不幸つき異世界生活

長岡伸馬

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 魔法の講習を受けたことで、取り敢えず魔法は使えるようになった。あとは練習あるのみだ。
 だが、何処で練習してもいいという訳ではない。他人に迷惑を掛けない場所でないとトラブルの元だ。
 練習場所として最適なのは冒険者ギルドの練習場だけど、冒険者ギルドの練習場だとブルータスが魔法を使っているところを見られてしまう。ブルータスが魔物であることはギルドマスターに伝言を頼んでいる段階なので、穏便に処理してくれるまではあまり人に知られない方がいい。
 そんな訳で、魔法は街を出て人気の無い場所で練習しようと思った。



 取り敢えず、やって来たのはいつも不幸ゲージを消費している人気の無い草原。ここならよっぽど強力な魔法でも使わない限り人の目に触れることはないはずだ。
 俺は早速魔法の練習を開始した。
 最初は無属性の魔法から。
 体内で魔力を練り上げ、それを体の外に放出しつつ塊になるように意識する。そして、その魔力の塊を飛ばすのだ。
 放出系魔法の基礎ともいえるこの魔法。これさえ出来れば他の放出系魔法は問題無く出来るだろう。属性を与えるのはイメージ次第でどうとでもなるからね。
 それからはひたすら反復練習。
 一応、もし人が来た時に誤って魔法を当ててしまうことがないように地面に向けて放っていたんだけど、思い通りに使えるようになる頃には直径十メートルくらいのクレーター状の穴が出来ていた。

「流石に放置はまずいかな。埋めとこ」

 俺は体内で魔力を練り上げた後、目の前の穴を土で埋めるイメージで魔法を発動する。

「うん。これでいいな」

 俺が出した土砂であっという間に埋まる穴。
 漫画やアニメを見て育った影響か、魔法をイメージすることは割と簡単だ。
 体内で魔力を練り上げたりすることよりもずっと楽に出来た。

「さてと、次はどの属性を試そうか?うーん、流石に火事を起こすとまずいから火事になりそうなものは外しておくか」

 今は誰にも利用されていない草原とはいえ、火事を起こしてしまうのはダメだろう。火属性とか、雷属性の魔法は外しておこう。

「きゃん!」
「ん?どうした?」
「きゃん」

 少し離れた所で魔法を練習していたブルータスが近寄って来て一声鳴く。
 何事かと思ってブルータスが顔を向ける方を向くと、ゴブリンの集団が確認出来た。

「ん、ゴブリンか。・・・これは魔法を実戦で試すチャンスだよな」
「きゃん!」

 俺の呟きに答えるようにブルータスが一鳴きする。
 こいつもゴブリンたちを魔法を試すのにちょうどいい的と思っているのだろう。可愛い顔に邪悪な笑みを浮かべているのだから。

「あー、取り敢えず、鼻と魔石がある心臓付近は狙うなよ。回収するのが面倒になるからな。あとは好きにすればいい」
「きゃん!」

 ゴブリンは魔石と討伐証明の鼻以外に利用価値は無い。だから、切り刻もうが、穴だらけにしようが、焼こうが、凍らせようが、倒しさえすればいい。実戦で魔法を試すにはもってこいの相手だろう。

「それじゃあ、行きますか」
「きゃん!」

 今日は待ち伏せをすることなくゴブリンたちに姿を晒す。
 効率よく仕留めるのが目的ではなく、戦いの中でどう魔法を使いこなすかの方が重要だからだ。
 ゴブリンたちも俺たちを見付けてからは武器を構えてこちらに迫ってくる。数は六体。

「六体だからお互い三体ずつな」
「きゃん」

 俺もブルータスも魔法を実戦で試したいのだ。ここは仲良く三体ずつ相手をするのでいいだろう。

「それじゃあ、挨拶代わりだ。これでも食らえ」

 俺は体内で魔力を練ると、石の弾を作って回転をかけて打ち出す。銃をイメージして。
 放たれた石の弾丸は一体のゴブリンの眉間を打ち抜いて仕留めた。

「よし。じゃあ、もう一丁。ストーンショット!」

 俺はさっきと同じ魔法をイメージしながら、今度は声に出して魔法を発動する。
 ライザに魔法は声に出して発動する方がイメージがより明確になり威力が上がると教えてもらったからだ。
 そうして打ち出された石の弾丸は、ゴブリンの眉間に当たった瞬間、その頭を爆散させていた。

 おおー、すげー威力。グロさも強烈だけどな。

 声に出して魔法を発動しただけなのに威力が大幅に上がっている。これはこれからもやっていこう。
 ただし、デメリットも勿論ある。声に出すことで使う魔法がバレるから対処されやすくなるのだ。対人戦とか、高位の魔物相手だと注意が必要だろう。
 声に出して魔法を発動するか、無詠唱で魔法を発動するかは状況によって使い分けないとな。

