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第5章
5 - 6 キャバリエのロデュウvs訓練生筆頭ユリアン
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その後も俺とバルトロの剣戟は続き、俺は幾度となくバルトロの剣を破壊するも──
「無駄だというのがわからんか!」
叫ぶバルトロの剣は瞬時に元の姿に戻る
しかもこのバルトロという男の身体能力は普通の人間とは比較出来ない程に高く、俺の得意とする接近戦を簡単に許してくれない
さらにゴキゲンな事に奴の鎧は俺の魔法を無効化してくるのだ!接触した物を砂へと代える【サンドストーム】すら奴の鎧に触れるやパラパラと地に落ちるだけという始末
魔法戦士が魔法を封じられたらただの戦士じゃないか!
と内心で毒づきつつも剣戟は次第に速度を増して行った──
「やりおるやりおる!今の我は今生で最高に気が高まっておるわ!」
「うるせえぞおっさん!お前といつまでも遊んでいる場合じゃねーんだよ!」
俺は叫ぶと「【エンチャント】【トルネイド】」と正清に風の魔法を付与し、バルトロ目掛けて身を低くして一足飛びに懐へと滑り込み
「いけぇぇぇぇぇぇ!」
ブォン!──と唸りを上げて下段から切り上げる正清をバルトロは「甘い!」と全力で上段からの切り下ろしで受け止めるが──
正清に付与された風の魔法が正清に更なる力を与え、バルトロを空高く打ち上げる!
「バカな!う…うぉぉぉぉぉ!」
叫びを上げ、上空へと錐揉み状態で上昇していくバルトロ目掛けて俺は【フライ】で追いかけ追い抜く!
「対策が不十分だったな!これが!俺の乾坤一擲の一撃だ!」
上空からいまだに錐揉みし続けるバルトロ目掛けて急降下しバルトロの頭部目掛けて正清を振り下ろす!
「ちぇぇすとぉぉぉぉぉぉ!」
脳天に振り下ろされる正清をなんとか剣で受け止めるも空中のため力が入らず、バルトロは俺の振り下ろしに徐々に押し込まれていく
「お…おぉぉぉぉぉ!」
最後まで抵抗を見せるバルトロだったが──
着地と同時にバキャッ!と全身の骨が砕け、バキッン!と最後まで抵抗していた剣が折れ──
「しぶとい奴だったぜ…」
バルトロは脳天からの幹竹割りに胴体を真っ二つに切断され、息絶えたのだった──
「念には念を入れて…【サンドストーム】」とバルトロの肉体を砂へと変える
「バルトロが死んだというのに剣は元に戻るんだな…」
《その剣は恐らく雷斗さんの正清同様アーティファクトだと思われます》
(アーティファクト?)
《神々によって造り出された強力な武器ということですよ。でもこんな物はそうそう手に入る代物ではありません…この方の主という者は一体…》
(そう言えば主は神の使いとかなんとな言ってたな…)
と今は談話している場合ではない!
ユリアン達新兵やヨハンの所の冒険者が心配だ!
俺は「【フライ】」と念じて後方の門へと急行する!
時は少々遡り──
「大佐殿が我々訓練生にチャンスを与えて下さった!今こそ我々を鍛えぬいて下さった大佐殿に報いる時ぞ!俺に続けぇぇぇぇぇ!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉ!」」」」
ユリアンの口上に鼓舞された訓練生達は門を出ると眼前に待ち構える魔物目掛けて乾坤一擲の突撃を敢行
たった100人足らずの突撃に魔物の前衛は総崩れを起こす
そう彼等は気付いてはいなかったのだ…
訓練によって傷付いた体は…建物全体に張り巡らせた【リカバリー】によって肉体は超回復・超再生を繰り返し…
今や肉体言語で語る相手を探すことが困難な程の能力を手に入れていた事に…
振るわれる剣は大地を砕き、伸ばした拳は空を裂く
最早並の魔物程度では相手になるわけもなく
「うぉぉぉぉぉ!ぜりゃぁぁぁぁぁ!」
ユリアンの雄叫びをあげ魔物を掴んでジャイアントスイング!
