【完結】恥ずかしさレベル100で世界最強！？ 赤面するほど無敵になる俺の学園ライフ

第28章：4人の誓いとリーダー戦

　黒瀬との遭遇から三日が過ぎた。

　11月下旬の夕方。

　蓮は、まだ恐怖を引きずっていた。

　訓練場で、一人座り込んでいる。

　特訓する気力が、湧かない。

　黒瀬の圧倒的な力。

　その記憶が、蘇る。

　勝てるのか。

　自分に。

　その不安が、消えない。

　足音が聞こえた。

　四人だ。

　雪菜。

　明日香。

　美鈴。

　莉音。

　全員、真剣な顔をしている。

「柊君」

　雪菜が言う。

「ずっと、ここにいたんですか」

　蓮は、頷く。

　四人が、蓮の周りに座る。

　沈黙。

　やがて、雪菜が口を開く。

「柊君」

　雪菜が言う。

「怖いですよね」

　その言葉に、蓮は頷く。

「ああ」

「でも」

　雪菜が続ける。

「あなたは、暴走しない」

　その目が、蓮を見つめる。

「私たちが、いるから」

　雪菜の手が、蓮の手に重なる。

　冷たい手。

　でも、温かい。

「黒瀬さんは」

　明日香が言う。

「一人だった」

　その声が、優しい。

「だから、暴走した」

　明日香が、蓮の肩に手を置く。

「でも、蓮は違う」

　その手が、温かい。

「蓮は、優しいから」

　明日香が微笑む。

「絶対、大丈夫」

　美鈴が、蓮の前に膝をつく。

「柊君」

　美鈴が言う。

「未来は、変えられます」

　その目が、真剣だ。

「私、見ました」

　美鈴が続ける。

「あなたが、黒瀬さんを倒す未来」

　その言葉に、蓮の目が見開かれる。

「本当に……？」

「ええ」

　美鈴が頷く。

「まだ、先ですけど」

　美鈴が微笑む。

「必ず、来ます」

　莉音が、蓮を抱きしめる。

「蓮くん」

　莉音が言う。

「私、信じてるよ」

　その声が、震えている。

「どんな時も」

　莉音の涙が、蓮の肩に落ちる。

「ずっと、一緒だから」

　四人の温もりが、胸に染みる。

　蓮の目が、潤む。

　こんな仲間たちがいる。

　自分は、一人じゃない。

「みんな……」

　蓮が言う。

「ありがとう」

　その声が、震える。

「俺、もう一度頑張る」

　蓮が立ち上がる。

　四人も、立ち上がる。

「俺は」

　蓮が言う。

「みんなと一緒に、未来を作る」

　その決意が、胸を満たす。

「黒瀬さんみたいには」

　蓮が続ける。

「ならない」

　蓮の拳が、握られる。

「みんながいるから」

　四人が微笑む。

　その時、警報が鳴り響いた。

　けたたましい音。

「また、委員会か」

　雪菜が言う。

　五人は、外に出た。

　空を見上げる。

　だが、黒マントはいない。

　代わりに、一人の人影。

　黒瀬だ。

　学園の正門前に、立っている。

「来たぞ」

　黒瀬の声が響く。

「柊蓮」

　その声が、重い。

　蓮は、正門に向かう。

　四人が、ついてくる。

　颯も、現れた。

「柊」

　颯が言う。

「行くのか」

「ああ」

　蓮が答える。

「今度は、逃げない」

　六人で、正門に到着する。

　黒瀬が、待っている。

「来たか」

　黒瀬が言う。

「まだ、弱そうだが」

　その目が、蓮を見る。

「試してやる」

　黒瀬が、手を伸ばす。

　黒い波動が放たれる。

　だが、蓮は動じない。

　四人が、蓮を守る。

　雪菜の氷。

　明日香の炎。

　美鈴の予知。

　莉音の重力。

　四人の力で、波動を防ぐ。

　黒瀬が、目を細める。

「少しは、成長したか」

　黒瀬が、さらに力を放つ。

　圧倒的な波動。

　四人が、押される。

　だが、蓮が前に出る。

「みんな、下がって」

　蓮が言う。

　額の数字を見る。

　まだ40。

　足りない。

　だが、今から上げる。

　蓮は、四人を振り返る。

「みんな」

　蓮が言う。

「俺を、恥ずかしがらせてくれ」

　四人が、頷く。

　だが、その時。

　学園中の生徒たちが、集まってきた。

　クラスメイトたち。

　他のクラスの生徒たち。

　教師たち。

　全員が、正門に集まる。

　数百人。

　蓮の心臓が、跳ねる。

　こんなに大勢の前で。

　恥をかくのか。

　その恐怖が、襲う。

