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第2章 第13話「遺された声と、書斎の番犬」
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深夜二時。
私たちは再び、母の部屋に立っていた。
月明かりだけが頼りの、暗い廊下を抜けて。
使用人たちの目を盗んで、西棟の奥へ。
「あった」
慧が低く呟いた。
埃をかぶった棚の奥に、古いラジカセが眠っていた。
九十年代のモデルだろうか。
カセットテープが使える、貴重な骨董品。
「……動くかしら」
「試してみよう」
慧がラジカセを持ち上げ、電池を確認した。
入れ替えた予備の電池が、かすかに光る。
スイッチを押す。
ザザッ、というノイズ。
そして。
『……もし、これを聴いているなら』
女性の声が、流れ出した。
私は息を呑んだ。
震える、か細い声。
でも、どこか芯のある響き。
慧の母親の、声だ。
『あなたは、あの場所を見つけてくれたのね』
隣で、慧が固まっていた。
その横顔は、蒼白だった。
唇が、かすかに震えている。
『私は、ずっとこの日を待っていました』
テープのノイズが、静寂を切り裂く。
母の声は、途切れ途切れに続いた。
『時康様は……お義父様の遺言書を、燃やそうとしました』
私の心臓が、跳ねた。
『私は、気づいていたのです』
『だから……本物を、すり替えました』
すり替えた。
つまり。
『燃やされたのは、私が用意した偽物』
慧が、大きく息を吸い込んだ。
その音が、暗い部屋に響く。
『本物は、書斎の金庫の中に』
『鍵は……あの場所に、隠しました』
あの場所。
鳥籠の中に隠されていた、あの小さな鍵。
『どうか……真実を、明らかにしてください』
『私の代わりに』
ザザッ。
ノイズが途切れ、テープが止まった。
沈黙が、部屋を満たす。
「……慧」
私は、慧の顔を見上げた。
彼は、じっとラジカセを見つめていた。
その目には、複雑な光が揺れている。
「書斎の金庫」
慧が、静かに口を開いた。
「あの鍵は、そこを開けるものだったのか」
声は落ち着いていた。
でも、握りしめた拳は白くなっている。
「場所は分かる?」
「ああ」
慧が顔を上げた。
その目に、決意の色が宿る。
「書斎は、あの男の寝室の隣にある」
私は眉を寄せた。
「寝室の隣って……」
「問題が、ある」
慧の声が、低くなった。
「書斎の周辺には、警備がいる。夜間は特に」
「使用人?」
「違う」
慧が、かすかに息を吐いた。
「番犬だ。ドーベルマン。訓練された、人を襲う犬が放されている」
私は唇を噛んだ。
人間の警備なら、どうにでもなる。
でも、犬は別だ。
嘘も演技も通用しない。
「それだけじゃない。筆頭執事が、定期的に見回りをしている」
「さっきの、冷たい目の男ね」
「あの男は、あの家の中で最も忠実だ。僕たちを見つけたら、即座に通報する」
難攻不落。
まさに、そういう言葉がふさわしい。
「……僕が囮になろう」
慧が言った。
「あの男の注意を引きつける。その間に、君が書斎へ」
「待って」
私は慧の腕を掴んだ。
「あんた、今日だけで何時間動いてるの」
「関係ない」
「関係あるわよ」
私は慧の顔を見上げた。
充血した目。
隈の浮いた頬。
疲労の色が、隠しきれていない。
「朝からあのジジイと三十分。夜は潜入で二時間。今また起きてる」
「それは」
「限界よ。あんた、もう精神的にギリギリでしょ」
慧が、言葉に詰まった。
図星だったらしい。
「次は、私の番」
私は、静かに言った。
「犬と執事なら、私の専門分野よ」
慧が、眉を寄せた。
「どういう意味だ」
「別れさせ屋ってね、色々やるの」
私は口角を上げた。
