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オリジナル
75.激重一途幼なじみ×不憫平凡(美形×平凡)
しおりを挟む弟との仲がめちゃめちゃ悪い平凡(暁音)。というのも、ゲイである暁音の好きになった人や付き合うことになった相手を、二つ下の弟(涼音)が片っ端から寝とっていくから。
涼音はバイなんだけど、暁音と違って可愛い顔してるし愛嬌もあるしで、彼氏もすぐに惹かれて「お前より弟の方がいい」といって振られる始末。
バレないように気をつけていても、涼音は必ずどこかから暁音の恋人のことを嗅ぎつけて来るので、近頃は「今回はどれくらいもつかなー」と、振られる前提で恋人関係を考えるように。
「マジであいつなんなわけ? 俺別になんにもしてないのにさ。いつもいつもいーーっつも! 俺の恋人奪っていきやがって!!」
「まーた始まったよ」
「うっさい! だいたいどいつもこいつも、外面にひかれてあんな性格クズに乗り換えるとか、見る目無さすぎんだろ!!」
「それ言ったら、そんなやつ選んだお前の見る目もないってことに……」
「あ"ぁ!?」
今回もまた涼音に恋人を寝とられた暁音は、バーで酒を飲みながら友人に愚痴る。
「今回はどんくらいだっけ?」
「……2ヶ月」
「あー……うん。ドンマイ」
「もーほんとやだ。くそビッチしね……」
「あはは…………あ?」
テーブルに突っ伏していれば、不思議そうに声を上げた友人。気になって顔を上げると。
「? どうした……え?」
「久しぶりだね、暁音」
友人と暁音の間に手を置いて、こちらをニコニコしながら見つめてくるイケメンが。
男は暁音を知っているようで、親しげに名前を呼んでくる。
「……え、誰? 久しぶりって……」
「やだなぁ。俺の事忘れた? 宙だよ。昔隣に住んでた」
「そらくん……!?」
困惑しながら男の名を尋ねれば、それは昔、暁音の実家の隣に住んでいた、ひとつ年上の幼なじみ(宙)だった。
「え、なんで……?」
「大学進学と同時にこっち戻ってきたんだよね」
「そうなんだ。……てか、よくわかったね? 俺の事」
「そりゃあね。昔と全然変わってなかったから」
子供の頃から整った顔をしていたけれど、歳を重ねてさらに磨きがかかった宙。
酔った頭でぼんやり昔のことを思い返しながら見つめていれば、またもやニッコリ笑って、友人と反対側の暁音の隣に腰掛ける。
それから先程より距離を詰めてくる。
「なあ暁音。さっき恋人に振られたって話してたよね?」
「ぅえ? なんで知って……」
「たまたま聞こえてきたんだよ。それより、今フリーなんだよな?」
「へ、あ……うん」
「よし! なら俺と付き合わない?」
「……は?」
いつの間にか手を握られていて、その甲にキスまで落とされて。暁音は突然のことにポカンと呆けるしかない。
それでも見つめてくる目は真剣で。
「……いーよ」
どうせまた涼音にとられるんだし、それまでの付き合いだ。
そう思って受け入れた暁音。
ーーそれから交際が始まるのだけど、宙はめちゃめちゃに暁音を甘やかして、愛を囁いてくる。今までの彼氏よりもでろっでろに。
困惑しながらも、それが嬉しくて幸せで。でも、本気になっちゃいけないと自分を律する。
そうしていたら、ある日宙が言う。
「そういえば、弟……涼音はどうしてんの?」
(あーあ。ついに来ちゃったか)
今までの恋人たちと違って初めから弟の存在は知っていたけど、ついに自分を踏み台にして涼音に近づく時が来たのかと、暁音はそう思った。だから、なにも感じてないふりをして
「知らない。ビッチだから色んな女も男も引っ掛けて遊んでんじゃない? なに、アイツのこと気になるの?」
そう言う。今までで1番幸せな日々だったから酷く胸は痛むけど、自分を捨てていく相手に情けない姿は見せたくない。
強がる暁音の様子に気づいているのかいないのか、分からないが宙はサラッとした態度で言う。
「いや全然? 昔は2人仲良かったよなーと思っただけ」
「……っ、そう。今は別に、仲良くないし」
「ふーん? じゃあもう聞かないよ」
ちゅ。と頬にキスを落とされて、肩の力を抜く暁音。
(まだ、一緒にいてくれるんだ……)
まだこの幸せな時間が続くことにほっとする。
それからなのだが、待てど暮らせど幼なじみが涼音のところへ行く気配がない。
涼音のほうは暁音と宙が付き合っているのには気づいてるようで、なにやらアプローチしているらしい。暁音にも『そらくん僕のこと可愛いって』『こないだご飯行った♡』なんて挑発メールが届くが、それら全て宙の口から教えて貰ってるし、外泊なんてしないしで、どうにも失敗している模様。
そんなこんなで交際期間過去最長記録を更新した二人。あんまりにも幸せすぎて怖くなった暁音は、ある日宙に尋ねる。
「ねえ、そらくんは涼音のほうが良かったりしないの?」
「は? なんで?」
「え、だってアイツの方が可愛いじゃん顔。俺より愛想いいし。……今までのヤツらもみんなアイツの方選んでたし」
「はー? そいつら見る目ないんじゃん? てかそもそも俺、涼音に興味無いもん」
「え……そう、なの?」
「そうだよ。昔暁音の隣に住んでた時から、俺お前のこと好きだったんだよねー」
「………………はっ!?」
「だから心配しなくても、俺は浮気なんてしないし涼音を選ぶこともないし、お前一筋だから」
ニッコリ笑って言い切る宙。
驚きやら嬉しいやらで、口をパクパクさせたまま固まっちゃう暁音。
……結局その先もずーっと幼なじみに愛されて幸せになるのでした。
実はこれ、涼音が暁音の恋人寝とる理由があって。
それがこの宙の存在。
小さい頃は涼音と暁音、そして宙の3人でよく遊んでて、その時から涼音は宙のことが好きで。ある日告白するんだけど、「俺、暁音のこと好きだからゴメン」って振られる。
この時、周りからチヤホヤされて育ってたから涼音は『こんな可愛い僕が振られる!?』ってなったのと、『僕よりふつーなお兄ちゃんの方がいいの? なんで??』ってなって、これが初恋だった涼音は、だんだんとショックが怒りに変わって。
そんなしてたら宙は引っ越して、会えなくなっちゃって。
やりようのない悲しみとか怒りを暁音にぶつけるつもりで、暁音の好きな人とか恋人にちょっかい出し始めたのが始まり。
それから次第に、暁音の顔が悲しみや怒りに歪むのが最高に楽しくなっちゃって。やめられなくなったんだよな……。
この後、付き合いだした2人にちょっかい出そうと、2人の前に現れたり、暁音がいないタイミングで宙の家に上がりこもうとしたり、色々するけど全く相手にされなくてギャン泣きするし、暁音は幸せそうでクソムカつくしで、踏んだり蹴ったりな涼音なのだった。
激重一途幼なじみ美形×不憫平凡
CP名:夏樹宙×美坂暁音
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