月が

月がわらう

月がわらう

わらうわらう
今日は月がわらう
たんたんとこなす作業のなか
ふと頭によぎる結婚という言の葉
年の差がある私たち
そして三十路の私
ずっといっしょにいるためには
それなりの覚悟が必要になる
でも年下の彼にはまだ早い
わらうわらう
月がわらう
彼に合う別の人がいる
ああ
また考えすぎている
私はバカだ
わらうわらう
月がわらう
くたくたになりながらも
なんとか家に帰る私
ただいまという私に
おかえりと顔をだす彼
ああ
今日もかわいい
まあ本人にはいってあげないけど
お疲れ様と抱きついてきて
えへへとわらう彼
わらうわらう
月がわらう
ああ
癒される
いひひと上機嫌の彼は
いつも以上にかわいらしい
どうしてだろう
よく顔を見てみたらすぐわかった
上の前歯が折れていた
いつも以上のまぬけ顔に
わらうわらう
月がわらう
声を上げてわらう私に
むってする彼
これでも大変だったんだ
びっくりしたんだからと
ほほをふくらませる彼
ますます愛らしくて
わらうわらう
月がわらう
もうちょっと
このままでいいかな
お互いささえあえる
ささやかなしあわせを
まだあじわえるなら
あせらなくてもいいや
これからも
そのままでいてね
わらうわらう
今日は月がわらう