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36 地震
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私が実家で暮らしていた頃の話。
時は遡り…、同居する祖母が倒れ、介護が必要になったのは私が21の頃だった。施設へ短期入所したり自宅で介護をしたりして、約10年後、祖母は老衰で亡くなった。
母がメインで介護をしていたが、祖母が就寝中にベッドから落ちた時の為に、私と妹は隣室で就寝していた。
そして、祖母亡き後も、引き続き寝室として隣室を使っていた。
ある夜。私は夜中に目を覚ました。元々眠りが浅い方なので(だからこそ夢をよく見るのだろうけど)、いつもの事だから寝直そうとした。
すると。
妹も目覚めたのか、もぞもぞ動く気配がした。彼女は熟睡型なのに珍しいな、と思った。
その時。
部屋の襖の辺りが『カタカタ』と小さな音を立てた。
(あ、地震の始まりだ)
と言うのも、その3年ほど前にあった大地震で、そこの襖は少しの揺れで軋みやすくなっていたのだ。
だいたい震度3くらいの揺れならば、最初に襖の所がカタカタ言ってから『ズン!』と揺れる。震度がそれより小さければ、襖だけが音を立てて終わる。
寝たまま揺れの程度を見計らうと、音だけで終わった。
(震度1くらいかな?)
妹が枕元のスマホを覗いて何かを確認していたが、私は構わずそのまま眠りについた。
翌日。夕食時、私はふと地震の事を思い出し、妹に問うた。
「そう言えばあんた、夜中の地震で起きたよね?」
「…姉ちゃんも気付いたよね、あの音。…あのさ、これ見て」
妹がスマホで見せて来たのは、気象庁のサイトだった。24時間以内の国内の地震が、一覧になって表示されている。
妹は言った。
「地震の少し前に起きてさ。で、襖の揺れる音止んでから時間確認したら午前3時前なのね。でもその時間、国内のどこでも地震は起きてないのよ」
確かにその時間に、該当する記録がない。私は首を傾げた。
「本当だ。何だったんだろ。トラック通っても揺れないのに。震度1未満だったのかな?」
話を聞いていた弟が口を挟んだ。
「なんかさ、寝てて夜中に地震あったりする時って、その寸前に何故か目覚めるよね。ネットとかでも見かけるよ」
第六感的なものが反応したのか。
だが後日。
洗濯物の部屋干しをする為に、私は祖母が使っていた部屋に入って作業していた。ある地点に立つと、襖がカタカタと音を立てた。
(へえ、ここに立つと地震の時みたいに襖揺れるんだ。知らなかった)
つまりは地震が無くても、そこに立てば音が出る。でもあの時は夜中なので、誰もここに立ってる訳が無いのは明白である。
ところがある事に気付いた。
よく考えてみるとそこは、臨終を迎えた祖母が北枕で寝かされていた場所だったのだ。
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確かにその時間に、該当する記録がない。私は首を傾げた。
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