とら×とら

篠瀬白子

文字の大きさ
21 / 82

玲央side

しおりを挟む


*玲央side**


「お兄ちゃん、お兄ちゃん」


いつものようにまとわりつく、子供特有の高い声でアイツが俺を呼ぶ。
顔を殴れば目立ってしまうと悟って、俺はやつの背中や腹を殴ったり蹴ったりしていた。
必死に手を伸ばしてくるアイツの服の下は、誰かが思う以上に酷いことになっているだろう。


「お兄ちゃん」
「……ついてくんな」


舌打ちをして少し早く進めば、やつは「待って」と言いながら必死に追いかけてくる。
角を曲がる。足が進む。少しして、止まって振り返った。


「……」


角の向こうからやつは現れない。諦めたのか、やっと。
どこかでそう安堵しているくせに、俺の足は動かない。


「お兄ちゃんっ」


ひょっこりと、角の向こうからやつが現れた。同時に舌打ちがこぼれる。
すぐ前を向いて歩き出せば、またやつは「お兄ちゃん、お兄ちゃん」とひたすらに俺を呼び、ひたすらに俺のあとを追った。

ハッと息が漏れる。それが一体どんな心情から漏れたのか、今の俺には分からない。

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...