10 / 15
第2章 第10話「怪物の食卓と、偽りの妻の反逆」
しおりを挟む
廊下が、やけに長い。
私たちは使用人に先導されて、薄暗い屋敷の奥へと進んでいた。
壁には古い肖像画が等間隔で並んでいる。
どの顔も厳めしく、こちらを睨みつけているようだった。
「……すごい絵の数ね」
私は何気なく呟いた。
慧は答えない。
その横顔が、廊下を進むごとに強張っていく。
まるで刑場へ向かう囚人のようだ。
そんな比喩が、頭をよぎった。
やがて、巨大な扉の前で足が止まった。
使用人が無言で扉を開ける。
息を呑んだ。
そこは、信じられないほど広いダイニングルームだった。
天井には煌びやかなシャンデリア。
長いテーブルには白いクロスが敷かれ、銀の食器が整然と並んでいる。
そして、その奥。
テーブルの最も遠い席に、一人の老人が座っていた。
鳳凰時康。
背筋はまっすぐに伸び、白髪は後ろに撫でつけられている。
年齢を感じさせない鋭い眼光が、こちらを捉えた。
いや、違う。
その視線は私を通り抜け、慧にだけ向けられていた。
「……座れ」
たった一言。
それだけで、部屋の空気が凍りついた。
使用人たちが機械のように動き、私たちの椅子を引く。
私は慧の隣に腰を下ろした。
心臓が、静かに速度を上げている。
これが、契約結婚の本丸。
この老人を納得させなければ、全てが水の泡になる。
私は背筋を伸ばし、完璧な微笑みを顔に貼り付けた。
「お招きいただき、ありがとうございます。お義父様」
時康は私を一瞥もしなかった。
まるで、そこに誰もいないかのように。
なるほど。
最初から、そういう態度で来るわけね。
私は内心で舌打ちしながら、微笑みを崩さなかった。
-----
料理が運ばれてきた。
前菜はフォアグラのテリーヌ。
メインは和牛のロースト。
どれも一流レストラン顔負けの豪華さだ。
でも、味なんて全く分からなかった。
空気が重すぎて、喉を通る気がしない。
時康はナイフとフォークを優雅に動かしながら、口を開いた。
「……で」
その声が、静かに響く。
「お前はどこの馬の骨だ」
私に向けられた言葉だった。
ようやく、こちらを見たらしい。
「佐倉と申します。東京の出身でございます」
「学歴は」
「お茶の水女子大学を卒業いたしました」
「家柄は」
「祖父の代から続く、小さな呉服店を営んでおります」
全て、事前に慧と用意した偽りの経歴。
私は淀みなく答えた。
時康の目が、かすかに細まった。
「……呉服屋風情が、よくもまあ」
その声には、隠そうともしない蔑みが滲んでいた。
「慧の女房を気取るとは。身の程知らずにも程がある」
テーブルの下で、拳を握りしめた。
笑顔。笑顔を崩すな。
「恐れ入ります。ただ、私は身の程を弁えた上で、慧さんをお支えしたいと考えております」
「支える?」
時康が、初めて笑った。
いや、それは笑いというより、嘲りだった。
「出来損ないを支えて、どうなる」
心臓が、跳ねた。
出来損ない。
この老人は今、慧のことをそう呼んだ。
私は慧の顔を盗み見た。
その横顔は、石のように動かない。
ただ、握られたフォークの先が、かすかに震えている。
「……お義父様」
私は声を絞り出した。
「慧さんは法曹界で大変なご活躍を」
「弁護士などという卑しい真似事を、いつまで続ける気だ」
時康の声が、私の言葉を遮った。
「一族の血を引きながら、法廷で口先だけの商売か。恥を知れ」
空気が、さらに重くなる。
使用人たちは壁際に立ったまま、微動だにしない。
私は唇を噛んだ。
このクソジジイ。
身内をここまで侮辱して、何が楽しいんだ。
心の中で毒づきながら、私は笑顔を保ち続けた。
今はまだ、反撃の時じゃない。
タイミングを見極めろ。
-----
メインディッシュが終わり、デザートが運ばれてきた。
時康の矛先は、完全に慧へと移っていた。
「近頃の仕事ぶりはどうだ」
その声に、温かみは一切ない。
「……順調です」
慧の声が、かすれている。
いつもの冷徹な弁護士の面影がない。
「順調? お前の言う順調など、たかが知れている」
時康はワインを一口含み、続けた。
「お前は昔から、何をやっても中途半端だった。勉強も、剣道も、ピアノも。全て、一族の恥さらしだ」
慧の手が、震え始めた。
