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朝、相変わらず俺は佳子ちゃんと手を繋いで登校。
すると、校門付近の横に黒い高級車が停まっていた。
ガチャリと車のドアが開き、中から出てきたのは一人の美幼女。
長く琥珀色の髪の毛は光に反射して透き通っているように見える。
ツンと吊り上がった眼の中には茶色の瞳が嵌っている。そのタイガーアイのような輝きは意志の強さを感じさせる。
そして細く伸びた鼻梁にぷっくらとしった唇がアクセントになっていて、彼女の美貌を一層高めているのがわかる。
そう、車から降りて来たのは十条雫。
彼女は俺を発見すると、大輪の華を咲かせたような笑顔を俺に向けて手を振っている。
ゲーム内の彼女に笑顔で接してもらうには一定の好感度と限定イベント(泣いている十条雫を慰める)をこなさねばならない。
ちなみに限定イベントとは、時間限定で出現し、他のヒロインのイベントと被る。
つまり、うっかり他のヒロインのイベントを見ていると、彼女を攻略出来ない仕様なのだ。
そしてそのイベントは選択肢によって罠化しており、愛友ユーザーの尽くを血祭りにあげた屈指のクソイベントだ。
そして昨日、俺は彼女に失敗の選択肢【頭ポンポン】をしたはずなのだが……ゲームでは怒られて好感度が下がるはずなのに、怒られる処か懐かれてしまっていた。
一日寝れば彼女も元に戻って居るだろうと思ったのだが……どうやらそのままらしい。
「ゆーやさま!おは、おはようごじゃりましゅ!」
「おはよう雫ちゃん」
カミカミの雫ちゃんと挨拶を交わす。すると雫ちゃんは俺と佳子ちゃんを交互に見て……俺の空いているもう片方の手を取る。
「わたしも……てて、てぉ……ぃっ……ょ……」
言葉尻窄みに小さくなっていく。
誰だよこの可愛い子!昨日から俺の中の十条雫の株価は高騰しっぱなしだよ!
俺は目の前で赤くなっている雫ちゃんの手をそっと取り「いいよ!一緒に行こ!」と優しく微笑んだ。
佳子ちゃん!痛い!痛いよ!「むぅぅ~」とか唸ってないで握った手に力を込めるの止めなさい!潰れちゃうから!
俺はなんとか痛みに耐えつつ、なんとか校門を潜って下駄箱に辿り着いた。
(ふぅ……手が真っ赤になってるよ……佳子、恐ろしい子!)
そして授業の時間……
音楽の授業
(ピアニカ懐かしい!)
俺は先生が来る前なら弾いててもいいよね?とケースからピアニカを取り出すと、ホースを取り付け、先端を口に含むと空気を送りながら鍵盤を叩く。
演奏する曲は迷探偵五男のテーマ。
迷探偵五男とは過去にやっていたアニメで貴族の五男が身辺で毎回起こる事件に尽く首を突っ込んでは事件を撹乱し、その全てを迷宮入りにしてしまうというヘッポコアニメである。
そんなヘッポコアニメだが、某マトメサイトでは大人気。
安定のヘッポコw
このつまらなさが癖になる!
真実はいつも一つとは限らない!(迷宮
逆に面白いwww
等など、不味い!もう一杯!と同様に訓練されて麻痺したアニメユーザーが多数いる。
因みに、このゲームではスポンサーが同じだったらしく、迷探偵五男ザ•ファーストというタイトルで紹介されていた。
そんなアニメのテーマソングを俺はホースを口に咥え、ピアニカの鍵盤を両手で激しく乱打する。
タラタラタラタラ~タン♪
(ふぅ……思わず最後まで演奏してしまった)
やり切った俺は満足してピアニカから顔をあげた。すると──
(おや?)
先生が来るのを待つ中、子供たちの喧騒に包まれていた教室はいつの間にかシンと静まり返っていた。
周囲を見渡すとクラス中の皆の視線が俺に集まっている事に気が付いた。
(しまった。やり過ぎたかな?)
