ツイノベまとめ

希咲さき

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オリジナル

㊽風紀委員長×ぽっちゃり(美形×平凡)

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 ひとつ年上の大好きな幼なじみを追っかけて、同じ高校に進学したマシュマロぽっちゃり平凡(弥生)。
 近頃なんか素っ気なくなってたけど、環境が変わったら気持ちも変わるかも!と思って、ルンルンで入学。

 ところが進学先の高校はなんと、いわゆる王道学園と呼ばれるような、金持ちとかがいっぱいいる全寮制の男子校だった!

 抱きたい抱かれたいランキングなんてものがあり、上位者が生徒会メンバーになってたり、親衛隊があったり。
 理解不能な出来事の連続で、弥生はビックリしっぱなし。

 それでも幼なじみがいるから大丈夫!と思って、彼に接触しようとするも、なんと彼は生徒会メンバー(しかも会長)になっており、親衛隊に囲まれて近づけない。

「うぅぅ……こうちゃん……なんで……」

 慣れない環境、友達もいない、頼れる幼なじみも遠い人になって、弥生のメンタルはガッタガタに。

 どうしたらいいんだろう……と思っていると、『親衛隊に入れば、対象の相手に抱いてもらえる』なんて話が耳に入ってくる。

「っこれだ……!」

 正直、男同士で抱くとか抱かれるとかわかんないけど、幼なじみのそばに行けるなら!と幼なじみの親衛隊に入隊。
 会長親衛隊は、当番制で『お相手』をしているとのこと。

 なんのお相手か分からないが、弥生は自分の担当になる日を心待ちにしていた……のだが。

「おかしくない?全然呼ばれないよ??」

 待てど暮らせど、当番だと呼ばれることがなかった。それは自分より後に入隊した子が、当番に当たっても変わらない。

「隊長!どうして僕は当番にあたらないんですか!?」

 どうしても幼なじみのそばに行きたくて、親衛隊長に直談判する弥生。
 けれども隊長は鼻で笑って言う。

「会長様が言ってたんだ。『天笠弥生だけは自分の元に寄越すな』って。それって君だよね?」
「そ、うですけど……、そんな、なんで……ッ」
「知らないよ。でも会長様の言うことは絶対。君、すっごく会長様に嫌われてるんだね」

 ケラケラと笑う隊長。
 それよりなにより、大好きな幼なじみに嫌われているという事実が、弥生を打ちのめした。

「うぅぅっ!ひ、どいっ!ヒドイよこうちゃんッ!!」

 大きな体を丸めて、トイレの個室で泣く弥生。散々泣き腫らしたあとトイレから出ると、ばったり人と出くわす。

「っあ」
「……なんだ?泣いていたのか?」

 こんな不細工な顔を見られるなんて、と恥ずかしくなった弥生。でも、目の前の人はバカにしたりなどせず、それどころか自分のハンカチを濡らして、弥生に差し出してくれた。

「目が腫れている。これで冷やすといい」
「え、あの……」
「何があったかは知らないが、考えすぎないことだ。じゃあな」
「あ、ちょっ!!」

 お礼を言う間もなく、ハンカチを貸してくれた硬派な印象のイケメンは去っていった。

「行っちゃった……。これ、どうしよう……」

 質のいい高そうなハンカチ。
 弥生は、戸惑いつつもそれをしっかりと握りしめた。

 ーートイレでハンカチを貸してもらってから数日が過ぎた。

 洗濯していつでも返せるように持ち歩いているのだが、如何せん名前もクラスも知らない。分かっているのは、ネクタイの色からひとつ上の学年ということだけ。

「うーーん。どうしよう……」

 いっそのこと、二年のクラス全部覗いてみるか……なんて思って、二年の階へと足を運ぶ弥生。
 階段を上がってすぐのクラスを覗くと、パチリと目が合った。

「あ!」

 なんの奇跡か、覗いたそのクラスに、目当てのハンカチの人がいた。

 目が合った相手も弥生の事を覚えていたようで、すぐに近寄ってきてくれる。

「君はこの間の」
「あ、そのっ、はい!この間はありがとうございました……!!これ、お返しします!」

 ポケットから綺麗に畳んで袋に入れていたハンカチを取り出し、その人に返す。

「わざわざ洗って持ってきてくれたのか?気にしなくてよかったのに」
「そんなわけにはいきませんっ!あの、ほんと助かりました。ありがとうございます!!」

 ぺこりと頭を下げる弥生。するとその頭に暖かなものが触れる。

「へぁ」
「君はいい子だな」

 何度か頭の上を往復し、それからポンポンと叩かれて、頭から手のひらが外される。
 驚いたまま顔を上げると、その人は小さく笑っていた。

「元気になったようで良かった」
「あ……」

 優しい言葉に、胸がドキリとする。
 ……と、その時。

「おい式守、邪魔」

 キツい言葉が聞こえると同時に、式守と呼ばれた彼の後ろから、幼なじみが顔を覗かせた。

「っ、あ……」
「…………こんなとこに一年がなんの用だよ」
「そ、の……あのっ、こうちゃ……」
「彼は俺が貸したものを返しに来てくれただけだ。そんなに睨むことないだろう?……行こう」
「えっ……!?」

 不意に手を取られて、式守に引っ張られるように歩かされた。

「ッおい!何処にーー」
「どこでもいいだろう。お前は気が立っているようだし。俺達はお前の前から消える。通行の邪魔をして悪かった」

 式守は歩きながら幼なじみに伝える。引っ張られながらも気になって後ろを振り向くと、幼なじみは凄く怖い顔でこっちを見ていた。

 (っ。やっぱり嫌われてるんだ……)

