【完結】恥ずかしさレベル100で世界最強！？ 赤面するほど無敵になる俺の学園ライフ

第30章：総力戦と恥エネルギー共有

　黒炎が、全てを覆う。

　熱い。

　息ができない。

　蓮の意識が、遠のいていく。

　だが、その時。

　温かいものが、胸に広がった。

　四人の想い。

　颯の信頼。

　みんなの願い。

　それが、繋がっている。

　以前から、微かに感じていた。

　美鈴が恥ずかしがる時。

　自分の恥メーターが、反応した。

　仲間の恥ずかしさを。

　感じ取れる能力。

　その能力が、今。

　極限状態で、覚醒しようとしている。

　温かいものが、胸の奥から広がる。

　そして、気づく。

　逆もできるのではないか。

　自分の恥エネルギーを。

　仲間に、共有できるのではないか。

　みんなの想いが繋がってる。

　なら。

　俺の力も、みんなに届くはずだ。

　蓮は、心の中で叫ぶ。

　みんな。

　俺の力を、受け取ってくれ。

　その瞬間。

　蓮の身体から、光が溢れる。

　眩しい光。

　恥メーター100の力。

　それが、波となって広がる。

　雪菜に届く。

　明日香に届く。

　美鈴に届く。

　莉音に届く。

　颯に届く。

　そして、学園中の全員に。

　生徒たちに。

　教師たちに。

　学園長に。

　全員が、光に包まれる。

　雪菜が、目を見開く。

「これは……」

　身体に、力が満ちる。

　今までにない力。

　明日香が、拳を握る。

「蓮の……力？」

　炎が、激しく燃え上がる。

　今までの数倍の勢い。

　美鈴が、立ち上がる。

「感じます」

　未来が、クリアに見える。

　副作用がない。

　莉音が、笑う。

「すごい」

　重力が、自在に操れる。

　限界が、感じられない。

　颯が、驚きの表情。

「柊の、恥エネルギーが」

　虚無領域が、拡大する。

　今までの十倍の範囲。

　クラスメイトたちも、立ち上がる。

　全員の能力が、強化されている。

　蓮は、黒炎の中で立っている。

　身体は無傷。

　恥エネルギーの光が、守っている。

　蓮が、叫ぶ。

「みんな」

　その声が、響く。

「俺の力を、使ってくれ」

　蓮が、魔獣を見上げる。

「みんなの恥ずかしさが」

　蓮の拳が、光る。

「俺たちの力になる」

　全員が、動き出す。

　雪菜が、手を伸ばす。

「凍結女王・絶対零度の槍」

　巨大な氷の槍。

　今までの百倍の大きさ。

　魔獣に突き刺さる。

　鱗が、砕ける。

　初めて、ダメージを与えた。

　明日香が、空に向かって叫ぶ。

「紅蓮覇王・炎神降臨」

　天から、巨大な炎の柱。

　魔獣を貫く。

　魔獣が、咆哮する。

　痛みの声。

　美鈴が、目を閉じる。

「時視眼・完全予知」

　魔獣の全ての動きが見える。

「次は、右前足を振り下ろします」

　その言葉通り、魔獣が動く。

　だが、全員が避ける。

　完璧な予知。

　莉音が、両手を上げる。

「重力覇者・天地逆転」

　魔獣の周囲の重力が、逆転する。

　魔獣が、浮く。

　地面から、離れる。

　巨体が、宙に。

　颯が、虚無領域を展開する。

「虚無領域・世界消滅」

　魔獣の周囲の空間が、消える。

　魔獣の動きが、止まる。

　わずかに。

　だが、確かに効いている。

　蓮が、走る。

　地を蹴る。

　一瞬で、魔獣の懐に。

　拳を放つ。

「羞恥心転換・極」

　拳が、魔獣の腹部に命中。

　衝撃波。

　魔獣が、吹き飛ばされる。

　初めて、動かした。

　この巨体を。

　魔獣が、地面に落ちる。

　地面が砕ける。

　だが、魔獣は立ち上がる。

　まだ、倒れない。

　その時、蓮の服が破れた。

　戦闘の激しさで。

　シャツが、裂ける。

　胸が、露わになる。

　周囲の視線が、一斉に集まる。

「え、柊の服」

「破れてる」

「見える」

　生徒たちの声。

　蓮の顔が、熱くなる。

　こんな時に。

　こんな大勢の前で。

　服が破れるなんて。

　恥ずかしい。

　額の数字が、光る。

　100のまま。

　だが、さらに輝きが増す。

　恥ずかしさが、さらに力を増幅する。

　その力が、また全員に共有される。

　全員の能力が、さらに強化される。

　雪菜が、叫ぶ。

「柊君、恥ずかしがらないで」

　その言葉が、逆効果。

　さらに恥ずかしい。

　明日香が、笑う。

「蓮、可愛い」

　その言葉も、恥ずかしい。

　美鈴が、顔を赤くする。

「柊君の、胸……」

　莉音が、にやにやする。

「いい身体してるね」

　四人の言葉が、全て恥ずかしい。

　周囲の笑い声。

　歓声。

　全てが、恥ずかしさを増幅する。

　だが、その恥ずかしさが。

　力になる。

　全員の力に。

　学園長が、叫ぶ。

「全員、総攻撃だ」

　生徒たち、教師たち。

　全員が、魔獣に攻撃を仕掛ける。

　今度は、効いている。

　鱗が、砕ける。

　傷が、広がる。

　魔獣が、怯む。

　雪菜が、氷の刃を放つ。

　明日香が、炎の矢を射る。

　美鈴が、予知で指示を出す。

「次は、尻尾です」

　莉音が、重力で尻尾を拘束する。

　颯が、虚無領域で動きを止める。