 取り敢えず、声に出して魔法を発動することは試したので、今度は土属性以外の魔法を試すことにしよう。
 火事にならないものだと水か風の属性だろうか。凍り付かせるのもいいかもしれない。
 そんなことを考えていると、ふとブルータスはどんな魔法を使っているのか気になった。
 今のところ奴の魔法は無属性の魔力弾を打ち出すものしか見ていないのだ。
 そう思ってブルータスの方を見たところ直径五メートル程の竜巻が上空まで立ち上っていた。

 マジか。

 予想外な光景に唖然としてしまう。まさかここまで規模の大きな事象を引き起こす魔法を使うとは思ってもみなかったのだ。
 魔法の使い方を習ったことで竜巻の魔法から感じ取れる魔力量。俺がさっき使った魔法の数十回分に相当するだろう。それ程多くの魔力が注がれていた。
 ただ、これは参考にはならない。何しろ効率が悪過ぎる。三体のゴブリンを仕留めるのにここまでの魔法は必要ない。
 それに、殺傷力については微妙な気がするし。
 確かに、遥か上空に巻き上げられたゴブリンたちが落下の衝撃で死ぬのは間違いない。
 けれど、現状、上空に巻き上げられたゴブリンたちはまだ生きているのだ。滑空するなり何なりして落下の衝撃を抑えることが出来れば助かる可能性もあった。
 多分、この竜巻を起こす魔法は強敵相手には通用しない。この魔法は多数の飛行出来ない雑魚敵を一掃したい時に有効なものだろう。
 俺が求めている魔法ではない。
 俺が求めている攻撃魔法は、必要魔力が少なく、殺傷力の高い魔法だからな。
 例えばこんな風に。

 俺は残っていたゴブリンに対し真空の刃を飛ばす。
 ブルータスの魔法にあっけにとられて逃げ出すのが遅れていたゴブリンは、見えない刃に首を飛ばされ命を絶った。
 うん。風属性の魔法もイメージ通り問題無く発動出来たようだ。
 必要魔力も少なく、風属性の魔法として重宝しそうだ。

 ドン。ドン。ドン。

 そんなことを考えているとブルータスの魔法で上空に巻き上げられていたゴブリンたちが落ちてきた。
 当然、全員死亡である。

 ザシュッ。

 突然、後頭部に受けた強い衝撃。それと同時にかなりの数の髪の毛が空を舞った。
 俺が衝撃を受けた場所を触ると、真一文字に髪の毛が深く刈り取られており、そこを境にくっきりと段差が出来ていた。
 血は出ていない。切れたのは髪の毛だけ。
 やはりこの体は魔法に対しても高い耐性を持っているようだ。
 ただ、髪の毛は別らしい。
 ひょっとしたら、色々な髪形を楽しめるように髪の毛は強化されてないのかもしれない。
 まあ、髪の毛は伸びてくるだろうし、切れたことはそれ程気にしなくていいと思う。散髪屋は探さないとダメだけど。

 それにしても、こんなことが出来るのはブルータスしかいない。
 俺がブルータスの方を振り返ると、奴はばつが悪そうにそっぽを向いた。

「ブルータス、お前もか。お前もやっぱり俺の敵か」
「・・・」

 俺は今まで実害が無いからといって、ブルータスの行動をさして咎めることなく受け入れてしまっていた。
 それが奴を冗長させていた。
 他者の命を狙っておいて、何の反撃も受けることなく過ごせるなどと思われては困るのだ。命のやり取りをする以上、相応の覚悟は持っていてもらわないとな。

「人の命を狙っているんだ。相応の覚悟は出来ているんだろ?」
「・・・」

 俺はブルータスに向かって歩き出す。
 すると、ブルータスは先程ゴブリンたちを上空に巻き上げた竜巻の魔法を放ってきた。
 この魔法で上空に巻き上げられてもダメージは大したことないのだが、こちらの行動が大きく阻害されてしまう。
 それはまずいので俺は巻き上げられないように魔法を使った。

「ヘビーウェイト。ヘビーグラビティ」

 俺は魔法で自分の体重を増やすとともに、自分に掛かる重力も増やした。
 その瞬間、竜巻の魔法に飲み込まれたけど上空に巻き上げられはしなかった。
 俺は土埃で視界が悪い中、ブルータスがいた方向に向かって歩いて行く。
 そうして竜巻を抜ければブルータスはまだそこにいて、竜巻を抜けてきた俺を見て驚いていた。