そこには雷斗顔負けのバイオレンスが吹き荒れていた──
後衛のゴーレムからは見方を巻き込むのもお構い無しに大弓の矢が飛来するも──
「大佐殿の雷のような攻撃に比べれば!」
と回避したり、魔物を盾にして防いだりと直撃を受ける者など一人も居ない
ついには中衛のケンタウルスが所持していた大斧や槍を奪い取ってはゴーレム目掛けて突出し岩の塊であるはずのゴーレムを豆腐でも叩くかのように潰して回る
「貴様らの力はその程度か!悔しかったら根性見せろ!このチンカスどもが!」
と焚き付けながら蹂躙する始末
この光景を見ていた城壁の兵士は後にこう語った──
『どっちが魔物かわからなかった…』
『吹き飛ぶ魔物達に同情してしまった…』
『ここは修羅がひしめく街になってしまった』
と───
「おらぁ!もう終わりか!」ユリアンは獲物を血眼になって探すも既に魔物達は壊走し、残った物は魔物の死体と無事な仲間達
「大佐殿!我々は勝利しましたぁ!」
「「「「うぉぉぉぉぉ!」」」」
勝鬨を上げるユリアン達一同に突然空を裂いて近付く音が耳に届く──
「あぶねっ!」飛来した何かをギリギリの所でかわして──ガキィン!と甲高い音を立てて大地に突き立った物を見れば──
「槍…だと…」とユリアンは槍を見て呟くと、そこに背後から声がかかる
「よく避けられたものだ…」
ユリアンは声のする方へと顔を向けると、そこには巨大な馬に乗った戦士が居た
「何者だ!」
ユリアンの叫びに男は口角を吊り上げ
「俺は主よりキャバリエの称号を受けし者…ロデュウ」
馬に乗った男…ロデュウは名乗ると「はぁ!」と馬を走らせ突き立った槍を抜く
「主の命により…これより貴様ら雑兵を一網打尽にする…はいやぁ!」
巨馬はロデュウの意思を汲み取りユリアン達訓練生目掛けて突進──
その突撃を受けた訓練生達は吹き飛び、または踏み砕かれと…瞬く間にその数を減らす──
「先程の威勢はどうしたのか…魔物相手に少々はしゃいでしまったか?まるで子供のようだぞ?」
とロデュウは口元を歪め皮肉たっぷりにユリアン達を嘲り笑う
「くそ!ここは隊長の俺が引き受ける!皆は冒険者ギルドの防衛ラインへ回ってくれ!」
叫び指示を出すユリアン
「しかし…」と食い下がる他のメンバーに
「じきに大佐殿が駆けつけてくれるはず!幸いここは魔物の脅威はなくなった!他のエリアの魔物も急いで討伐せねばならない!街へ侵入を許すわけには行かないだろ!」
「チッ!わかったぜ!死ぬなよ!ユリアン」
ユリアンの説得に生き残った訓練生が別の防衛ラインへと走る
そこへ…「行かせると思うか?」とロデュウは走り去る訓練生達目掛けて槍を抱えて投擲する!
ユリアンはそれを全力で受け止めると明後日の方向へと投げ飛ばす
「くそっ…痛てぇ…」
「ほぅ…一人残っただけはある…という事か…良かろう!俺を楽しませてみろ!はぁ!」
ロデュウは叫ぶと巨馬を走らせユリアンへと向かい…手にはいつの間にか別の槍を持っている
「うおおおお!」
ガキィン!
ユリアンはロデュウから奪った槍を使い、突かれる槍を弾き返す
最初の方こそ互角に渡り合っていたユリアンだったが…高速に駆ける馬の上から繰り出される槍に徐々に劣勢へと追い込まれていく
「くく…どうした?やはり口だけか?」と馬上から槍を振るうロデュウの顔に感情はなく、ただ獲物を追い詰める狩人の様にユリアンを追い詰める
「く…ぬ…」とユリアンは槍を捌くのに手一杯…そしてついにユリアンは槍を弾かれてしまう
「これで終わりだ…」ロデュウは槍を無くして隙だらけのユリアンの腹に槍を突き立てた──
ロデュウがズルリと槍を抜くと、支えを失ったユリアンは膝からその場に崩れ落ち…
そこで意識を手離した───
「無駄だというのがわからんか!」
叫ぶバルトロの剣は瞬時に元の姿に戻る
しかもこのバルトロという男の身体能力は普通の人間とは比較出来ない程に高く、俺の得意とする接近戦を簡単に許してくれない
さらにゴキゲンな事に奴の鎧は俺の魔法を無効化してくるのだ!接触した物を砂へと代える【サンドストーム】すら奴の鎧に触れるやパラパラと地に落ちるだけという始末
魔法戦士が魔法を封じられたらただの戦士じゃないか!
