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夏休みも終わり、今は9月。
え?夏休みの描写がないぞ?毎日マラソンに筋トレと勉強しかしてなかったんだけど聞きたい?結構ですか。そうですか。
んで、9月に入って一週間がした頃。いわゆる2学期の始めの時期。
そこで事件が起こった。俺限定だが……
朝のホームルームの時間、クラス内は低学年特有のキャイキャイした騒がしさに包まれている中、教壇に立った担任の先生が[パンパン]と手を叩いて俺達生徒の注目を集める。
「はい。みんな静かに~。そう、静かにしてね~」
先生の静かにの言葉に、キャイキャイと騒がしかった教室内の子供達が徐々に口を閉じて背筋を伸ばし始める。
やがて全ての生徒が口を閉じた事を確認した担任の先生は
「はい。よく出来ました。みんな偉いですね~」
と、にこやかに俺達生徒を見て一つ頷くと言葉を続けた。
「今日は、みんなに新しい友達を紹介するね」
と一言告げると、担任の先生は教室の扉を開けた。
そこには一人の幼女が立っていた。
担任の先生に手を引かれて教室に入ってきた幼児は、ストロベリーブロンドの長い髪の毛を黄色のリボンで少しだけ結っていて、ストレートの中にポニーテールが混ざったような髪型だ。
顔を見ると、眉毛は緩やかなカーブを描き、少し下がった眦じりに宝石のような黒い瞳。
そして唇は薄桃色で、柔らかそうな笑顔の形を取っている。
その顔、そして髪型に髪色に、何処かで見た顔だなと軽いデジャヴを覚えた俺は、額に手を添えるて目を瞑って記憶をあさりだす。
しかし、そんな俺の努力は目の前の教壇に立った幼女の自己紹介によってあっさりと無駄に終わった。
「なんじょうしおりです!なかよくしてください!」
「あ?!」
俺はすぐさま顔を上げて彼女を見ようとしたが、余りにも慌てていたのか、机に着いていた肘をガタッ!と滑らせてしまい、真横にズッコケた。
「だいじょーぶ?ゆーやさま?」
横に座っていた雫ちゃんから心配そうな声が聞こえたが、その時の俺の耳には一切聞こえていなかった。
俺はノロノロと起き上がりながら、自己紹介した目の前の幼女……自称南條紫織を、文字通り穴が開くほど凝視する。
そして記憶の中、俺にゲームでも、リアルでもトドメを刺した高校生の姿の南條紫織と目の前にいる幼女を目蓋の奥で重ねる。
彼女の特徴、長い髪、ストロベリーブロンド、少し垂れた瞳、薄桃色の唇……目の前の幼女が、数年後にはゲームに登場した南條紫織と被って見え、俺は机の上で本格的に頭を抱えた。
(やべぇ!マジで南條紫織だぞ!)
彼女の出現条件は全ステータスが一定値を超えていること。ただその一点のみだが、それをクリアするのが難しく、果てしない検算の上、寸分も狂いなくステータスを上げれた場合にのみ出現する最高にレアなヒロインなのだが……
(俺はもうその条件を満たしている……という事でいいのか?)
俺が思考の海を彷徨っている中、担任の先生は着々と自分の仕事をこなしていく。
「南條さんは、名前順だから……ここかしら」
と俺から見て二列隣の後方に机を置いたが、勿論今の俺は思考の海に浸かっている為気が付いていない。
(仮に俺のステータスが条件を満たしたとして、こうやって唐突に転校してくるものなのか?……何か別の意思が働いているんじゃ?)
「ゆーやさま?ゆーやさま~?」
俺が未だに目を瞑っている事に、不審がったのか、雫ちゃんが横から手を伸ばして俺の体をゆっさゆっさと揺すってくる。
俺が目を開けて顔を向けると、雫ちゃんは「だいじょーぶですか?」と心配そうに俺を見ていた。
俺は全然大丈夫ではないが、心配させるのも悪いと思い、口で大丈夫と伝えて再び思考の海に潜る。
(俺のゲームとリアルを同時に壊した南條紫織か……そう言えば十条雫はこちらとゲームでは人格がまるで違うよな。であれば、南條紫織もまた別の人格だったりしないだろうか?……そう、例えば面食いじゃなかったり、馬鹿でも良かったり、運動音痴でもいい!……なんて好みが変わってたり……しないよな)
現状の俺を自己分析すると
体力=小学生平均以上
学力=高校生並
雑学=高校生並
魅力=不明
(うん。こんな雑魚っぽいステータスで南條紫織の攻略とかないわー。ゲームで鍛えた主人公の時ですら、かなりの回数振られてるし、リアルじゃハートキャッチされて脳の血管破裂してるし?……もう南條紫織は主人公君に任せて俺はそれ以外のヒロインに的を絞った方がいいよね!そもそも俺はモブだし!)
