闇と光

騎士団

 トントン
 窓を叩く音がした。窓を開けると外はまだ   暗かった。暗闇から顔を出したのは一羽の鷹だった。
 顔を出し、軽く頭を下げた。

”失礼します。”

「あぁ、君か。どうしたんだ？」

”奴らの足取りが分かりました。”

「何処に向かっている？」

”裁きの祠です。それと祠に行けば奴の正体が分かるそうです。”

「…分かった。下がっていい。お前はお前の業務を果たせ。」

”了解”

 報告を終えると勢いよく飛び出した。
 その姿をシーロは見送る。

 とうとう明日、行動を起こす時が来た。
 シーロは、窓を見ながら決意を固めていた。



【団長室】

  裁きの祠…
 そこに奴らが行くのであれば、そろそろ僕が動くべきか…


「アリルとダイナは居るか？二人を呼んでくれ！」

 しばらくすると、二人はシーロの前に現れた。

「どうかしましたか？」

「僕は、奴らに近づく為にしばらく騎士団を離れる。指示は追って伝える。それまであとを託したい。頼まれてくれるか？」

「はい。任せて下さい。団長」
「無理、しないで下さいね。団長」

「あぁ、大丈夫だよ。アリル。ありがとう」

 彼らは、理解が早い。これから僕がする事も分かっているはずだ。
 僕が僕と分からないように変装しなくては…


 シーロは、騎士団を離れる。
 彼らに接触をする為に旅支度を整える。

 下宿先で白い髪を隠すように切れ布を巻き、珍しい青の瞳を隠すように赤のコンタクトをする。

 エーリアス家は、代々白い髪と赤い瞳を有する。僕の瞳を知るものはエーリアス家に関わるもの以外は知らない。

 しかも赤の瞳は珍しくは無いのだ。バレる事は無いだろう。

 軽装に身を包み上からローブを被り部屋を出た。

 その姿を二つの目が影から行動を見ていた。

 シーロは、気付かずライトルブを護衛を付けずに出発した。

 騎士団員には、アリルとダイナが指揮を取り団長の指示にすぐ動く事が出来るよう手配をしていた。


ニャー ニャー

「お前は、騎士団に居てくれ。大丈夫、伝言を伝える時には彼に頼むから、な？」

ニャー

「じゃー行こうか。彼らの元に。」

 シーロより先に空を舞う一羽の鷹。
 シーロは、一羽の鷹と共にクロウ達の後を追うのだった。








「私達も動くわよ。」
「りょーかい！」
 二つの影もシーロを追いライトルブをあとにした。

            


                                続く