と内心で毒づきつつも剣戟は次第に速度を増して行った──
「やりおるやりおる!今の我は今生で最高に気が高まっておるわ!」
「うるせえぞおっさん!お前といつまでも遊んでいる場合じゃねーんだよ!」
俺は叫ぶと「【エンチャント】【トルネイド】」と正清に風の魔法を付与し、バルトロ目掛けて身を低くして一足飛びに懐へと滑り込み
「いけぇぇぇぇぇぇ!」
ブォン!──と唸りを上げて下段から切り上げる正清をバルトロは「甘い!」と全力で上段からの切り下ろしで受け止めるが──
正清に付与された風の魔法が正清に更なる力を与え、バルトロを空高く打ち上げる!
「バカな!う…うぉぉぉぉぉ!」
叫びを上げ、上空へと錐揉み状態で上昇していくバルトロ目掛けて俺は【フライ】で追いかけ追い抜く!
「対策が不十分だったな!これが!俺の乾坤一擲の一撃だ!」
上空からいまだに錐揉みし続けるバルトロ目掛けて急降下しバルトロの頭部目掛けて正清を振り下ろす!
「ちぇぇすとぉぉぉぉぉぉ!」
脳天に振り下ろされる正清をなんとか剣で受け止めるも空中のため力が入らず、バルトロは俺の振り下ろしに徐々に押し込まれていく
「お…おぉぉぉぉぉ!」
最後まで抵抗を見せるバルトロだったが──
着地と同時にバキャッ!と全身の骨が砕け、バキッン!と最後まで抵抗していた剣が折れ──
「しぶとい奴だったぜ…」
バルトロは脳天からの幹竹割りに胴体を真っ二つに切断され、息絶えたのだった──
「念には念を入れて…【サンドストーム】」とバルトロの肉体を砂へと変える
「バルトロが死んだというのに剣は元に戻るんだな…」
《その剣は恐らく雷斗さんの正清同様アーティファクトだと思われます》
(アーティファクト?)
《神々によって造り出された強力な武器ということですよ。でもこんな物はそうそう手に入る代物ではありません…この方の主という者は一体…》
(そう言えば主は神の使いとかなんとな言ってたな…)
と今は談話している場合ではない!
ユリアン達新兵やヨハンの所の冒険者が心配だ!
俺は「【フライ】」と念じて後方の門へと急行する!
時は少々遡り──
「大佐殿が我々訓練生にチャンスを与えて下さった!今こそ我々を鍛えぬいて下さった大佐殿に報いる時ぞ!俺に続けぇぇぇぇぇ!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉ!」」」」
ユリアンの口上に鼓舞された訓練生達は門を出ると眼前に待ち構える魔物目掛けて乾坤一擲の突撃を敢行
たった100人足らずの突撃に魔物の前衛は総崩れを起こす
そう彼等は気付いてはいなかったのだ…
訓練によって傷付いた体は…建物全体に張り巡らせた【リカバリー】によって肉体は超回復・超再生を繰り返し…
今や肉体言語で語る相手を探すことが困難な程の能力を手に入れていた事に…
振るわれる剣は大地を砕き、伸ばした拳は空を裂く
最早並の魔物程度では相手になるわけもなく
「うぉぉぉぉぉ!ぜりゃぁぁぁぁぁ!」
ユリアンの雄叫びをあげ魔物を掴んでジャイアントスイング!