 信じたくなかったが、目の前であんな顔を見せられては、自分が嫌われているのを受け入れるしかない。

 手を引かれながら弥生は、溢れてきた涙を拭い続けた。

 ーーそうしてしばらく歩いてたどり着いたのは。

「風紀、室……」

 ズビ。鼻をすすりながら見上げた扉に書かれていた文字。
 それを読み上げた弥生の頭を、式守はまた撫でて、それから室内に招き入れてくれる。

「入ってくれ。この時間は誰もいないから」
「あ、はい……」

 案内されるままテーブルまで行き椅子に座る。そしてその隣に腰掛けた式守は、再びハンカチを取り出した。

「すぐに使うことになったな」

 先程返したばかりのハンカチで、優しく弥生の目元を拭ってくれる彼。

「……ご迷惑をおかけしてすみません」
「何がだ?迷惑などなにもかけられていないが」
「またハンカチを使わせてしまったこともそうですが、こうちゃ……、会長と言い合いみたいになっちゃったのも、僕のせいなので……」

 先程の幼なじみの顔を思い出して、俯く弥生。
 すると隣からグイ、と両手で顔をあげさせられた。

「ふぇっ!?」
「君が謝ることはないだろう?君は何も悪いことはしていない。勝手に機嫌が悪かったのも、こちらに当たってきたのも彼だ」
「でも……」
「……前回泣いていたのも、佐々木が関係してるのか?」

 真剣な顔でそう聞いてくる式守。
 なんとか誤魔化そうかとも思ったが、こんなに優しく真っ直ぐに向き合ってくれる人に嘘をつくなんて……としばらく逡巡したのち口を開いた。
「会長とは……幼なじみで……」

 ゆっくりと今まであったことを話した。
 大好きな幼なじみを追いかけてこの学校に入学したこと。少しでもまた仲良くしたくて親衛隊に入ったこと。自分だけ隊の中で除け者にされていたこと。

「……中学の時から素っ気なくなってきてて、でも思春期から来る照れ?的なやつかな~って勝手に思ってて。環境が変わればまた仲良くしてくれるかも、なんて期待して追いかけてきたけど……。僕、物凄く嫌われてたみたいです」

 力なく笑っていたら、目尻から涙がまたひとつ零れる。
 それを黙って聞いていた式守は、話が終わると優しく抱きしめてくれた。

「せ、んぱい……」
「辛かったな。無理して笑わなくていい。泣きたい時には泣けばいいんだ」
「ぁ……」
「ハンカチでも俺の胸でも貸してやるから」
「っ、うぁぁ……ッ!!」

 式守の広い胸にしがみついて、弥生はわんわん泣いた。
 そのあいだじゅう、彼は抱きしめて頭を撫でてくれていた。

 ーーそれからしばらくして。

「あの、ほんとすみません……でした」
「構わん。俺がいいと言ったんだからな」
「うぅ……」

 ようやく泣き止んだ弥生。いたたまれなくなって顔を赤くして視線を逸らしてしまう。

「さっきよりましな顔になったな」
「……はい」
「また何かあったら相談するといい。なにか無くても、連絡してくれていい」

 そういって式守は連絡先を教えてくれた。表示された名前を見て、弥生は驚く。

「式守梢……って、風紀委員長?」
「なんだ?気付いていなかったのか?」
「ひえ……、ぜんぜん……」
「まあ、肩書きなんて気にせずに話しかけて欲しい」
「あ……はぁ……」

 こうして不思議な縁で繋がった弥生と式守こと風紀委員長。

 最初は連絡も躊躇っていたが、会長親衛隊をやめようと思ってることや、時折幼なじみとすれ違うと睨まれることを相談すると、それから些細なことでも連絡を取り合うように。

「式守先輩!」
「天笠」

 近頃はとても仲良くなっていて、昼休みに空き教室でお昼ご飯を食べるように。

「天笠はほんと美味そうに食べるよなぁ」
「まあ、食べるの大好きですもん。だからこんな体なんですけど……」

 自分の腹の贅肉をつまみながら、てへへ……と笑う弥生。

「ふむ……」
「ひょえっ!?」

 じーっと弥生のお腹を見ていた梢は、突然お肉を揉み出す。

「あの、ちょ!せせせ先輩!?」
「触り心地がいいな?弾力も……。腹だけじゃなくて、ココも」
「ふゃ、あ!」

 あやしい動きをする手はお腹から胸に移動。男にしては柔らかい胸を揉んで、それから丸っとした頬をかじる。

「どこもここも、美味そうだ」
「ンっ、せんぱ……」

 至近距離で視線が絡み合う。
 頬から口を離した梢は、その距離のまま囁いた。

「天笠、まだ佐々木のこと好きか?」
「っえ……」
「俺はお前が好きだ。純粋で、優しくて、心が綺麗なお前のことが」
「先輩……」

 正直、最近は幼なじみの事はあんまり思い出さなくなっていた。時々睨まれることはまだあるが、それでも以前より傷付くことは減り、それよりも梢といる時間が楽しくて、嬉しかった。

「ぼく、も……。僕も、先輩が好き」
「良かった。……もう天笠が泣かなくていいように、ずっと守ってやるから」
「っ、嬉しい……!!」

 こぼれんばかりの笑顔を浮かべる弥生。
 ーーこうして結ばれた二人。

 もちろん梢にも親衛隊はあったが、きちんと彼が話をつけて、隊公認の恋人になり、校内でも有名なカップルとなったのだった。

 美形風紀委員長×ぽっちゃり平凡




CP名:式守梢しきもりこずえ×天笠弥生あまがさやよい
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