　だが、四人が手を取る。

「柊君」

　雪菜が言う。

「一緒に、やりましょう」

　四人が、蓮を囲む。

　そして、大勢の前で。

　宣言する。

　雪菜が、蓮の手を握りしめる。

「柊君」

　雪菜が叫ぶ。

「私は、あなたを愛してます」

　その声が、響く。

　全員が、聞いている。

　蓮の顔が、熱くなる。

　明日香が、反対側の手を握る。

「蓮」

　明日香が叫ぶ。

「私も、愛してる」

　その声が、大きい。

　周囲が、ざわめく。

　蓮の額の数字が、跳ねる。

　50。

　美鈴が、蓮を抱きしめる。

「柊君」

　美鈴が叫ぶ。

「私、あなたを愛してます」

　その声が、震えている。

　だが、確かに届く。

　蓮の顔が、さらに熱い。

　額の数字が、70に。

　莉音が、蓮の背中に抱きつく。

「蓮くん」

　莉音が叫ぶ。

「大好き、愛してる」

　その声が、響き渡る。

　観衆が、爆発する。

「すげぇ」

「四人同時告白」

「公開で」

　笑い声。

　歓声。

　拍手。

　全てが、蓮に降り注ぐ。

　額の数字が、85に跳ね上がる。

　だが、まだ足りない。

　その時、蓮は決意した。

　自分も、言う。

　公開で。

　みんなの前で。

　蓮は、深呼吸する。

　そして、叫ぶ。

「雪菜」

　その声が、響く。

「俺は、お前を愛してる」

　雪菜の目が、見開かれる。

　顔が、真っ赤になる。

「明日香」

　蓮が続ける。

「お前も、愛してる」

　明日香が、涙を流す。

　嬉しそうに。

「美鈴」

　蓮が叫ぶ。

「お前も、愛してる」

　美鈴が、蹲る。

　恥ずかしさで。

「莉音」

　蓮の声が、最大に。

「お前も、愛してる」

　莉音が、両手で顔を覆う。

　そして、蓮は叫ぶ。

「四人とも、愛してる」

　その言葉が、響き渡る。

　学園全体に。

　観衆が、爆発する。

　歓声。

　拍手。

　笑い声。

　全てが、最高潮に。

　蓮の顔が、爆発しそうだ。

　全身が熱い。

　心臓が破裂しそう。

　額の数字が、跳ね上がる。

　90。

　95。

　そして、100。

　光が溢れる。

　蓮の身体から、眩しい光。

　力が、満ちる。

　だが、今度は違う。

　意識が、安定している。

　四人の想いが、感じられる。

　四人の愛が、自分を包んでいる。

　その温もりが。

　暴走を防いでいる。

　蓮は、理解した。

　これが、制御の方法。

　愛。

　仲間への愛。

　それが、暴走を防ぐ。

　蓮は、黒瀬を見た。

「行くぞ」

　黒瀬が、微笑む。

「ようやく、来たか」

　蓮が、地を蹴る。

　速い。

　黒瀬の懐に、一瞬で。

　拳を放つ。

　黒瀬が受ける。

　だが、衝撃で後退する。

「やるな」

　黒瀬が言う。

　蓮は心の中で時間を意識する。

　100の維持は、長くは続かない。

　黒瀬が反撃する。

　黒い波動の拳。

　蓮が避ける。

　ギリギリで。

　二人が激突する。

　拳と拳。

　蹴りと蹴り。

　互角の戦い。

　観衆が、息を呑む。

　学園最強クラスの戦い。

　恥メーター100と、恥辱暴君。

　羞恥心転換の現在と過去。

　蓮が、跳躍する。

　空中から、回し蹴り。

　黒瀬が腕で受ける。

　だが、衝撃で地面が砕ける。

「すごい力だ」

　黒瀬が言う。

　その目が、輝いている。

「だが、まだ足りない」

　黒瀬が本気を出す。

　恥辱暴君・完全開放。

　前回より、さらに力を解放している。

　黒い波動が、学園を覆う。

　圧倒的な力。

　蓮が、押される。

　だが、諦めない。

　四人の声が、聞こえる。

「柊君」

「蓮」

「頑張って」

「信じてる」

　その声が、力になる。

　蓮が、さらに力を引き出す。

　恥メーター100。

　その全てを。

　拳に込める。

　そして、放つ。

「羞恥心転換・極」

　蓮の拳が、黒瀬に届く。

　だが、黒瀬も拳を放つ。

「恥辱暴君・絶望」

　二つの拳が、激突する。

　爆発。

　衝撃波が、広がる。

　観衆が、吹き飛ばされる。

　地面が砕ける。

　煙が、立ち上る。

　やがて、煙が晴れる。

　蓮と黒瀬が、立っている。

　二人とも、無傷ではない。

　身体が傷だらけ。

