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第1章

1 - 7 腹黒幼女とダイナマイトボディ!

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俺は庭でカナの仕事ぶりを見ながらボーっと日向ぼっこをしていた──

あの夜の後、カナは実年齢17才と発覚するも───

「雷斗さまーせんたくものほしたのー、おてつだいがんばったよー」ほめてほめて~と近づく幼女────そう彼女はカナちゃん恐らく10才といった処だろう。太陽のような愛くるしい笑顔を満面に咲かせながら走り寄って───「えーい!」と抱きついてくる……が──

「カナ……お前……そういうキャラ設定にしたのか?」

と俺は冷ややかな視線を送る──

「カナはなんのことかわかんなーい!おしえて!雷斗さまー」と首をこてっと傾けて上目遣い──あざとい!実にあざとい!

「わかったわかった。えらいえらい!」と頭を撫でる。

カナは「えへへー」と、頭を撫でられ、とても気持ち良さそうに…それでいて演技に対して少々の恥じらいを感じているのか、ほんのりとピンクに染まった頬が彼女の愛らしさを殊更に際立てる。

《なに負けてるんですか!やっぱり幼女好きの変態ですね!》

(うるさいやい!見た目だけは幼女だから……その……つい……)
《つい未発達な果実を貪るように彼女の体をまさぐり──》
(やめい!俺はノーマルだから!女神さま大好きだから!)

《う!そ……そんな急に……》(あ~チョロくて助かるわ)


「あー!カナさん!サボりはダメですよ!雷斗さんも、甘やかしてはダメですからね!」と何故か俺がアンナに怒られてしまう。

その後カナはアンナに引き摺られるように屋敷の中へと連行されていく──アンナ……容赦ないな。

「雷斗様、夕飯の買い出しに街まで行ってきますね。」
とミレーヌが俺の元に顔を出し、そのまま街へと向かっていく。

(平和ですね……)《ええ、この屋敷だけで言えば──ですけど》

確かに……俺は前回の豚男の時の馬車──

翌日マーカーが止まっている場所へと向かった。そこにはボロ小屋があり、馬と荷車が繋がれ放置されていただけ……俺は女神さまに教えてもらった遠見の魔法「【ホークアイ】」を使ってその小屋を監視するのだが……今は馬が飢えて死んでいるだけだ。


あの人拐いの実行犯……必ず見つけ出して報いを受けさせる!

といっても手掛かりもないし、アンジュの処へでも行ってなにか情報がないか聞くとするかぁ……

俺はアンナに一言断りを入れてから外出する。


しばらく歩き、アンジュが居る消防団通称〔は組〕(アンジュから聞いた……)へと着いた。《〔め〕も〔は〕もたいして変わんないのに……いい加減な設定ですね~》(あんたが言うな!)

「こんにちは~」と俺は扉を開ければ──

「ああん?」──俺は扉をそっと閉じ──ようとしたら扉を掴まれた!ひいぃ!輩系怖いいい!

「雷斗の旦那!なぜ来て早々に帰ろうとるすんですかい?」

だ……旦那……だとぅ!この輩の巣窟に一体なにが……

「あねさんから聞きやしたぜ!なんでも旦那は噂の執行者様だって!なぁ!みんな!」と受付の輩が声を上げれば──

「「「うっす!」」」と、野太い輩達の時の声が建物を震わせる。

「あ~……この事は他言してないよな?」俺は受付の輩に聞くと

「もちろんでさぁ!あねさんからきつ~く言われてます!」

ニヤッと人を殺せそうな笑顔を浮かべ「旦那は心配しないでくだせえ!」と背中をバシバシ叩いてくる──正直かなり痛い。


「それじゃ、済まないがアンジュに用があるんだが…通してもらってもいいか?」と聞けば二つ返事で奥へと通してくれる。

俺は頭の中のアンジュのマーカーを頼りに建物内を進み

アンジュの部屋をノックする──コンコンッ

「あいよ~」というアンジュの返事に、「俺だ。」と一言。
「ああ、雷斗の旦那か!入って構わないぜ!」と言われて入室


「どうした?突っ立ってないで座れよ!」と促された気がするが…俺はアンジュの格好に意識を奪われそれどころではない。

《入れと言って下着姿を見せ付けるとは……この女!侮れませんね!しかも雷斗さん!目線が胸で釘付けですよ!あの胸がいいんですか!揉みたいんですか!鷲掴みたいんですかぁぁ!》

