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リクエスト
⑩完璧義理兄×義理弟(美形×平凡)
しおりを挟むーー5歳の時、母親が再婚した。それまでは小さなアパートでひもじい暮らしをしていた俺たち。それが、母親の再婚相手というのがかなりの金持ちだったらしく、5歳のあの日を機に生活が一変した。
一番変わったのは。
「君が慎吾くん?初めまして、君のお兄ちゃんになる良平だよ。よろしくね」
すっっごくかっこいい兄弟が出来たこと。
5つ上の義兄(良平)は、子供の時からなんでも出来た。運動も勉強も、習い事でもなんでも。おまけに性格も顔も良くて、みんなが憧れる人気者。
俺(慎吾)はそんな兄が大好きで自慢だった。
そしてそれは、高校生になった今も。
「大学、兄ちゃんとこから通っていい?」
「もちろんいいに決まってる。〇〇が一緒に住むとか、毎日幸せだな」
「俺もー!兄ちゃんとずっと一緒で嬉しいー!」
社会人になった良平は、さらに磨きがかかって、誰もが振り返るハイスペイケメンになった。
いい企業に就職し、成績もバッチリ出しているというのだから流石良平だ。
かたや俺はというと、母に似た平々凡々な顔のまま成長。恋人も出来ずに高校卒業間近になったが、特に困っていない。それもひとえにこの義兄のせい。立派なブラコンに育った俺は、良平より素敵だと思える人がいなかった。
良平にべったりなままじゃいけないとは分かっているが、良平のほうもブラコンらしく、何を置いても俺を優先してくれるから、義兄離れするのは難しい話だ。
「ねぇ兄ちゃん?恋人とか、家に連れてきたくなったら言ってね?俺、その時は外に出てるからさ」
無事に大学入学して数日たった時のこと。
俺はふと思って良平に言ってみた。
そういえば良平から彼女の話を聞いたことないな、と。
そうしたら良平は
「何言ってるの?慎吾と暮らすこの家に女なんて連れてくるわけないじゃん」
とニッコリ。それが嘘でもなんでもない響きだったから、俺はちょっと驚いた。だけど。
「……そっか!俺も兄ちゃんとの家に誰も呼ばないから、安心してね!」
笑って言えば、良平は嬉しそうな顔をする。それが俺も嬉しくて、2人だけのこの生活がもっと好きになった。
それから大学生活がスタートする訳だが、思ったよりも大変だった。難しい講義にレポート、サークルなど。
家でゆっくりしたいのにそうも出来なくて。
「んんんん~っ!兄ちゃんが足りないぃ……!」
帰ったら寝落ち、起きれば良平は仕事に行っていないという、すれ違いの日々が続いていて、正直寂しくなっていた。
そんな愚痴を零している今、俺は新歓の真っ最中。
入学してから仲良くなった友人に絡んではグチグチ良平不足を訴えている。
「お前ほんとブラコンね」
「兄ちゃんは世界一かっこいいんだからしょうがないだろ!」
「ほんとに存在すんのか?そんなパーフェクトヒューマン」
「いるってば!失礼なこというなよな!!」
何だかふわふわして、視界がぐにゃぐにゃしだした。なんでだろ?と思ってたら友人が、
「げ!コイツ俺の酒飲んでるし!コイツまだ酒はダメだったよな?」
と言っていた。
「お酒ぇ?」
「ジュースと間違えて飲んだんだろー。そんだけで酔うとか、お前弱いんだな。もう飲むなよ」
「んーー。にいちゃん~」
「ダメだこりゃ。おい、スマホ貸せ」
「ん?なんでぇ~?」
「お前の兄ちゃんに電話すんだよ。名前は?」
「あー、りょうへー」
「良平な。……っと、あった」
友達が兄ちゃんに電話するって?
あ、電話から兄ちゃんの声がする。
「にいちゃん~~むかえきて~~」
「えー、なに磯貝君、兄弟いるんだ?見たーい」
「う?誰?にいちゃんカッコイイからだめ~」
「なにそれ可愛い~」
電話の兄ちゃんの声を聞きたいのに、近くで女の子がうるさい。
兄ちゃんともっと喋る……と思ったのに。
「あ、おい電話切れたぞ」
「ええぇぇー!なんで切るの!兄ちゃんと話したかったー!!」
「いや切られたんだし」
呆れた声の友人。そんなのはどうでも良くて、良平との電話が切れたのが嫌だった。ふくれている俺にまた「どんだけブラコンだよ」と言う友人の声が聞こえたが無視。
そうしていたら、しばらくして誰かに声をかけられた。
「おい、慎吾!」
「……んぇ?」
……どうやらウトウトしていたらしい。
呼ばれた方を向けば、人集りとちょっと興奮したような友人が。
「なに?」
「お前の兄貴、迎え来てんぞ。しっかしマジでイケメンだな!」
「……兄ちゃん?」
ふらつく足で入口の方に行けば
「慎吾」
「! 兄ちゃんー!」
ちょっと怖い顔した良平がいた。
俺は嬉しくなって彼に抱きつく。
そしたら良平はみんなに挨拶してから、俺を抱えて車に連れてってくれた。
それから俺はいつの間にか寝てた。
起きた時には、
「…………あえ?」
真上から見下ろす良平がいた。
背中には柔らかな感触。……ベッドの上か。
「兄ちゃん……?」
大分ハッキリした意識で良平を見れば、さっきと同じで少し怖い顔をしていた。
「どしたの?兄ちゃん」
「……さっきの人達だれ」
「サークルのひと」
「女の人もいるんだ?」
「ん。……兄ちゃん、なんか怒ってる?」
「……お酒飲んだの?」
「んー?友達の、まちがって?」
ぽやぽやしながら言えば、また怖い顔。
「兄ちゃん……?」
「慎吾。俺はね、慎吾が世界で一番好きだよ」
「う?……俺も!兄ちゃんが一番好き!」
「ホント?でも俺はね、慎吾が女といるのもムカつくし、間違いとはいえ友達と間接キスしたのも許せない。慎吾の心も体も、その頭の中も。全部俺のものじゃないと嫌なんだ」
「…………」
「引いた?でもゴメンな。初めてあったあの日からずっと好きなんだ。慎吾が、俺の事嫌いになっても、離してやれない」
「……引かないよ。言ったじゃん、俺も一番兄ちゃんがすきって」
にっこり笑って俺は義兄に手を伸ばす。そうして引き寄せてその唇にキスをした。
「慎吾……」
「兄ちゃん、だーいすき」
執着つよつよ完璧義兄×平凡義弟
兄ちゃんと良平表記がごちゃ混ぜで
見にくいかもです()
CP名:磯貝良平×磯貝慎吾
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