「ターゲットの家に潜入することも、番犬を手なずけることもある」
「……手なずける?」
「犬は正直よ。美味しいものをくれる人には、尻尾を振る」
私は立ち上がった。
「キッチンに行ってくる。最高級の肉があるはずだから」
「待て」
慧が私の手首を掴んだ。
「危険すぎる」
「あんたが囮やる方が危険よ」
私は振り返らずに言った。
「信じて。別れさせ屋の本領発揮よ」
慧の手が、ゆっくりと離れた。
-----
キッチンは、本館の東側にあった。
深夜の廊下を、足音を殺して進む。
使用人たちは、もう眠っているはずだ。
でも、油断は禁物。
キッチンの扉を、そっと開ける。
銀色の調理台。
巨大な冷蔵庫。
高級レストラン顔負けの設備が並んでいた。
「さて」
私は冷蔵庫を開けた。
中には、見たこともないような食材が詰まっている。
和牛のブロック。
輸入物のチーズ。
キャビアの缶詰。
私は、迷わず和牛を選んだ。
A5ランクだろうか。
美しい霜降りが、冷たい光を反射している。
「ごめんね。でも、必要なの」
私は肉を手に取り、包丁で適当な大きさに切った。
次に、棚を探る。
目当てのものは、すぐに見つかった。
バレリアン。
ハーブティーに使われる、セイヨウカノコソウ。
犬を落ち着かせる効果があることを、別れさせ屋時代に学んだ。
私は肉にバレリアンを揉み込んだ。
これで、番犬の動きを鈍らせることができるはずだ。
さらに、もう一つ。
油と布切れを用意する。
ボヤ騒ぎの演出。
執事の注意を逸らすための、古典的な手口だ。
「よし」
私は準備を終え、キッチンを出た。
-----
客間に戻ると、慧が窓際に立っていた。
「準備、できたわ」
私は手に持った肉と布を見せた。
「番犬用の餌と、執事を引きつけるための道具」
「……本気なのか」
「当然でしょ」
私は慧の前に立った。
「作戦を説明するわ」
私は屋敷の見取り図を頭に描いた。
「まず、東棟の物置でボヤを起こす。煙が上がれば、執事は確認に向かうはず」
「その間に、書斎へ向かう」
「そう。番犬には、この肉をあげる。バレリアン入りだから、しばらくはおとなしくなる」
慧が、じっと私の顔を見つめた。
「……君は」
「なに?」
「本当に、すごいな」
私は思わず、目を逸らした。
「仕事だからよ。それだけ」
「違う」
慧が、一歩近づいた。
「君は、いつも僕を助けてくれる」
「契約だから」
「契約以上のことを、している」
私の心臓が、痛いほど鳴った。
「……行くわよ」
私は振り返り、扉に向かった。
顔が熱い。
今、慧に見られたくなかった。
-----
深夜三時。
東棟の物置から、細い煙が立ち上るのを確認した。
油を染み込ませた布が、静かに燻っている。
大火事にはならない。でも、煙の匂いは確実に広がる。
案の定、廊下の奥で足音が響いた。
筆頭執事が、東棟へ向かっていく。
今だ。
私たちは、書斎へ向かう廊下を進んでいた。
足音を殺し、呼吸を整え、壁の陰に身を潜めながら。
月明かりが、窓から差し込んでいる。
影が、長く伸びていた。
「あと、二十メートル」
慧が小声で言った。
「書斎の扉は、この廊下の突き当たりだ」
私は頷いた。
ポケットの中の肉を確認する。
手に汗が滲んでいる。
その時だった。
廊下の奥から、音が聞こえた。
カチ、カチ、カチ。
爪が床を叩く音。
規則正しく、こちらに近づいてくる。
私は咄嗟に壁に張り付いた。
慧も、私の隣に身を寄せる。
暗がりの中で、何かが動いた。
二つの目が、不気味に光っている。
低い唸り声が、廊下に響いた。
「……来たわね」
私は、ゆっくりと息を吐いた。
黒い毛並み。
鋭い牙。
筋肉質の体躯。
ドーベルマンが、私たちの前に立ちはだかっていた。
その目は、獲物を見定めるように光っている。