　だが、立っている。

　互角。

　完全に、互角だった。

　黒瀬が、微笑む。

「お前、やるな」

　その声に、驚きがある。

「ここまで、成長するとは」

　黒瀬が、後退する。

「今日は、引く」

　その言葉に、蓮は驚く。

「なぜ……」

「お前、まだ伸びる」

　黒瀬が言う。

「お前の成長を、もっと見たい」

「俺と同じ道を辿るのか、違う道を行くのか」

　黒瀬が去ろうとする。

　だが、蓮が叫ぶ。

「待ってくれ」

　黒瀬が、振り返る。

「俺は」

　蓮が言う。

「あなたと戦いたいわけじゃない」

　その言葉に、黒瀬の目が揺れる。

「あなたを」

　蓮が続ける。

「救いたい」

　黒瀬の表情が、変わる。

　驚き。

　困惑。

「救う……？」

「ああ」

　蓮が頷く。

「あなたは、暴走したんでしょ」

　蓮が一歩近づく。

「でも、それは」

　蓮が言う。

「あなたのせいじゃない」

　黒瀬の目が、潤む。

「一人だったから」

　蓮が続ける。

「仲間がいなかったから」

　蓮が手を伸ばす。

「でも、今は違う」

　その手が、温かい。

「俺たちが、仲間になる」

　黒瀬の涙が、落ちる。

「俺を……仲間に……？」

「ああ」

　蓮が微笑む。

　だが、黒瀬は首を横に振る。

「無理だ」

　その声が、震える。

「俺は、もう戻れない」

　黒瀬が、去っていく。

「次に会う時」

　黒瀬の声が響く。

「決着をつける」

　黒瀬が、消える。

　蓮は、その場に立ち尽くす。

　黒瀬を、救えなかった。

　その無力感が、胸を締め付ける。

　だが、四人が駆け寄ってくる。

「柊君」

　雪菜が蓮を抱きしめる。

「よく、頑張りました」

「すごかったよ」

　明日香が笑う。

「互角だった」

　美鈴が微笑む。

「蓮くん、最高」

　莉音が拳を握る。

　観衆から、拍手が起きる。

　歓声が、響く。

　蓮は、みんなを見た。

　こんなに多くの人が。

　自分を応援してくれている。

　その温かさが、胸に染みる。

　颯も、近づいてくる。

「柊」

　颯が言う。

「お前、本当に強くなった」

　その言葉が、嬉しい。

　蓮は、空を見上げた。

　夕日が沈んでいく。

　美しい空。

　今日、一歩前進した。

　恥メーター100の制御。

　愛が、鍵だった。

　仲間への愛。

　それが、暴走を防ぐ。

　そして、黒瀬と互角に戦えた。

　次は、勝てる。

　その確信が、芽生える。

　夜が訪れる。

　星が輝き始める。

　六人は、訓練場に戻った。

　全員、疲れている。

　だが、充実している。

「今日は、すごかったね」

　明日香が言う。

「ええ」

　雪菜が頷く。

「柊君の告白」

　美鈴が顔を赤くする。

「恥ずかしかったけど、嬉しかった」

　莉音が笑う。

「みんな見てたもんね」

　その言葉に、蓮の顔が熱くなる。

　そう、公開で告白した。

　学園中の前で。

　その記憶が、蘇る。

　額の数字が、また上がりそうだ。

「でも」

　蓮が言う。

「これで、わかった」

　蓮が、四人を見る。

「愛が、制御の鍵だって」

　四人が微笑む。

「そうです」

　雪菜が言う。

「私たちの愛が」

「蓮を守る」

　明日香が続ける。

　美鈴が頷く。

「これからも、一緒です」

　莉音が拳を握る。

「ずっと、ずっと」

　五人の手が、重なる。

　温かい。

　この絆が、何よりも強い。

　颯も、その輪に加わる。

「俺も、仲間だ」

　六人の絆。

　それが、完成した。

　蓮は、決意を新たにする。

　次こそ、黒瀬を倒す。

　そして、救う。

　その目標に向かって。

　みんなと共に。

　進み続ける。

　蓮の決意は、揺るがない。



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【あとがき】

この作品をお読みいただき、ありがとうございました。

感想やご意見などございましたら、お気軽にお寄せください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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