そこには雷斗顔負けのバイオレンスが吹き荒れていた──
後衛のゴーレムからは見方を巻き込むのもお構い無しに大弓の矢が飛来するも──
「大佐殿の雷のような攻撃に比べれば!」
と回避したり、魔物を盾にして防いだりと直撃を受ける者など一人も居ない
ついには中衛のケンタウルスが所持していた大斧や槍を奪い取ってはゴーレム目掛けて突出し岩の塊であるはずのゴーレムを豆腐でも叩くかのように潰して回る
「貴様らの力はその程度か!悔しかったら根性見せろ!このチンカスどもが!」
と焚き付けながら蹂躙する始末
この光景を見ていた城壁の兵士は後にこう語った──
『どっちが魔物かわからなかった…』
『吹き飛ぶ魔物達に同情してしまった…』
『ここは修羅がひしめく街になってしまった』
と───
「おらぁ!もう終わりか!」ユリアンは獲物を血眼になって探すも既に魔物達は壊走し、残った物は魔物の死体と無事な仲間達
「大佐殿!我々は勝利しましたぁ!」
「「「「うぉぉぉぉぉ!」」」」
勝鬨を上げるユリアン達一同に突然空を裂いて近付く音が耳に届く──
「あぶねっ!」飛来した何かをギリギリの所でかわして──ガキィン!と甲高い音を立てて大地に突き立った物を見れば──
「槍…だと…」とユリアンは槍を見て呟くと、そこに背後から声がかかる
「よく避けられたものだ…」
ユリアンは声のする方へと顔を向けると、そこには巨大な馬に乗った戦士が居た
「何者だ!」
ユリアンの叫びに男は口角を吊り上げ
「俺は主よりキャバリエの称号を受けし者…ロデュウ」
馬に乗った男…ロデュウは名乗ると「はぁ!」と馬を走らせ突き立った槍を抜く
「主の命により…これより貴様ら雑兵を一網打尽にする…はいやぁ!」
巨馬はロデュウの意思を汲み取りユリアン達訓練生目掛けて突進──
その突撃を受けた訓練生達は吹き飛び、または踏み砕かれと…瞬く間にその数を減らす──
「先程の威勢はどうしたのか…魔物相手に少々はしゃいでしまったか?まるで子供のようだぞ?」
とロデュウは口元を歪め皮肉たっぷりにユリアン達を嘲り笑う
「くそ!ここは隊長の俺が引き受ける!皆は冒険者ギルドの防衛ラインへ回ってくれ!」
叫び指示を出すユリアン
「しかし…」と食い下がる他のメンバーに
「じきに大佐殿が駆けつけてくれるはず!幸いここは魔物の脅威はなくなった!他のエリアの魔物も急いで討伐せねばならない!街へ侵入を許すわけには行かないだろ!」
「チッ!わかったぜ!死ぬなよ!ユリアン」
ユリアンの説得に生き残った訓練生が別の防衛ラインへと走る
そこへ…「行かせると思うか?」とロデュウは走り去る訓練生達目掛けて槍を抱えて投擲する!
ユリアンはそれを全力で受け止めると明後日の方向へと投げ飛ばす
「くそっ…痛てぇ…」
「ほぅ…一人残っただけはある…という事か…良かろう!俺を楽しませてみろ!はぁ!」
ロデュウは叫ぶと巨馬を走らせユリアンへと向かい…手にはいつの間にか別の槍を持っている
「うおおおお!」
ガキィン!
ユリアンはロデュウから奪った槍を使い、突かれる槍を弾き返す
最初の方こそ互角に渡り合っていたユリアンだったが…高速に駆ける馬の上から繰り出される槍に徐々に劣勢へと追い込まれていく
「くく…どうした?やはり口だけか?」と馬上から槍を振るうロデュウの顔に感情はなく、ただ獲物を追い詰める狩人の様にユリアンを追い詰める
「く…ぬ…」とユリアンは槍を捌くのに手一杯…そしてついにユリアンは槍を弾かれてしまう
「これで終わりだ…」ロデュウは槍を無くして隙だらけのユリアンの腹に槍を突き立てた──
ロデュウがズルリと槍を抜くと、支えを失ったユリアンは膝からその場に崩れ落ち…
そこで意識を手離した───
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