いつの間にか先生も来ていて、俺の事をじぃっと見ていた。
俺は立ち上がって一礼すると、そっとピアニカをしまい音楽の教科書を机に出した。
俺を見つめていた先生は「ふぅ……」と軽くため息を吐くと授業を始めたのでした。
そして音楽の授業が終わると佳子ちゃんがキラキラした目をして突っ込んで来た。
「ゆぅくんゆぅくん!さっきの、めーたんてーごなん?」
「う……うん。佳子ちゃん知ってたんだ?」
このゲームでも設定での表記はあったし、知っててもおかしくはないかと思ったのだが、続く佳子ちゃんの言葉に俺に衝撃が走る!
「まいしゅーみてるよ!」
(なん……だと?!)
「え?毎週?何曜の何時にやってるの?」
「すいよーのよるひちじ!よんばんだよ!」
どうやらこの世界では普通に放送しているらしい。しかも一丁前にゴールデンの時間だ。
前世では俺も調教された口で、毎週あのつまらなさを楽しみに見ていたものだ……だが──
「あぁ……俺、その時間はドラゴンボーズ見てる時間だ」
そう、佳子ちゃんに教えてもらった時間だが、俺はその時間は別番組を見ているのだ。
ゲーム内のヒロインの一人が重度のドラゴンボーズファンで、彼女に出逢うには【ドラゴンボーズを規定回数視聴する】という条件を満たさないとならない。
その為に、俺は今からせっせとドラゴンボーズを見ているのである。
そんな事など知らない佳子ちゃんは頬を膨らませて抗議を始めた。
「えええ?!あんなおぼうさんのなんておもしろくないよぉ」
「なっ!なんだとぉ!あのお坊さんが必死にブリーチと戦うシーンとか最高に面白いじゃない!」
『ツルリンをよくも!』
『ホッホッホッ。貴方も茶髪にしてさしあげますよ?』
からの次週が楽しみで仕方ないというのに!
え?仕方なく見てたんじゃないのかって?
気が付いたらハマッてたんだよ!文句あるか?!
結局、佳子ちゃんとは分かり合えなかった。
そして隣で静かにしていた雫ちゃんは……
「ゆーやさまはドラゴンボーズがすき……と」
誤解です。お願いだからメモしないでください。
すると、校門付近の横に黒い高級車が停まっていた。
ガチャリと車のドアが開き、中から出てきたのは一人の美幼女。
長く琥珀色の髪の毛は光に反射して透き通っているように見える。
ツンと吊り上がった眼の中には茶色の瞳が嵌っている。そのタイガーアイのような輝きは意志の強さを感じさせる。
そして細く伸びた鼻梁にぷっくらとしった唇がアクセントになっていて、彼女の美貌を一層高めているのがわかる。
そう、車から降りて来たのは十条雫。
彼女は俺を発見すると、大輪の華を咲かせたような笑顔を俺に向けて手を振っている。
ゲーム内の彼女に笑顔で接してもらうには一定の好感度と限定イベント(泣いている十条雫を慰める)をこなさねばならない。
ちなみに限定イベントとは、時間限定で出現し、他のヒロインのイベントと被る。
つまり、うっかり他のヒロインのイベントを見ていると、彼女を攻略出来ない仕様なのだ。
そしてそのイベントは選択肢によって罠化しており、愛友ユーザーの尽くを血祭りにあげた屈指のクソイベントだ。
そして昨日、俺は彼女に失敗の選択肢【頭ポンポン】をしたはずなのだが……ゲームでは怒られて好感度が下がるはずなのに、怒られる処か懐かれてしまっていた。
一日寝れば彼女も元に戻って居るだろうと思ったのだが……どうやらそのままらしい。
「ゆーやさま!おは、おはようごじゃりましゅ!」
「おはよう雫ちゃん」
カミカミの雫ちゃんと挨拶を交わす。すると雫ちゃんは俺と佳子ちゃんを交互に見て……俺の空いているもう片方の手を取る。
「わたしも……てて、てぉ……ぃっ……ょ……」
言葉尻窄みに小さくなっていく。
誰だよこの可愛い子!昨日から俺の中の十条雫の株価は高騰しっぱなしだよ!