ナイフとフォークがカチャカチャと音を立てる。
時康の目が、その音に向けられた。
「……食事のマナーすら、まともにできんのか」
その声が、冷たく響く。
「これだから『あの女』の子は」
慧の顔から、血の気が引いた。
フォークを握る手が、止まった。
「あの女」。
その言葉が、何を指すのか分からない。
でも、慧の反応を見れば、地雷だということだけは分かった。
時康は鼻で笑った。
「あの女も、お前も、同じだ。一族の面汚し。汚点。存在そのものが」
「お義父様」
私の声が、自分でも驚くほど静かに響いた。
時康が、初めて私を見た。
その目には、虫けらを見るような冷たさがある。
「……何だ」
「先ほどから伺っておりましたが」
私は微笑んだ。
背筋が凍るほど、美しく。
「少々、老眼が進んでらっしゃるのでは?」
空気が、凍りついた。
使用人たちの目が、一斉に私に向けられる。
時康の眉が、わずかに動いた。
「……何だと?」
「お気づきでないようですので、申し上げます」
私は慧の手の上に、そっと自分の手を重ねた。
震えが、少しずつ収まっていく。
「彼は一族の汚点ではありません」
私は時康の目を、真正面から見据えた。
「私が選んだ、世界で一番誇り高い男性です」
沈黙が落ちた。
シャンデリアの光が、静かに揺れている。
時康の表情が、読めない。
怒っているのか、呆れているのか。
「……ほう」
やがて、その唇が動いた。
「威勢だけはいいな」
その声には、怒りがなかった。
代わりに、奇妙な色が混じっている。
興味。
この老人は今、私に興味を持っている。
「面白い女だ」
時康はナプキンをテーブルに置き、立ち上がった。
「合格だ。少なくとも、退屈しのぎにはなりそうだ」
そう言い残して、ダイニングルームを出ていった。
使用人たちが、無言でその後に続く。
広い部屋に、私と慧だけが取り残された。
-----
「……君は」
慧の声が、震えていた。
「どうして、あんなことを」
私は肩をすくめた。
「言ったでしょ。私は800万で雇われたプロよ」
慧は呆然と、私の顔を見つめている。
その目が、複雑な色を帯びていた。
「でも、あんな物言いをしたら」
「怒らせた? むしろ興味を持たせたと思うけど」
私は立ち上がり、ドレスの裾を払った。
「あの手のジジイは、従順な人形には興味がないの。歯向かってくる相手の方が、面白がるタイプよ」
慧は黙っていた。
その手が、まだかすかに震えている。
私は彼の前に立ち、その目を覗き込んだ。
「ねえ、慧」
「……何ですか」
「あのジジイが何を言おうと、私はあんたの味方よ」
慧の目が、大きく見開かれた。
「契約だからじゃない。今日、あんたが侮辱されてるのを見て、本気で腹が立ったの」
自分でも驚くほど、素直な言葉が出てきた。
演技じゃない。
これは、私の本音だ。
慧は何も言わなかった。
ただ、その目が、静かに潤んでいるように見えた。
「……ありがとう、ございます」
かすれた声が、小さく響いた。
私は微笑んで、彼の手を取った。
「さ、部屋に戻りましょ。明日も戦いは続くんだから」
慧は無言で頷いた。
その手が、私の手を握り返す力が、いつもより強かった。
-----
廊下を歩きながら、私は考えていた。
鳳凰時康。
あの老人は、一筋縄ではいかない。
今日の「合格」は、本当の勝利じゃない。
ただの「興味を持たれた」に過ぎない。
そして、「あの女」という言葉。
慧の過去に、何があったのか。
この洋館には、まだ秘密が眠っている。
私は慧の横顔を盗み見た。
その表情は、まだ硬い。
でも、さっきよりは少しだけ、血の気が戻っているように見えた。
大丈夫。
どんな敵が来ても、私が守ってみせる。
そう心の中で呟いて、私は慧の手を強く握りしめた。
私たちは使用人に先導されて、薄暗い屋敷の奥へと進んでいた。
壁には古い肖像画が等間隔で並んでいる。
どの顔も厳めしく、こちらを睨みつけているようだった。
「……すごい絵の数ね」
私は何気なく呟いた。
慧は答えない。
その横顔が、廊下を進むごとに強張っていく。
まるで刑場へ向かう囚人のようだ。
そんな比喩が、頭をよぎった。
やがて、巨大な扉の前で足が止まった。
使用人が無言で扉を開ける。
息を呑んだ。