「逃ないんだな。この魔法に自信があったのか?それは残念だったな。俺には効かないよ」
「・・・」

 俺はブルータスに向かってゆっくりと歩いて行く。
 それに合わせるかのようにブルータスは後ずさった。

「マジックキャンセル」

 俺はそう唱えてブルータスが放ってきた魔法を打ち消す。
 ブルータスは不可視の魔法を放ってきていたのだ。
 多分、俺が三体目のゴブリンに使った真空の刃を飛ばす魔法と同じだろう。そして、俺の後頭部の髪の毛を切った魔法でもあると思う。
 俺はそれがいつ飛んできても分かるように『魔力探知』の魔法を無詠唱で唱えて用心していたのだ。これでレーダーのように魔力の動きが分かるから不可視の魔法でも対応出来る。
 さっき不意打ちで一発食らっていたからこれくらいはしておかないとね。

「マジックキャンセル」

 俺は再び飛んできたブルータスの魔法を打ち消す。
 さっきの竜巻の魔法のように大量の魔力が込められている魔法だと無理だけど、少ない魔力で発動する魔法なら込められた魔力を散らすことで打ち消すことが出来るのだ。

 ブルータスは後ずさりながら魔法を連発して俺が接近するのを阻もうとしてくる。
 俺はそれを『マジックキャンセル』で打ち消したり、手で弾いたりしながら更に接近していく。

「・・・!」

 俺に対して魔法攻撃は無駄だと判断したのか、ブルータスは俺に尻尾を向けて脱兎のごとく逃げ出した。

「逃がすかよ!」

 それを見て俺も走り出す。
 ブルータスは見た目子犬のくせにかなり速い。
 だけど、追い付けない速さじゃない。
 何しろ、足の長さはこっちが圧倒しているのだから。
 徐々にブルータスとの距離が縮まってくる。
 俺があと一歩のところまで追い付いたところで、ブルータスは魔法で体に風を纏わせて加速しやがった。

「チッ、待ちやがれ!」

 俺も負けじと風を纏って追い掛ける。
 それで引き離されることはなくなったけど差が縮まらない。風属性の魔法については奴の方が上手のようだ。
 だけど、俺には他にも手があった。

「身体強化!」

 俺の奥の手、『身体強化魔法』。
 体内で練った魔力をそのまま体中に巡らせて強化する。上げるのは勿論、脚力だ。
 更に、思考速度も上昇させて、高速移動中でも問題無く状況に対応出来るようにした。
 爆発的に上昇した移動速度。あっという間にブルータスとの距離が縮まっていく。
 ブルータスは追い付かれまいとこれまで以上に魔法を連発してきた。
 移動速度が上がっていることでブルータスの魔法に対応するための時間が短くなっているけど、思考速度も上昇させているので難なく対応出来る。
 飛んでくる魔法を躱し、弾き、打ち消す。
 そうしてブルータスに迫れば、その背中はもう目の前だ。

「よしっ、捕まえた。それじゃあ、しっかりとお仕置きしないとな」
「くーん、くーん」

 俺に捕まったブルータスがうるうるした目でこちらを見つめてくる。

 ああ、やっぱり可愛い。

 だが、今日の俺はそんなことで見逃してやる気は一切無かった。
 人間なんてちょろいと思われたり、舐められたりする訳にはいかんのですよ。ブルータスがこのまま人間に混じって生活していく以上はね。
 ここでしっかりと人間の怖さというものを覚えていてもらわないといけない。
 俺はブルータスを抱えてゴブリンを倒した場所へと戻った。

「今回は何も罰を与えずに見逃したりはしないのだよ。・・・さあ、自分の行動の報いを受けるがいい!」
「きゃんきゃんきゃんきゃんきゃ・・・」

 俺は掴んでいたブルータスの鼻先をゴブリンの腰布へと突っ込んだ。
 あ、一応、ゴブリンの死体からは引き剥がしてある。流石にゴブリンの股間に直に突っ込むのは可哀想かなって思ったので。
 ゴブリンの腰布に突っ込まれたブルータスは暫くじたばたしていたけど、やがてぐったりとしてきた。
 そうなったところで俺はブルータスを解放した。

「・・・くーん」
「俺だからこの程度で許しているけど、他の人にやったら毛皮だからな。それだけは覚えておけよ」
「・・・くーん」

 流石にブルータスも嫌いなゴブリンの臭いを嗅がされておとなしくなった。
 これで少しは人間の命を狙うことのリスクを考えてくれればいいのだけど。
 さっきの魔法や咽喉に噛み付く行為もそうだが、俺以外の人間にやると確実に死人が出る。
 そうなるとブルータスは人間に仇をなす魔物として討伐されるだろう。
 俺としては現状、ブルータスに死んでほしいとは思っていないから、これから先も行動には注意してほしいと思う。
 ブルータスが毛皮になったらサーシャちゃんも悲しむだろうし。
 まあ、今のところ俺限定で狙ってくるから大丈夫だとは思うけど。



