ツイノベまとめ

希咲さき

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⑫ヤンデレ×平凡(美形×平凡)

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 「葉月!」
 「あ、るり!」

 授業が終わるとすぐに、違うクラスの幼なじみが迎えに来る。
 幼なじみは、誰もが認めるイケメンで、スクールカースト上位のモテモテ男子(るり)である。

 そんな幼なじみと俺(葉月)は、実は周りに内緒で付き合っている。

 恋人になったのは中学の時。ずっと好きだったと告白されて、俺がそれを受け入れたのが始まり。
 以来ずっと俺を愛してくれている。
 正直、こんな取り柄もなくて平々凡々な俺のどこが好きなのか分からないけど、いつも「可愛い」「好き」「愛してる」って言ってくれるから、その気持ちを疑うことはない。

 さてさてそんな俺たちだが、一緒に登下校をしていれば、沢山の視線を浴びることになる。美形のるりと平凡な俺。そりゃあ不釣り合いなのは百も承知。高校入学当初から、色んな人(特に女子)から陰口を言われているのは知っていた。けれどるりは俺にしか興味ないと言っているし、俺もるり以外どうでもよかったから、全部スルーしてきた。
 今日も今日とてざわめく周囲と無視する俺たち。

 家にたどり着けば、荷物を置いてすぐに隣のるりの家へ行く。親が留守がちなるりの家で、たくさんイチャイチャするのだ。

 そうして毎日楽しく過ごしていたある日のこと。

 「なぁ、お前ってさ八重樫のこと、好きなわけ?ホモ?」

 突然、クラスの陽キャ男子に言われた。ソイツはるりと同じクラスに友人がいるらしく、度々るりとも絡んでいるのを見たことがあった。

 明らかに俺をバカにしたような顔で見下ろすソイツ。すると周りも乗っかるようにして騒ぎ出す。

 「それウチも思ってたー。幼なじみにしては距離近すぎだし」
 「全然タイプ違うのにるりくんに付きまとっててキモイと思ってたんだよね~」
 「陰キャのお前に好かれるとか、八重樫も可哀想だよな!」

 ギャハハと下品な笑い声が起こる。

 そんなヤツらを見ながら俺は

 (くだんねー。お前らにどう思われようがどうでもいいけど、でもるりが変な噂たてられるのは良くないよなー)

 と考えていた。
 黙っている俺の様子に、何も言い返せないのだと思ったらしい陽キャ達が、なおも言葉を浴びせようとした時。

 「なーーにしてんの?」

 低い声がその場に落ちた。
 一斉に振り返れば、笑顔を浮かべたるりが。

 「るり」
 「遅くなってゴメンね、葉月!早く帰ろっか!」
 「あ、うん……」

 いつもの明るいるりと違った様子に、ちょっと首を傾げつつ、席を立つ。るりに駆け寄れば、

 「あ、葉月ちょっと先に玄関に行っててくんない?用事思い出したからさ~」

 と言う。

 「え?あ、うん。わかった」
 「ゴメンね~。すぐ追いつくからさ!」

 バイバイ、と手を振るるりに手を振り返して、そのまま言われた通り玄関に向かう。

 ーーそれから。

 「……さて。お前ら、葉月になんの話ししてたの?」

 残されたるりとクラスメイトたちはといえば、なんともいえない雰囲気に包まれていた。

 真顔で感情のない目をしたるり。気まずそうに視線を逸らすクラスメイトたち。落ちる静寂を破ったのは、るりだった。

 「葉月がキモい?葉月に好かれる俺が可哀想?」
 「そ、れは……」
 「だって、幼なじみってだけで、べったりしてるし……ねぇ?」
 「男同士だし、ありえなくない……?」
 「……ふーん?で?なんでそれを俺には言わないわけ?葉月のこと好きだし、べったりしてるの俺もだけど、なんで葉月だけキモいの?」
 「だって、るりくんは、優しいから構ってやってるだけでしょ……?」
 「そ、そうだよ。一軍のお前があんな底辺に……」

 ガンッ!

 クラスメイトの言葉を遮るようにるりが壁を殴った。

 「……言いたいことは、それだけ?」
 「え……」
 「言い残したことはないかっつってんの。俺、今からお前ら全員殺してもいいんだけど?」
 「っ!!」
 「俺と葉月の邪魔する奴なんて生きてる価値ないよな?葉月に余計なこと吹き込むバカは消えればいい。死ねよお前ら今すぐ」

 仄暗い目でクラスメイトを見るるり。
 教室にいた人々は、ゾッと恐怖を感じ、顔色を悪くしている。

 「な、に言って……、おかしいよお前っ」
 「なんとでも言えば?俺には葉月がいればそれでいいし、お前たちにどう思われようが知ったこっちゃない。むしろ、関わってくんなよマジで。目障り」

 そこまで言うと、るりは携帯を取り出して確認しだす。途端にパッと表情が明るくなった。

 「葉月だ!なになに、“早く来い”?あーっ、可愛い!今すぐ行くって!」

 デレッとした顔になったるり。携帯をポケットに戻すと、玄関に歩き出そうとする。が、その前に。

 「あ、また下んねーこと葉月に言ったり、俺たちの邪魔してみろ。そんときは本当にお前ら殺すからな?覚悟しとけよ」

 そう言い残し、るりは今度は本当に駆け出して行ってしまう。

 残された葉月のクラスメイト達は、誰一人として言葉を発するものはいなかった。

          ♢♦︎♢

 「遅い!」
 「ごめんってばー!」
 「何してたんだよ?用事は?終わったのか?」
 「ん?終わったよ~!葉月は気にしなくていいことだから!」
 「? あそ。んじゃ帰ろ」
 「うん!今日も可愛いね、葉月!」
 「ちょ、こんなとこで!そういうのは家に帰ってからな!」
 「はいはい!早く帰ろ!」

 (あーあ。ほんと、葉月以外みんな消えればいいのに。どいつもこいつもクソばっか。……葉月閉じ込めたいなー)

 ……翌日からクラスメイトの対応どうしようと考えていた平葉月。次の日学校行ったら誰も話しかけてこないし、なんなら目も合わせてこなくなって首を傾げることに。

 まぁ、何も言ってこないならいっか!ってなって、特に何も変わることなく恋人とイチャイチャする毎日を送るのだった。

 ヤンデレ美形×平凡のお話。

 ……マジでヤンデレが分からなさすぎて……。リク主さんごめんなさい!



CP名:八重樫やえがしるり×富野葉月とみのはづき
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