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オリジナル
51.強か×巻き込まれ(美形×平凡)
しおりを挟む「王様だーれだ!?」
なんでこんなことになったのか……。
平凡(真)はキュッと小さく体を縮こまらせて、カラオケの大部屋の隅っこにいた。
ーー遡ること数時間前。
大学の講義が終わった真は、ゆっくりと帰り支度をしていた。
そんな時、前の席に座っていた陽キャ軍団が、楽しそうに何か話しているのが聞こえる。
「今日聖華女子大の子達と合コンなんだけど、頼むから椋聖も来てくれよ~!」
「俺からもお願い!!あそこの子達レベル高いって有名じゃん??ぜってーお持ち帰りしたいんだよ~!」
一人に懇願する数人の男子。頼み込まれていたのは、大学でも有名なイケメン君(椋聖)だった。
(合コンかぁ……。しかも聖華女子大……。遠い世界の話だ)
人付き合いが苦手で、静かで面白みのない人間、それが自分。そう思っている真は、すこし憧れつつも関係ない世界のことだと聞き流していた。
「人数は?」
「向こう5人。こっちが一人足りないんだよ」
「ふーん……」
片付けも終わったし、帰るか。と立ち上がった時である。
「なら、金丸くんも一緒なら行ってもいいよ」
突然手を捕まれ、真は動きを止めた。
「え……?」
発した言葉は真と、それから椋聖を囲んでいた陽キャ達のものだった。
「え、椋聖どういう事?」
「だからこの金丸くんも今日のメンツに入れてくれるなら、俺も行くって言ってんの」
「いや、え?なんで……?」
「なに?俺別に行かなくてもいいんだけど?」
「いっ、いや!それは困る!!えぇと金丸……だっけ?ソイツも来ていいから、椋聖絶対参加しろよ!?」
「はいはい。そんじゃまた後で」
椋聖が頷いたのをしっかり確認してから、陽キャ達は動き出す。
……この間、真はなんのリアクションもとれないでいた。
(え?は??どういう事……?なんで巻き込まれて?えっっ!?)
何が起きているのかさっぱり理解が追いつかず、混乱していたら未だに掴まれたままの腕を軽く引かれた。
「っ!?」
「金丸くんゴメンな?巻き込んじゃって」
「え、ぁえ?あの……」
「いつも同じメンツで飽きてたし、女の子に絡まれるのも面倒でさー。ちょっとだけ俺の相手してくんない?」
にっこり笑う椋聖。男である真もうっかり見蕩れそうになるくらい綺麗だったが、置かれている状況を思い出してハッとする。
「いや、え!?なんで僕なんですか?!」
「え、なに?なんか予定あった?」
「それは無いですけど……って、そうじゃなくて!!なんで僕を連れてくなんてッ」
「んー、なんか俺たちとタイプ違って面白そうだし、なんか可愛いじゃん金丸くんて」
「は!?」
言われた意味がわからなくてあわあわしていれば、なんだか知らない間に椋聖のペースに乗せられていて。
そのまま半ば強引に合コンに参加させられていたのだった。
……そうして今に至る。
「王様だれー?アタシじゃないよぉ!」
「俺も違う~」
「あ、俺」
突然始まった『王様ゲーム』。
やりたくも無いのに強制参加で逃げられない真は、今のところ辛うじて当たっていない。
そして今、王様になったのは、何故か合コンが始まった最初っから真の隣をキープしている椋聖だった。
「えー椋聖くんなのぉ?」
「どんなお題?アタシに当たったらいいなぁ!!」
キャッキャと騒ぎ出す女子達。
それとは反対にゲンナリする真。
場違いすぎて早く帰りたい、と思っていれば、隣のイケメンによって爆弾が落とされた。
「じゃあ、俺と3番がポッキーゲーム」
「え」
「あれ?もしかして金丸くんが3番だった?」
小さく笑った椋聖。それに、かっこいいなどと思う暇もなく、真の脳内は大騒ぎである。
(は?え?ポッキーゲーム?誰と?萩尾くんと?僕が?はっっっ??)
女子から突き刺さる視線が痛くて、ろくな反応もできない。そうしていれば、急にポッキーを口に突っ込まれた。
「ングっ!?」
「はい、それじゃ始めるよ?ちゃんとやらなきゃ、もう一回だからね?」
「や、ちょっ!まっ……」
「はい、スタート」
真が何か言うまもなく、椋聖は反対側からどんどん食べ進め始める。
(わっ、ひぇ……!綺麗すぎん!?まつ毛なが!……ってか、近い近い近いィ!!)
どんどん近づいてくる美しい顔に、思わず目を瞑ってしまう。それからこんなゲームさっさと終わらせようと、首を捻ってポッキーを折ろうとしたのだが。
「ッ、ん!?」
何かに頭を固定されて、顔を背けられない。
驚いて目を開こうとするが、それより早く唇に何かが触れた。
と同時に、甲高い叫び声が部屋を満たす。
「うっそぉ!!今、キスした!?」
「信ッじらんない!!なんで!?」
「普通避けるでしょ!?」
慌てて目を開いて辺りを見渡せば、同じように驚いて目を見開いている陽キャ達と、大騒ぎしながらもすごい顔でこちらを睨んでくる女子達。
……それと、真にしか見えない角度で、ニンマリ笑う椋聖。
(もう、何がなんだか……)
魂が抜けたように呆然とする真。
そしたらまた椋聖のペースに持ち込まれてしまって。
気づいたら合コンは終わっていて、椋聖にお持ち帰りされちゃう真なのでした。
知らぬ間に、合コンに参加した陽キャ達からカップル認定されてたし、そっからどんどん噂が広まって、外堀を埋められていく可哀想な真。
もちろん椋聖はずっと前から真が好きだったし、自分のものにするために合コンを利用した結構やべー奴。
なし崩し的にお付き合い始まるけど、椋聖がデロデロに甘やかしてくれて、結局幸せになるので無問題!
強か美形×巻き込まれ平凡
ポッキーの日に乗っかろうとした作品。
CP名:萩尾椋聖×金丸真
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