 ゴブリンの鼻と魔石を回収して街へ戻った俺たちはすぐに冒険者ギルドへ向かう。
 換金が目的だが、今日は散髪屋が何処にあるかも教えてもらわないといけない。
 そうしてカウンターに向かうと、要件を伝える前にエリシアさんから声を掛けられた。

「あ、レイジさん。ギルドマスターが話があるそうです。少しお時間をいただいてもいいですか?」
「はい。大丈夫です」

 多分、ブルータスについての話だろう。
 既にブルータスの扱いに関して結論が出て伝える為なのか、俺に聞き取りをした後結論を出すのか分からないけど、ギルドマスターの呼び出しを拒否するという選択肢は無い。

「では、こちらにいらしてください」

 俺とブルータスはエリシアさんに案内されてギルドマスターが待つ部屋へと向かった。

「ギルマス、レイジさんをお連れしました」
「入ってください」
「失礼します」

 エリシアさんに続いて緊張しながらギルドマスターの部屋へと足を踏み入れる。
 部屋の中で待っていたのは落ち着いた物腰の中年の男性だった。

「初めまして。レイジ君にブルータス君、私はターズ冒険者ギルドのギルドマスターを務めているヨハンです。以後、お見知りおきを」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
「きゃん!」
「立ち話もあれなんで、そちらへお掛け下さい。あ、エリシア君お茶を頼む。ブルータス君にはミルクを」
「はい」
「きゃん!」
「失礼します」

 俺はヨハンに促されてソファーへと腰掛ける。
 ブルータスはソファーの横にちょこんと座り、正面のソファーにヨハンが腰を下ろす。
 そんな俺たちの前にエリシアさんが飲み物とお菓子を出してくれる。

「先ずはお茶でもどうぞ」
「いただきます」
「きゃん!」

 勧められるままにエリシアさんが淹れてくれたお茶を口にする。温かいお茶を飲むことで少しほっとするけど、この部屋へ入ってからの緊張感はそれ程和らがない。
 このお茶を淹れてくれたエリシアさんは部屋を出ていくし、これから大事な話があると否が応でも理解させられた。

「その後ろ髪どうしたのですか?」
「えーと、その、ブルータスに魔法で・・・」

 ブルータスが魔法を使える魔物だとばれているのだ。誤魔化しても意味はない。
 俺は正直にブルータスにやられたと答えた。

「その後、お仕置きはしましたけど」
「お仕置きとはどのような?」
「こいつゴブリンの臭いが嫌いなんで、ゴブリンの腰布を剥がしてそこに鼻先を突っ込んで嗅がせました」
「・・・」

 ゴブリンの臭いを嗅がされたことを思い出したのか、ブルータスがむすっとする。

「ははは、それは結構。なかなか良い関係を築いているようで何より。今日、あなたたちへの話というのはブルータス君が魔物であることについてだったのですが、結論から言いますと、ブルータス君が魔物であることは不問です」
「そうですか」
「くーん」

 ブルータスが魔物であることは不問と聞いて安堵した。
 これなら、ブルータスが魔物であると気付いてもすぐに報告しなかった件で罰を受けることもないだろうから。

「魔物を従魔として手懐けている方もおられますし、協力関係を築いている地域も存在します。人間に危害を加えなければ特に咎める必要は無いですね。ライザが指を噛まれたようですけど、あれはライザに非がありますので除外しております」
「そうですか」
「きゃん」

 ライザの件は除外してくれたのか。
 ヨハンは魔物でも公平に扱ってくれるのかもな。

「ですが、少々過剰な対応であったと思いますので気を付けてください。穏便に処理することが難しくなりますから」
「だとさ」
「くーん」

 確かに、しつこいライザを退ける為とはいえ、骨が見える程噛んだのはやり過ぎだったな。
 ライザが回復魔法を使えなければ大事になっていたと思うし。

「レイジ君も他人事みたいに考えてはいけませんよ。あなた方の関係がどうであれ、ブルータス君の行動の責任をレイジ君は負わなければいけないのですから」
「えっ」
「当然でしょう。ブルータス君と行動を共にし、周囲から飼い主と認識されているのですから」
「うぐっ」

 確かに、実際の関係がどうであれ、周りの人間からすれば俺はブルータスの飼い主にしか見えない。
 これは確実にブルータスの行動の責任を取らされる。

「ブルータス君が人間に危害を加える魔物と認定された場合、ブルータス君は毛皮になり、レイジ君は犯罪奴隷として売り飛ばされるので気を付けてください」
「・・・はい」
「・・・くーん」

 ヨハンが笑顔で告げてくるのが余計に怖い。
 帰ったらブルータスによく言い聞かせないとな。ブルータスも十分理解しているようだけど、大事なことなので耳タコくらいでちょうどいい。
 奴隷落ちなんてマジで洒落にならないから!!!
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