　その隙に、クラスメイトたちが攻撃。

　完璧な連携。

　蓮も、参加する。

　服は破れたまま。

　恥ずかしいまま。

　だが、戦う。

　魔獣の足に、拳を叩き込む。

　足が、砕ける。

　魔獣が、バランスを崩す。

　倒れる。

　地面が、揺れる。

　全員が、追撃する。

　雪菜の氷。

　明日香の炎。

　美鈴の予知。

　莉音の重力。

　颯の虚無。

　そして、無数の能力。

　全てが、魔獣を襲う。

　魔獣が、咆哮する。

　苦痛の声。

　だが、まだ倒れない。

　立ち上がる。

　傷だらけだが。

　再び、口を開ける。

　黒炎が、溜まる。

　最後の力を振り絞って。

　蓮が、叫ぶ。

「みんな、避けろ」

　だが、範囲が広すぎる。

　避けきれない。

　その時、蓮は決意した。

　自分が、防ぐ。

　みんなを、守る。

　蓮が、魔獣の前に立つ。

　両手を広げる。

　恥メーター100の力。

　全てを、防御に回す。

　光の壁が、現れる。

　魔獣が、ブレスを放つ。

　黒炎の奔流。

　蓮の壁に、激突する。

　衝撃。

　蓮の身体が、軋む。

　痛い。

　限界だ。

　だが、諦めない。

　みんなを、守る。

　その想いが、力を生む。

　壁が、持ちこたえる。

　黒炎が、弾かれる。

　魔獣のブレスが、止まる。

　蓮は、膝をつく。

　体力が、限界だ。

　恥メーター100の維持。

　すでに一時間以上。

　学園長が警告していた限界を、超えている。

　もう、長くは続かない。

　だが、やり遂げた。

　みんなを、守った。

　雪菜が、駆け寄る。

「柊君」

　蓮を支える。

　明日香、美鈴、莉音も。

　全員が、蓮を囲む。

「すごかったよ」

　明日香が言う。

「守ってくれて、ありがとう」

　美鈴が微笑む。

「蓮くん、最高」

　莉音が拳を握る。

　颯も、近づいてくる。

「柊、お前」

　その目が、驚きに満ちている。

「恥エネルギーを、共有した」

　蓮は、頷く。

「みんなの想いが、繋がってたから」

　その言葉に、全員が微笑む。

　魔獣が、倒れている。

　傷だらけで。

　動けない。

　だが、まだ生きている。

　まだ、止めを刺していない。

　学園長が、言う。

「みんな、最後の攻撃だ」

　全員が、構える。

　だが、蓮は立ち上がれない。

　体力が、限界だ。

　四人が、蓮を見る。

「柊君、休んで」

　雪菜が言う。

「私たちに、任せて」

　明日香が続ける。

　蓮は、頷く。

　四人を、信じる。

　四人が、魔獣に向かう。

　颯も。

　クラス全員も。

　学園中の全員が。

　最後の攻撃を仕掛ける。

　全ての能力が、一つになる。

　光が、魔獣を包む。

　爆発。

　巨大な爆発。

　地面が、砕ける。

　煙が、立ち上る。

　やがて、煙が晴れる。

　魔獣が、倒れている。

　動かない。

　だが、まだ息がある。

　微かに。

　完全には、倒しきれていない。

　全員が、息を呑む。

　まだ、終わってない。

　その時、遠くから声が聞こえた。

「よくやった」

　黒瀬の声。

　姿は見えない。

　だが、声だけが響く。

「S+級魔獣を、ここまで追い詰めるとは」

　その声に、驚きがある。

「だが、まだ終わりじゃない」

　黒瀬の声が、消える。

　魔獣が、わずかに動く。

　まだ、生きている。

　蓮は、立ち上がろうとする。

　だが、身体が動かない。

　恥メーター100の維持。

　限界を超えた。

　もう、戦えない。

　四人が、蓮を支える。

「柊君、もう十分です」

　雪菜が言う。

「蓮、休んで」

　明日香が続ける。

「あとは、私たちで」

　美鈴が微笑む。

「任せて」

　莉音が拳を握る。

　蓮は、四人を見た。

　その目が、真剣だ。

　信じるしかない。

　この仲間たちを。

　蓮は、頷く。

　そして、意識が遠のく。

　疲労が、限界を超えた。

　蓮の身体が、倒れる。

　雪菜が、支える。

「柊君」

　その声が、優しい。

「ゆっくり、休んで」

　蓮の意識が、暗闇に沈む。

　だが、心は穏やかだ。

　みんなを、信じている。

　この仲間たちなら。

　きっと、勝てる。

　その確信を抱いて。

　蓮は、眠りについた。

　夜が、深まる。

　星が輝く。

　魔獣は、まだ倒れたまま。

　だが、息がある。

　完全には、倒しきれていない。

　四人が、蓮を保健室に運ぶ。

　柳瀬先生が、待っていた。

「すごい戦いだったわね」

　先生が、蓮を診察する。

「大丈夫、命に別状はない」

　その言葉に、四人が安堵する。

「でも、しばらく休ませて」

　先生が続ける。

「恥メーター100の長時間維持」

「相当な負担だったはず」

　四人が、頷く。

　蓮を、ベッドに寝かせる。

　その顔が、穏やかだ。

　四人は、蓮を見守る。

　夜通し。

　外では、魔獣が倒れている。

　学園中が、警戒している。

　いつ、動き出すか。

　わからない。

　だが、今は。

　蓮の回復を待つしかない。

　次の戦いに備えて。

　明日が、来る。

　運命の日が。

　決戦の時が。

　迫っている。