我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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49 紫

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 自分の見た夢が、ある意味怖かった話。 


 30代後半のある時、夢を見た。 

 父母、伯父伯母、従兄、私、そして弟妹達で夜に祖母宅にいた。 

 遊びに来たというより、認知症の祖母を1人に出来ない『何かのために』待機してる、という感じだ。 

 祖母は上機嫌。
 『皆で祝い船唄おうよ!』『今日泊まるんでしょ?』と話す傍らで、私はあるものに気付いた。 

 玄関の硝子戸越しに、外に立つ誰かが見える。 

(薄紫の着物を着ている?和服だしおばあちゃんの知り合いかな?) 

 私は祖母に声を掛けた。 

「おばあちゃん、お客さん来てるよ」 

「あんた、誰かイイ人居ないのかい?」 

 祖母は私の声が耳に届いてないのか、従兄に絡んでいる。 

「ちょっと! お客さんだよ、お客さん!!」 

 私が喚くと、伯母も加勢した。 

「母さん! 誰か来たってよ!」 

 再三にわたり声を掛けたが、上機嫌で歌を唄う祖母は声に反応しない。 

「もう! 聞こえてないじゃん」 

 呆れたとこで、夢は終わった。 


 『何者かが迎えに来る夢』…。気になった私は母へ電話をした。 

「昨日変な夢見てさ…」 

 母に夢の話をすると、妙な事を口にした。 

『あんた、先週うちに寄ってから、ばあちゃんちの近く通りかかってないよね?』 

 前の週、用事のついでに実家へ寄ったが、それ以降は近辺も行ってない。 

「え? 行ってないよ」 

『…実は、あんたが来た日の夜に、近所に住むおばあちゃんの友達が亡くなってさ。
お葬式におばあちゃんと行ったんだけど、その人、遺影で紫色の着物着てたの』 

 私はその言葉に度肝を抜かれた。 

「うえっ! マジで?」 

 実家を出て生活しているし、祖母の友人の訃報は勿論知らなかった。母は言った。 

『玄関先に立ってたって事は、おばあちゃんを迎えに来たのかな…。嫌だな』 

「居たけど、家主であるおばあちゃんは気付いて無かったし、家の中に入ってないから…。
『お迎え不成立』で連れてかれないんじゃ?」 

 夢の中の私も他の誰も、積極的に追い払ってはないが。 


 実際の祖母宅の玄関扉には、一部に磨り硝子が嵌めてある。日中なら人の服の色は何となく分かるが、服装の詳細(長袖or半袖とか)までは判別不可だ。

 勿論、夜は暗いので色すら判別出来ない。 


 夢の中とは言え、何故私は『紫色』の『着物』だと思ったのだろう。

 生前のその友人さんに1,2度会った事はあるが、着物を着てるのを見た事はない。


 認知症の祖母は記憶が曖昧なため、『○○ちゃん(亡くなった友人)のとこ、行ってくるかな』とたまに発言し、その度に肝を冷やされている。 

 
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