

 避ける時間はない。

 だが、その動きは遅かった。

 デバフの効果で、俺でも反応できる速度だ。

 横に飛び、剣を抜く。

 リザードの脇腹に刃を走らせた。

 深い傷が開く。

 リザードが崩れ落ちた。

 最後の一体は、クリスとダリウスが仕留める。

 戦闘終了。

 五体すべてが、地面に横たわっていた。

「やった……」

 ミラが息を吐く。

 彼女の額には、汗がニジんでいた。

 ダリウスが俺の肩をタタく。

「すげぇな、アクセル! あのデバフ、マジで効くじゃねぇか!」

 クリスも近づいてくる。

「レベル45のドラゴンリザードを、ここまで弱体化できるなんて」

 彼女の目が、俺を見つめていた。

「本当に……あなたは、竜相手でも戦えるかもしれない」

 俺はウナズいた。

 確かに、手応えがある。

 デバフは、強敵ほど効果が増す。

 ならば、竜にも効くはずだ。

「このウロコ、持って帰ろう」

 クリスがリザードのウロコがし始める。

 竜の眷属ケンゾクウロコは、高値で売れる。

 それに、竜討伐の証明にもなるだろう。

 俺たちは作業を分担し、ウロコを集めた。

 十数枚のウロコが、袋に収まる。

「さて、日が暮れる前に進むか」

 ダリウスが空を見上げた。

 雲が厚くなっている。

 夜が近い。

 俺たちは再び歩き始めた。

 封印の山は、まだ遠い。

 だが、今の戦いで確信した。

 俺のデバフなら、竜と戦える。

 そして、仲間がいれば、勝てる。

 森の奥から、遠く竜の咆哮ホウコウが聞こえた気がした。
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