俺は目の前で赤くなっている雫ちゃんの手をそっと取り「いいよ!一緒に行こ!」と優しく微笑んだ。
佳子ちゃん!痛い!痛いよ!「むぅぅ~」とか唸ってないで握った手に力を込めるの止めなさい!潰れちゃうから!
俺はなんとか痛みに耐えつつ、なんとか校門を潜って下駄箱に辿り着いた。
(ふぅ……手が真っ赤になってるよ……佳子、恐ろしい子!)
そして授業の時間……
音楽の授業
(ピアニカ懐かしい!)
俺は先生が来る前なら弾いててもいいよね?とケースからピアニカを取り出すと、ホースを取り付け、先端を口に含むと空気を送りながら鍵盤を叩く。
演奏する曲は迷探偵五男のテーマ。
迷探偵五男とは過去にやっていたアニメで貴族の五男が身辺で毎回起こる事件に尽く首を突っ込んでは事件を撹乱し、その全てを迷宮入りにしてしまうというヘッポコアニメである。
そんなヘッポコアニメだが、某マトメサイトでは大人気。
安定のヘッポコw
このつまらなさが癖になる!
真実はいつも一つとは限らない!(迷宮
逆に面白いwww
等など、不味い!もう一杯!と同様に訓練されて麻痺したアニメユーザーが多数いる。
因みに、このゲームではスポンサーが同じだったらしく、迷探偵五男ザ•ファーストというタイトルで紹介されていた。
そんなアニメのテーマソングを俺はホースを口に咥え、ピアニカの鍵盤を両手で激しく乱打する。
タラタラタラタラ~タン♪
(ふぅ……思わず最後まで演奏してしまった)
やり切った俺は満足してピアニカから顔をあげた。すると──
(おや?)
先生が来るのを待つ中、子供たちの喧騒に包まれていた教室はいつの間にかシンと静まり返っていた。
周囲を見渡すとクラス中の皆の視線が俺に集まっている事に気が付いた。
(しまった。やり過ぎたかな?)
いつの間にか先生も来ていて、俺の事をじぃっと見ていた。
俺は立ち上がって一礼すると、そっとピアニカをしまい音楽の教科書を机に出した。
俺を見つめていた先生は「ふぅ……」と軽くため息を吐くと授業を始めたのでした。
そして音楽の授業が終わると佳子ちゃんがキラキラした目をして突っ込んで来た。
「ゆぅくんゆぅくん!さっきの、めーたんてーごなん?」
「う……うん。佳子ちゃん知ってたんだ?」
このゲームでも設定での表記はあったし、知っててもおかしくはないかと思ったのだが、続く佳子ちゃんの言葉に俺に衝撃が走る!
「まいしゅーみてるよ!」
(なん……だと?!)
「え?毎週?何曜の何時にやってるの?」
「すいよーのよるひちじ!よんばんだよ!」
どうやらこの世界では普通に放送しているらしい。しかも一丁前にゴールデンの時間だ。
前世では俺も調教された口で、毎週あのつまらなさを楽しみに見ていたものだ……だが──
「あぁ……俺、その時間はドラゴンボーズ見てる時間だ」
そう、佳子ちゃんに教えてもらった時間だが、俺はその時間は別番組を見ているのだ。
ゲーム内のヒロインの一人が重度のドラゴンボーズファンで、彼女に出逢うには【ドラゴンボーズを規定回数視聴する】という条件を満たさないとならない。
その為に、俺は今からせっせとドラゴンボーズを見ているのである。
そんな事など知らない佳子ちゃんは頬を膨らませて抗議を始めた。
「えええ?!あんなおぼうさんのなんておもしろくないよぉ」
「なっ!なんだとぉ!あのお坊さんが必死にブリーチと戦うシーンとか最高に面白いじゃない!」
『ツルリンをよくも!』
『ホッホッホッ。貴方も茶髪にしてさしあげますよ?』
からの次週が楽しみで仕方ないというのに!
え?仕方なく見てたんじゃないのかって?
気が付いたらハマッてたんだよ!文句あるか?!
結局、佳子ちゃんとは分かり合えなかった。
そして隣で静かにしていた雫ちゃんは……
「ゆーやさまはドラゴンボーズがすき……と」
誤解です。お願いだからメモしないでください。
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