そこは、信じられないほど広いダイニングルームだった。
天井には煌びやかなシャンデリア。
長いテーブルには白いクロスが敷かれ、銀の食器が整然と並んでいる。
そして、その奥。
テーブルの最も遠い席に、一人の老人が座っていた。
鳳凰時康。
背筋はまっすぐに伸び、白髪は後ろに撫でつけられている。
年齢を感じさせない鋭い眼光が、こちらを捉えた。
いや、違う。
その視線は私を通り抜け、慧にだけ向けられていた。
「……座れ」
たった一言。
それだけで、部屋の空気が凍りついた。
使用人たちが機械のように動き、私たちの椅子を引く。
私は慧の隣に腰を下ろした。
心臓が、静かに速度を上げている。
これが、契約結婚の本丸。
この老人を納得させなければ、全てが水の泡になる。
私は背筋を伸ばし、完璧な微笑みを顔に貼り付けた。
「お招きいただき、ありがとうございます。お義父様」
時康は私を一瞥もしなかった。
まるで、そこに誰もいないかのように。
なるほど。
最初から、そういう態度で来るわけね。
私は内心で舌打ちしながら、微笑みを崩さなかった。
-----
料理が運ばれてきた。
前菜はフォアグラのテリーヌ。
メインは和牛のロースト。
どれも一流レストラン顔負けの豪華さだ。
でも、味なんて全く分からなかった。
空気が重すぎて、喉を通る気がしない。
時康はナイフとフォークを優雅に動かしながら、口を開いた。
「……で」
その声が、静かに響く。
「お前はどこの馬の骨だ」
私に向けられた言葉だった。
ようやく、こちらを見たらしい。
「佐倉と申します。東京の出身でございます」
「学歴は」
「お茶の水女子大学を卒業いたしました」
「家柄は」
「祖父の代から続く、小さな呉服店を営んでおります」
全て、事前に慧と用意した偽りの経歴。
私は淀みなく答えた。
時康の目が、かすかに細まった。
「……呉服屋風情が、よくもまあ」
その声には、隠そうともしない蔑みが滲んでいた。
「慧の女房を気取るとは。身の程知らずにも程がある」
テーブルの下で、拳を握りしめた。
笑顔。笑顔を崩すな。
「恐れ入ります。ただ、私は身の程を弁えた上で、慧さんをお支えしたいと考えております」
「支える?」
時康が、初めて笑った。
いや、それは笑いというより、嘲りだった。
「出来損ないを支えて、どうなる」
心臓が、跳ねた。
出来損ない。
この老人は今、慧のことをそう呼んだ。
私は慧の顔を盗み見た。
その横顔は、石のように動かない。
ただ、握られたフォークの先が、かすかに震えている。
「……お義父様」
私は声を絞り出した。
「慧さんは法曹界で大変なご活躍を」
「弁護士などという卑しい真似事を、いつまで続ける気だ」
時康の声が、私の言葉を遮った。
「一族の血を引きながら、法廷で口先だけの商売か。恥を知れ」
空気が、さらに重くなる。
使用人たちは壁際に立ったまま、微動だにしない。
私は唇を噛んだ。
このクソジジイ。
身内をここまで侮辱して、何が楽しいんだ。
心の中で毒づきながら、私は笑顔を保ち続けた。
今はまだ、反撃の時じゃない。
タイミングを見極めろ。
-----
メインディッシュが終わり、デザートが運ばれてきた。
時康の矛先は、完全に慧へと移っていた。
「近頃の仕事ぶりはどうだ」
その声に、温かみは一切ない。
「……順調です」
慧の声が、かすれている。
いつもの冷徹な弁護士の面影がない。
「順調? お前の言う順調など、たかが知れている」
時康はワインを一口含み、続けた。
「お前は昔から、何をやっても中途半端だった。勉強も、剣道も、ピアノも。全て、一族の恥さらしだ」
慧の手が、震え始めた。
ナイフとフォークがカチャカチャと音を立てる。
時康の目が、その音に向けられた。
「……食事のマナーすら、まともにできんのか」
その声が、冷たく響く。
「これだから『あの女』の子は」
慧の顔から、血の気が引いた。
フォークを握る手が、止まった。
「あの女」。
その言葉が、何を指すのか分からない。
でも、慧の反応を見れば、地雷だということだけは分かった。
時康は鼻で笑った。
「あの女も、お前も、同じだ。一族の面汚し。汚点。存在そのものが」
「お義父様」
私の声が、自分でも驚くほど静かに響いた。
時康が、初めて私を見た。