(だあぁ!うるさいですよ!べべべっべつにぃ!揉みたいなんてこれっぽっちも思ってないですよ!断じて!)

《えー……雷斗さんはおっぱい星人だからな~今だって脳内では揉んで喘がせてるじゃないですか~》

(なっ!脳内でも揉んでない!いい加減なこと言わないでお願いだから!───ってか俺の呼び方……)

《なんかみんな雷斗って呼んでるからいいな~と思いまして……》

(まぁいいですよ、そっちの方が親密感でますしね。)

《ふふっありがとうございます“雷斗さん”》

はっ!脳内会議をしている場合じゃない!アンジュは!

と眼を左右に振りアンジュを探すと、既に服を着替え終え、椅子に座って俺が座るのを待っていた。

《仕舞われちゃって残念でしたね!ふふふっ》

(別になんとも思ってねーからな!勘違いすんなよなっ!)

俺は女神さまに脳内で注意して椅子に座る。



「今日来たのはなにか新しい情報がないか?ってのと、先日の一件のお礼がまだだったからな。一緒に出掛けようと誘いに来たっていう2つの用事だな。」
で、どうだ?と俺が俺が聞くと──

「そうさね、とりあえずお礼ってのはこの間のドレスの話か?それなら是非その好意は受けとりたいね!───んで情報の件だが……」と声を潜めて

「最近この街の用水路で変死体が見つかってね……どうやらそいつが旦那が追っていた馬車の持ち主らしい。」

《なるほど、口封じってやつですね。》(ああ。)

「んで、そいつが溺死だったらそもそも変死体とは言わないだろ?」というアンジュに「それもそうだな」と答える俺

「そいつは体を所々喰われててね、それが致命傷になった。そして何者かによって用水路へと流された──という訳なんだ。」

──なるほど

「一体どいつが殺ったのか……今はうちの若いのが探りを入れている所でね。情報はそれ以外にはないんだ。」済まないね……と肩を落とすアンジュに「いや、わざわざ調べてくれてありがとう」と礼を言う。

「よし、暗い話はここで打ち切ってレナート服店へ行こう!」
と俺は立ち上がりアンジュの手を取る「だっ旦那!?」と慌てるアンジュへ「レナートの店ならきっとアンジュに似合うドレスを作ってくれるはずさ!」と手を引っ張り俺達は走り出した。



そして────



「なぁ雷斗の旦那……」俺の目の前には愛らしいドレスを着せられたアンジュが──顔から首どころか全身を真っ赤に染めてプルプルしている。

「なんだいアンジュ、プルプルして……さてはトイレだな?」

「違いますよ!そんな訳ないだろ!解ってて言ってるよな!?」

アンジュは俺の会心のボケに湯気が出ているんじゃないかと錯覚させるほど顔を真っ赤に染め抗議の声をあげる。

「さぁ……何の事かさっぱり?なぁレナート?」

「そうですねえ、私にもさっぱりわかりません。」

とレナートと結託し二人して肩を竦めるポーズ。



「あたいのドレスが似合わないだろって言ってんの!なに知らん顔してんだよ!こんなフリフリ!あたいには無理だよ!!」

はぁはぁ……と息を切らせながら叫ぶアンジュだが──その見た目は色とりどりのカラフルなドレス。胸元はU字形にカットされ、豊満な胸の谷間を下品にならない程度見せ、それでいて全身のバランスを多少スッキリして見えるよう細工が施されている。

更に特筆すべきは腰から伸びるふわふわのフレアスカート!
このスカートは横にふわっと広がり、風が吹けばスカートに付いたフリルが揺れ、更にスカートの股下の方は薄手の生地を仕様しているのか健康的な太ももが透けて見える。

最後に腰には大きなリボンが巻かれ、ここを引っぱって!私の全てを見て!と言わんばかり…是非引っ張ってひん剥きたい!!