私はポケットから、肉を取り出した。
「いい子ね」
私は一歩、前に出た。
「静かにしてて」
私たちは再び、母の部屋に立っていた。
月明かりだけが頼りの、暗い廊下を抜けて。
使用人たちの目を盗んで、西棟の奥へ。
「あった」
慧が低く呟いた。
埃をかぶった棚の奥に、古いラジカセが眠っていた。
九十年代のモデルだろうか。
カセットテープが使える、貴重な骨董品。
「……動くかしら」
「試してみよう」
慧がラジカセを持ち上げ、電池を確認した。
入れ替えた予備の電池が、かすかに光る。
スイッチを押す。
ザザッ、というノイズ。
そして。
『……もし、これを聴いているなら』
女性の声が、流れ出した。
私は息を呑んだ。
震える、か細い声。
でも、どこか芯のある響き。
慧の母親の、声だ。
『あなたは、あの場所を見つけてくれたのね』
隣で、慧が固まっていた。
その横顔は、蒼白だった。
唇が、かすかに震えている。
『私は、ずっとこの日を待っていました』
テープのノイズが、静寂を切り裂く。
母の声は、途切れ途切れに続いた。
『時康様は……お義父様の遺言書を、燃やそうとしました』
私の心臓が、跳ねた。
『私は、気づいていたのです』
『だから……本物を、すり替えました』
すり替えた。
つまり。
『燃やされたのは、私が用意した偽物』
慧が、大きく息を吸い込んだ。
その音が、暗い部屋に響く。
『本物は、書斎の金庫の中に』
『鍵は……あの場所に、隠しました』
あの場所。
鳥籠の中に隠されていた、あの小さな鍵。
『どうか……真実を、明らかにしてください』
『私の代わりに』
ザザッ。
ノイズが途切れ、テープが止まった。
沈黙が、部屋を満たす。
「……慧」
私は、慧の顔を見上げた。
彼は、じっとラジカセを見つめていた。
その目には、複雑な光が揺れている。
「書斎の金庫」
慧が、静かに口を開いた。
「あの鍵は、そこを開けるものだったのか」
声は落ち着いていた。
でも、握りしめた拳は白くなっている。
「場所は分かる?」
「ああ」
慧が顔を上げた。
その目に、決意の色が宿る。
「書斎は、あの男の寝室の隣にある」
私は眉を寄せた。
「寝室の隣って……」
「問題が、ある」
慧の声が、低くなった。
「書斎の周辺には、警備がいる。夜間は特に」
「使用人?」
「違う」
慧が、かすかに息を吐いた。
「番犬だ。ドーベルマン。訓練された、人を襲う犬が放されている」
私は唇を噛んだ。
人間の警備なら、どうにでもなる。
でも、犬は別だ。
嘘も演技も通用しない。
「それだけじゃない。筆頭執事が、定期的に見回りをしている」
「さっきの、冷たい目の男ね」
「あの男は、あの家の中で最も忠実だ。僕たちを見つけたら、即座に通報する」
難攻不落。
まさに、そういう言葉がふさわしい。
「……僕が囮になろう」
慧が言った。
「あの男の注意を引きつける。その間に、君が書斎へ」
「待って」
私は慧の腕を掴んだ。
「あんた、今日だけで何時間動いてるの」
「関係ない」
「関係あるわよ」
私は慧の顔を見上げた。
充血した目。
隈の浮いた頬。
疲労の色が、隠しきれていない。
「朝からあのジジイと三十分。夜は潜入で二時間。今また起きてる」
「それは」
「限界よ。あんた、もう精神的にギリギリでしょ」
慧が、言葉に詰まった。
図星だったらしい。
「次は、私の番」
私は、静かに言った。
「犬と執事なら、私の専門分野よ」
慧が、眉を寄せた。
「どういう意味だ」
「別れさせ屋ってね、色々やるの」
私は口角を上げた。
「ターゲットの家に潜入することも、番犬を手なずけることもある」
「……手なずける?」
「犬は正直よ。美味しいものをくれる人には、尻尾を振る」
私は立ち上がった。
「キッチンに行ってくる。最高級の肉があるはずだから」
「待て」
慧が私の手首を掴んだ。
「危険すぎる」
「あんたが囮やる方が危険よ」
私は振り返らずに言った。
「信じて。別れさせ屋の本領発揮よ」
慧の手が、ゆっくりと離れた。
-----
キッチンは、本館の東側にあった。
深夜の廊下を、足音を殺して進む。
使用人たちは、もう眠っているはずだ。
でも、油断は禁物。
キッチンの扉を、そっと開ける。
銀色の調理台。
巨大な冷蔵庫。
高級レストラン顔負けの設備が並んでいた。
「さて」
私は冷蔵庫を開けた。
中には、見たこともないような食材が詰まっている。
和牛のブロック。
輸入物のチーズ。
キャビアの缶詰。
私は、迷わず和牛を選んだ。
A5ランクだろうか。
美しい霜降りが、冷たい光を反射している。
「ごめんね。でも、必要なの」
私は肉を手に取り、包丁で適当な大きさに切った。
次に、棚を探る。
目当てのものは、すぐに見つかった。
バレリアン。
ハーブティーに使われる、セイヨウカノコソウ。
犬を落ち着かせる効果があることを、別れさせ屋時代に学んだ。
私は肉にバレリアンを揉み込んだ。
これで、番犬の動きを鈍らせることができるはずだ。
さらに、もう一つ。
油と布切れを用意する。
ボヤ騒ぎの演出。
執事の注意を逸らすための、古典的な手口だ。
「よし」
私は準備を終え、キッチンを出た。
-----
客間に戻ると、慧が窓際に立っていた。
「準備、できたわ」
私は手に持った肉と布を見せた。
「番犬用の餌と、執事を引きつけるための道具」
「……本気なのか」
「当然でしょ」
私は慧の前に立った。
「作戦を説明するわ」
私は屋敷の見取り図を頭に描いた。
「まず、東棟の物置でボヤを起こす。煙が上がれば、執事は確認に向かうはず」
「その間に、書斎へ向かう」
「そう。番犬には、この肉をあげる。バレリアン入りだから、しばらくはおとなしくなる」
慧が、じっと私の顔を見つめた。
「……君は」
「なに?」
「本当に、すごいな」
私は思わず、目を逸らした。
「仕事だからよ。それだけ」
「違う」
慧が、一歩近づいた。
「君は、いつも僕を助けてくれる」
「契約だから」
「契約以上のことを、している」
私の心臓が、痛いほど鳴った。
「……行くわよ」
私は振り返り、扉に向かった。
顔が熱い。
今、慧に見られたくなかった。
-----
深夜三時。
東棟の物置から、細い煙が立ち上るのを確認した。
油を染み込ませた布が、静かに燻っている。
大火事にはならない。でも、煙の匂いは確実に広がる。
案の定、廊下の奥で足音が響いた。
筆頭執事が、東棟へ向かっていく。
今だ。
私たちは、書斎へ向かう廊下を進んでいた。
足音を殺し、呼吸を整え、壁の陰に身を潜めながら。
月明かりが、窓から差し込んでいる。
影が、長く伸びていた。
「あと、二十メートル」
慧が小声で言った。
「書斎の扉は、この廊下の突き当たりだ」
私は頷いた。
ポケットの中の肉を確認する。
手に汗が滲んでいる。
その時だった。
廊下の奥から、音が聞こえた。
カチ、カチ、カチ。
爪が床を叩く音。
規則正しく、こちらに近づいてくる。
私は咄嗟に壁に張り付いた。
慧も、私の隣に身を寄せる。
暗がりの中で、何かが動いた。
二つの目が、不気味に光っている。
低い唸り声が、廊下に響いた。
「……来たわね」
私は、ゆっくりと息を吐いた。
黒い毛並み。
鋭い牙。
筋肉質の体躯。
ドーベルマンが、私たちの前に立ちはだかっていた。
その目は、獲物を見定めるように光っている。
私はポケットから、肉を取り出した。
「いい子ね」
私は一歩、前に出た。
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