俺はそう決めると未来の主人公君に南條紫織だけは協力してやろう!と心に誓ったのだった。
え?夏休みの描写がないぞ?毎日マラソンに筋トレと勉強しかしてなかったんだけど聞きたい?結構ですか。そうですか。
んで、9月に入って一週間がした頃。いわゆる2学期の始めの時期。
そこで事件が起こった。俺限定だが……
朝のホームルームの時間、クラス内は低学年特有のキャイキャイした騒がしさに包まれている中、教壇に立った担任の先生が[パンパン]と手を叩いて俺達生徒の注目を集める。
「はい。みんな静かに~。そう、静かにしてね~」
先生の静かにの言葉に、キャイキャイと騒がしかった教室内の子供達が徐々に口を閉じて背筋を伸ばし始める。
やがて全ての生徒が口を閉じた事を確認した担任の先生は
「はい。よく出来ました。みんな偉いですね~」
と、にこやかに俺達生徒を見て一つ頷くと言葉を続けた。
「今日は、みんなに新しい友達を紹介するね」
と一言告げると、担任の先生は教室の扉を開けた。
そこには一人の幼女が立っていた。
担任の先生に手を引かれて教室に入ってきた幼児は、ストロベリーブロンドの長い髪の毛を黄色のリボンで少しだけ結っていて、ストレートの中にポニーテールが混ざったような髪型だ。
顔を見ると、眉毛は緩やかなカーブを描き、少し下がった眦じりに宝石のような黒い瞳。
そして唇は薄桃色で、柔らかそうな笑顔の形を取っている。
その顔、そして髪型に髪色に、何処かで見た顔だなと軽いデジャヴを覚えた俺は、額に手を添えるて目を瞑って記憶をあさりだす。
しかし、そんな俺の努力は目の前の教壇に立った幼女の自己紹介によってあっさりと無駄に終わった。
「なんじょうしおりです!なかよくしてください!」
「あ?!」
俺はすぐさま顔を上げて彼女を見ようとしたが、余りにも慌てていたのか、机に着いていた肘をガタッ!と滑らせてしまい、真横にズッコケた。
「だいじょーぶ?ゆーやさま?」
横に座っていた雫ちゃんから心配そうな声が聞こえたが、その時の俺の耳には一切聞こえていなかった。
俺はノロノロと起き上がりながら、自己紹介した目の前の幼女……自称南條紫織を、文字通り穴が開くほど凝視する。
そして記憶の中、俺にゲームでも、リアルでもトドメを刺した高校生の姿の南條紫織と目の前にいる幼女を目蓋の奥で重ねる。
彼女の特徴、長い髪、ストロベリーブロンド、少し垂れた瞳、薄桃色の唇……目の前の幼女が、数年後にはゲームに登場した南條紫織と被って見え、俺は机の上で本格的に頭を抱えた。
(やべぇ!マジで南條紫織だぞ!)
彼女の出現条件は全ステータスが一定値を超えていること。ただその一点のみだが、それをクリアするのが難しく、果てしない検算の上、寸分も狂いなくステータスを上げれた場合にのみ出現する最高にレアなヒロインなのだが……
(俺はもうその条件を満たしている……という事でいいのか?)
俺が思考の海を彷徨っている中、担任の先生は着々と自分の仕事をこなしていく。
「南條さんは、名前順だから……ここかしら」
と俺から見て二列隣の後方に机を置いたが、勿論今の俺は思考の海に浸かっている為気が付いていない。
(仮に俺のステータスが条件を満たしたとして、こうやって唐突に転校してくるものなのか?……何か別の意思が働いているんじゃ?)
「ゆーやさま?ゆーやさま~?」
俺が未だに目を瞑っている事に、不審がったのか、雫ちゃんが横から手を伸ばして俺の体をゆっさゆっさと揺すってくる。
俺が目を開けて顔を向けると、雫ちゃんは「だいじょーぶですか?」と心配そうに俺を見ていた。
俺は全然大丈夫ではないが、心配させるのも悪いと思い、口で大丈夫と伝えて再び思考の海に潜る。
(俺のゲームとリアルを同時に壊した南條紫織か……そう言えば十条雫はこちらとゲームでは人格がまるで違うよな。であれば、南條紫織もまた別の人格だったりしないだろうか?……そう、例えば面食いじゃなかったり、馬鹿でも良かったり、運動音痴でもいい!……なんて好みが変わってたり……しないよな)
現状の俺を自己分析すると
体力=小学生平均以上
学力=高校生並
雑学=高校生並
魅力=不明
(うん。こんな雑魚っぽいステータスで南條紫織の攻略とかないわー。ゲームで鍛えた主人公の時ですら、かなりの回数振られてるし、リアルじゃハートキャッチされて脳の血管破裂してるし?……もう南條紫織は主人公君に任せて俺はそれ以外のヒロインに的を絞った方がいいよね!そもそも俺はモブだし!)
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