はぁはぁ……レナート、君はなんて素晴らしい仕事をするんだ!

はっ!あまりにもの出来事にトリップしてしまった!

「なにを言ってるんだアンジュ!!」

「へっ!?」

「君は自分の魅力が解ってない!その赤い髪は綺麗で艶があり、強気な心を象徴するようなつり目は愛らしく、その豊満な胸は母性を感じさせる!まさに現代に甦った聖女!そして極めつけはそのプリッとした太ももだ!押せば跳ね返されるそのパンパンに膨れた弾力は胸の大きさ以上の魅力なんだよ!」

「は……はぁ……」

俺の熱弁にアンジュはなんと答えたらいいか解らない様子

「お見事です雷斗さん。アンジュさんの魅力をそこまで理解されていたとは!」とレナートの絶賛に俺も答える。

「レナートも俺が感じていたアンジュの魅力を十分──いや、十二分に発揮させてくれている!まさに最高のコーディネーターだ!」と褒め称え

二人は熱い握手を交わした!!

「あの~……あたいの意見は……」

「「勿論通らない!!」」

「アンジュ……素敵だよ」と俺はアンジュの体を抱き寄せ──

《いい加減に冷静に戻った方がよろしいですよ?》ゴゴゴゴゴっと背景に書いてありそうな女神さまの声にビクッとなり──

《雷斗さん、熱意は認めますが…同じ女性としてあの誉められ方は正直気持ち悪いだけで嬉しくはありません。アンジュさんをよく見て下さい。》と言われてアンジュを見れば──

(顔が真っ赤に染まってタコみたいだな……)

《ああ、すいません。私の雷斗さんに対する好感度が駄々下がりしただけで、別にアンジュさんは下がってませんね。むしろ上がってますね……残念ですが……》はぁぁ……と女神さまはため息一つ。

《こうなると、どっかの宿に連れ込んで責任取るしかないですよ!ここまで女性をその気にさせといて何もしないなんて許されませんよ!?連れ込みましょう!今すぐに!!》

(あの、少し冷静になってください……)

《さぁ!はよ!はよ!ベッドイーーーン!》

(黙らんかい!このエロ女神さまが!!出刃亀されてんのわかってて誰が深夜のスポーツ大会するんじゃい!!)

《ふふっいつもの雷斗さんに戻りましたね。》と笑う女神さま。

ちっ、そういうことか。一本取られたな。

俺は抱き寄せたアンジュへ声をかける。

「まぁ、なんだ。とにかく似合ってて可愛くて俺好みだから、そのドレスはアンジュに着て欲しい。」ダメかな?──と。

「あの……はい……旦那の好きなあたいに……その……して?」と潤んだ瞳で上目遣いに俺を見るアンジュ。
そして二人はどちらからか眼を瞑り顔を寄せ──

「げふんごふん!」

「「はっ!」」

「いい雰囲気の処すいませんが、二人とも…そういうのは服屋ではなく、宿か屋敷の寝室でお願いします。」
とレナートを見ればコメカミがピクピクッ!てしてる。

「「すいませんでしたーー!」」

俺とアンジュの二人は頭を勢いよく下げ、ドレスを買いレナートの店を後にした───




───────────────


次回予告!

アンジュを喫茶店へと連れ込みイチャラブ?
そこにミレーヌが現れ雷斗を折檻プレイ!

次回 ミレーヌ新な目覚め!

ご期待ください!
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