その目には、虫けらを見るような冷たさがある。
「……何だ」
「先ほどから伺っておりましたが」
私は微笑んだ。
背筋が凍るほど、美しく。
「少々、老眼が進んでらっしゃるのでは?」
空気が、凍りついた。
使用人たちの目が、一斉に私に向けられる。
時康の眉が、わずかに動いた。
「……何だと?」
「お気づきでないようですので、申し上げます」
私は慧の手の上に、そっと自分の手を重ねた。
震えが、少しずつ収まっていく。
「彼は一族の汚点ではありません」
私は時康の目を、真正面から見据えた。
「私が選んだ、世界で一番誇り高い男性です」
沈黙が落ちた。
シャンデリアの光が、静かに揺れている。
時康の表情が、読めない。
怒っているのか、呆れているのか。
「……ほう」
やがて、その唇が動いた。
「威勢だけはいいな」
その声には、怒りがなかった。
代わりに、奇妙な色が混じっている。
興味。
この老人は今、私に興味を持っている。
「面白い女だ」
時康はナプキンをテーブルに置き、立ち上がった。
「合格だ。少なくとも、退屈しのぎにはなりそうだ」
そう言い残して、ダイニングルームを出ていった。
使用人たちが、無言でその後に続く。
広い部屋に、私と慧だけが取り残された。
-----
「……君は」
慧の声が、震えていた。
「どうして、あんなことを」
私は肩をすくめた。
「言ったでしょ。私は800万で雇われたプロよ」
慧は呆然と、私の顔を見つめている。
その目が、複雑な色を帯びていた。
「でも、あんな物言いをしたら」
「怒らせた? むしろ興味を持たせたと思うけど」
私は立ち上がり、ドレスの裾を払った。
「あの手のジジイは、従順な人形には興味がないの。歯向かってくる相手の方が、面白がるタイプよ」
慧は黙っていた。
その手が、まだかすかに震えている。
私は彼の前に立ち、その目を覗き込んだ。
「ねえ、慧」
「……何ですか」
「あのジジイが何を言おうと、私はあんたの味方よ」
慧の目が、大きく見開かれた。
「契約だからじゃない。今日、あんたが侮辱されてるのを見て、本気で腹が立ったの」
自分でも驚くほど、素直な言葉が出てきた。
演技じゃない。
これは、私の本音だ。
慧は何も言わなかった。
ただ、その目が、静かに潤んでいるように見えた。
「……ありがとう、ございます」
かすれた声が、小さく響いた。
私は微笑んで、彼の手を取った。
「さ、部屋に戻りましょ。明日も戦いは続くんだから」
慧は無言で頷いた。
その手が、私の手を握り返す力が、いつもより強かった。
-----
廊下を歩きながら、私は考えていた。
鳳凰時康。
あの老人は、一筋縄ではいかない。
今日の「合格」は、本当の勝利じゃない。
ただの「興味を持たれた」に過ぎない。
そして、「あの女」という言葉。
慧の過去に、何があったのか。
この洋館には、まだ秘密が眠っている。
私は慧の横顔を盗み見た。
その表情は、まだ硬い。
でも、さっきよりは少しだけ、血の気が戻っているように見えた。
大丈夫。
どんな敵が来ても、私が守ってみせる。
そう心の中で呟いて、私は慧の手を強く握りしめた。
0
あなたにおすすめの小説
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
氷の騎士と陽だまりの薬師令嬢 ~呪われた最強騎士様を、没落貴族の私がこっそり全力で癒します!~
放浪人
恋愛
薬師として細々と暮らす没落貴族の令嬢リリア。ある夜、彼女は森で深手を負い倒れていた騎士団副団長アレクシスを偶然助ける。彼は「氷の騎士」と噂されるほど冷徹で近寄りがたい男だったが、リリアの作る薬とささやかな治癒魔法だけが、彼を蝕む古傷の痛みを和らげることができた。
「……お前の薬だけが、頼りだ」
秘密の治療を続けるうち、リリアはアレクシスの不器用な優しさや孤独に触れ、次第に惹かれていく。しかし、彼の立場を狙う政敵や、リリアの才能を妬む者の妨害が二人を襲う。身分違いの恋、迫りくる危機。リリアは愛する人を守るため、薬師としての知識と勇気を武器に立ち向かうことを決意する。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる