【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ

文字の大きさ
30 / 34

白き影は音もなく

しおりを挟む
 雪が、すべての音を呑み込んでいた。

 窓の外を見る。
 昨夜から降り続いた雪が、中庭を白く塗り潰している。
 足跡ひとつない、完璧な白。
 まるで、世界から私たち以外の存在が消えてしまったかのように。

 私は「待」の文字が書かれた紙を、そっと箱にしまった。
 お父様からの指示。
 焦るな。動くな。今は、ただ待て。

 けれど。
 待つというのは、こんなにも難しいものだったのか。



 朝食を終えて、廊下に出た時だった。

 視界の端に、何かが動いた。

 振り向く。
 柱の影に、誰かがいる。

 マルタさんだった。

 壁に背をつけて、こちらを見ている。
 いや、見ているというより、睨んでいる。
 あるいは、縋っている。
 その目には、何の感情も読み取れない。
 空っぽの器のような目。

「マルタ、さん?」

 声をかけると、彼女の肩がびくりと震えた。
 でも、返事はない。
 ただ、唇が何かを形作ろうとして、失敗する。

 私は一歩、彼女に近づいた。

 瞬間、マルタさんが後ずさった。
 壁に背中がぶつかる。
 それでもまだ、逃げようとする。
 まるで、私が何か恐ろしいものであるかのように。

「喉が」

 マルタさんの声は、枯れ枝を折るような音だった。

「喉が、焼けるようなのです。指先が、痺れて」

 彼女の手が、自分の喉を掴んだ。
 爪が、白い肌に食い込む。

「何を、入れたのですか」

 その声には、もう敬語の体裁すら保てていない。
 ただの、恐怖に支配された獣の声。

 飴には、何も入っていなかった。
 彼女の身体には、何の毒も回っていない。
 それは、私が一番よく知っている。

 けれど。
 マルタさんの目は、確かに「毒」を見ている。
 存在しないはずの毒を。
 彼女自身の恐怖が作り出した、幻の毒を。

「な、何も……入れてないよ」

 私は、できるだけ優しい声で言った。
 無邪気な子供の声で。

「飴は……ただの、飴だよ」

 マルタさんの目が、大きく見開かれた。

「嘘、です」

 その声は、もはや悲鳴に近かった。

「嘘ですわ。だって、だって私の身体が」

 彼女の手が、自分の腕を掻き始めた。
 がり、がり、と。
 爪が肌を引っ掻く音。
 赤い筋が、白い肌に浮かび上がる。

「皮膚の下を、何かが這っているのです。それが、それが」

 私は、その姿を見つめた。
 胸の奥が、冷たくなっていく。

 これは、私がやったことだ。
 飴を渡したのは、私だ。
 彼女を、ここまで追い詰めたのは。

 でも。
 立ち止まることは、できない。

「マルタ、さん」

 私は、一歩踏み出した。

 マルタさんの目が、何かを見た。
 私の背後。
 窓の外の、白い世界。

 その瞬間、マルタさんの目に、別の何かが浮かんだ。
 恐怖とは違う。
 もっと、複雑な何か。

「逃げ、なさい」

 声が、漏れた。
 ほとんど吐息のような声。
 私に向けられた言葉なのか、彼女自身に向けた言葉なのか、わからない。

「王都から……もう、間に合わない」

 マルタさんが、悲鳴を上げた。
 言葉にならない、ただの叫び。
 そして、よろめきながら廊下の向こうへ逃げていく。

 白い壁に手をつきながら。
 何度も振り返りながら。
 まるで、私が追いかけてくると思っているかのように。

 その背中が、廊下の角に消えた。

 私は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
 震える手を、握りしめる。

 逃げなさい。
 マルタさんは、確かにそう言った。
 王都から、と。

 それは、警告だったのだろうか。
 私への。

 ふと、思い出した。
 マルタさんが私から本を取り上げた時のこと。
 嫌味な言葉で、私の読書を邪魔した時のこと。

 あれは、ただの意地悪だと思っていた。
 でも、もしも。
 もしも、それが。

 いや、考えすぎだ。
 彼女は私を陥れようとしていた。
 お茶と飴で、私を毒殺犯に仕立て上げようとしていた。

 それは、事実だ。

 前世で。
 私を追い詰めた上司たちは、こんな気持ちだったのだろうか。
 それとも、何も感じていなかったのだろうか。

 わからない。
 わからないけれど。

 私は、マルタさんを理解する気になれなかった。
 それが、今は一番正しいことのように思えた。



 義兄様の部屋の前に立った時、中から声が聞こえた。

「だから、いらねぇっつってんだろ」

 義兄様の声だった。
 昨日より、ずっとはっきりしている。
 怒っているような、照れているような、妙な声。

「おや、若様。食べないと治るものも治りませんでしてねえ」

 ガロットの、ねっとりとした声。

「気持ち悪ぃんだよ、その声」

「ひどいですなあ。これでも私、けっこう歌がうまいんでさあ」

「歌うな。絶対歌うな」

 私は、小さく笑った。
 義兄様の声には、もう死の影がない。
 生きている人間の、生きている声がする。

 扉を叩いた。

「入っていいですよお」

 ガロットの声が返ってきた。

 部屋に入ると、義兄様が寝台の上で身を起こしていた。
 昨日よりも、顔色がいい。
 頬にも、わずかに赤みが戻っている。

 私を見た瞬間、義兄様の表情が変わった。
 眉間に皺を寄せて、視線を逸らす。

「なんだよ、チビ。また来たのか」

「う、うん」

 私は、寝台のそばに近づいた。

「顔色……よく、なったね」

「うるせぇ」

 義兄様の声は、ぶっきらぼうだった。
 でも、その頬がわずかに赤くなっている。
 熱のせいではない。
 別の何かのせいで。

「若様、お嬢様がせっかく来てくださったんですから、もう少し愛想よくしたらどうでさあ」

 ガロットが、にやにや笑いながら言った。

「うるせぇ、汚ぇ医者。黙ってろ」

「おやおや、ひどい言われようですなあ」

 ガロットは全く傷ついた様子もなく、懐から小さな瓶を取り出した。
 暗い色の液体が、揺れている。

「お嬢様、私はちょいと準備がありましてねえ。若様のお相手、お願いできますかい」

 ガロットの目が、一瞬だけ鋭くなった。
 何かを、準備している。
 お父様の指示で、何かを。

「う、うん……わかった」

 私が頷くと、ガロットは満足そうに笑って部屋を出ていった。

 二人きりになった。

 義兄様は、相変わらず視線を逸らしている。
 窓の外の雪を見ているふりをして。

「義兄様」

「なんだよ」

「あの……手、握っても、いい?」

 義兄様の肩が、びくりと震えた。

「は、はあ? なんでそんな」

「き、昨日……握ってくれた、から」

 義兄様の顔が、真っ赤になった。
 耳まで赤い。
 熱が上がったわけではないことは、見ればわかる。

「あ、あれは、お前が勝手に」

「う、うん……私が、勝手に握ったの。でも……離さなかった、よね」

 義兄様が、口をぱくぱくさせた。
 言葉を探しているけれど、見つからない。
 その様子が、なんだかとても可愛らしく見えた。

 私は、義兄様の手に自分の手を重ねた。
 昨日より、温かい。
 生きている温度。

 義兄様の視線が、ふと遠くなった。
 何かを思い出すような目。
 窓の外の雪を見つめながら、ぽつりと言った。

「俺、変な夢を見てた」

 その声は、いつもより小さかった。
 照れているのか、それとも別の何かなのか。

「お前が、その」

 義兄様の声が、途切れた。
 視線が泳ぐ。

「泣いてる夢」

 私の心臓が、跳ねた。

「俺は動けなくて、お前は俺の手を握って、ずっと」

 義兄様が、言葉を切った。
 窓の外に視線を逃がす。
 耳まで真っ赤になっている。

「ずっと、泣いてて」

 義兄様の手が、私の手をきゅっと握った。
 無意識のように。

「だから、その」

 また、言葉が途切れる。
 義兄様の喉が、小さく動いた。
 何かを飲み込むように。

「別に、心配したとかじゃねぇからな。勘違いすんな」

 私は、笑った。
 今度は、心の底から。

「う、うん……勘違い、しない」

 義兄様が、何かを言おうとした。

 その時だった。

 遠くで、何か音がした。

 馬の嘶き。
 人の叫び声。
 雪に吸い込まれて、くぐもった音。

 義兄様の手が、私の手を握り返した。
 今度は、しっかりと。

「何の音だ」

 義兄様の声に、緊張が混じっている。

 私は、窓の外を見た。
 中庭を横切る、いくつかの人影。
 そして。

 白い。
 すべてが、白い。

 雪よりも白い何かが、屋敷に向かって歩いてくる。



 義兄様の部屋に、執事さんが駆け込んできた。
 その声は、いつもよりわずかに早口だった。

「お嬢様、大変でございます」

 呼吸を整えながら、執事さんが言った。

「王都の侍医が、到着いたしました」

 私の心臓が、凍りついた。

 あと二日。
 まだ、二日あるはずだった。
 お父様は、その二日で何かを準備するはずだった。

「ど、どうして」

 声が、かすれた。

「馬を三頭潰して、最短で来られたとのことです」

 執事さんの声は、苦々しかった。

「旦那様は、急な知らせで領境へ出立されたまま、まだ戻られておりません」

「何だと」

 義兄様が、寝台の上で身を起こそうとした。
 でも、まだ力が入らない。
 その顔が、苦しげに歪む。

「くそ、動け」

 義兄様の腕が、震えていた。
 自分の身体が言うことを聞かない苛立ちが、その声に滲んでいる。

 お父様が、いない。

 この屋敷に、お父様がいない。

 私の手が、震え始めた。
 義兄様の手を握ったまま。

 「待」の文字が、今は何の力も持たないように思えた。

 王都から、もう間に合わない。
 マルタさんの言葉が、頭の中で響いた。
 あれは、警告だったのだ。
 彼女なりの。

 廊下から、足音が聞こえた。
 規則正しい、冷たい足音。
 そして、かすかな匂い。

 薬草を煮詰めたような匂い。
 酢と何かが混じったような、鼻を突く刺激臭。

「北部大公閣下は不在と聞きましたが」

 声が、聞こえた。
 感情のない、平坦な声。
 まるで、帳簿を読み上げているような声。

「問題ありません。対象の検体は、この屋敷内にいるのですから」

 執事さんが、一歩前に出た。
 私たちと、廊下の間に立つように。

「お待ちください。まずは旦那様のお許しを」

 私は、扉の隙間から廊下を覗いた。

 白い人影が、立っていた。

 髪が、白い。
 肌が、白い。
 睫毛さえも、色素が抜けたように白い。
 全身を覆う白い衣装は、継ぎ目のない一枚布のようで、露出しているのは目だけ。

 その目が、執事さんを見た。
 いや、見ていない。
 まるで、そこに誰もいないかのように。

 白い人影が、一歩踏み出した。
 その手に、何かが握られている。
 小さな瓶のようなもの。
 振るたびに、白い霧が吹き出す。

 白い人影が、執事さんの前で足を止めた。
 そして、何の躊躇もなく、その霧を執事さんの顔に吹きかけた。

「な、何を」

 執事さんが咳き込む。
 それでも、その場を動かない。
 壁のように、私たちの前に立ち続けている。

「消毒です。この屋敷は汚染されている」

 その声には、何の感情もなかった。

「入口から既に、七十を超える穢れを数えました」

 まるで、汚れを拭き取るかのように。
 人を、物として扱う声。

 白い人影の目が、執事さんの肩越しに、こちらを向いた。

 赤い目。
 色素を持たぬ者特有の、血の色が透けて見える目。

「検体番号一、若君レオンハルト。衰弱症状の原因特定が第一目標」

「検体番号二、庶子ヴィオレッタ。感染症疑いの確認が第二目標」

 私の名前が、呼ばれた。
 いや、名前ではない。
 番号と、属性。
 まるで、物を数えるように。

「私はヴェラム。王家の侍医として、この屋敷の汚染を除去するために参りました」

 白い人影が、執事さんの横をすり抜けようとした。
 執事さんが、また一歩、その前に立ちはだかる。

「恐れながら、若様は療養中でございます。せめて、医師の許可を」

「不要です」

 ヴェラムの声は、平坦だった。

「私が、医師です」

 白い人影が、こちらに向かって歩いてくる。

「ご協力いただけますね」

 それは、質問ではなかった。
 命令だった。

 私の背筋を、冷たいものが這い上がった。

 ガロットとは、違う。
 ガロットは、不潔だけれど温かさがあった。
 生き物を見るような目をしていた。

 この人の目には、何もない。
 私は、人間ではない。
 ただの、検体。
 調べて、洗浄して、必要なら廃棄する対象。

 「待」の文字を、心の中で握りしめる。

 でも、お父様はいない。
 ガロットは、どこに行った。
 義兄様は、まだ起き上がることもできない。

 私には、何ができる。
 五歳の身体で。
 前世の記憶だけを武器に。

 白い影が、一歩、また一歩と近づいてくる。

 私は、一歩前に出ようとした。
 何ができるかわからない。
 でも、ここで怯えているだけでは。

 その時。

 背後で、扉が開く音がした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】 ※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。 ※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。 愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。

秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。 「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」 第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。 着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。 「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。 行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。 「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」 「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」 氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。 一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。 慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。 しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。 「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」 これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。

昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ

蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。 とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。 どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。 など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。 そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか? 毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...