59 / 132
旅 ※動物の死亡表現あり
しおりを挟む
私達は旅をしていた。
何かから逃げていたのかもしれない。楽しい旅という意識は皆無だった。
着の身着のまま、最低限の荷物だけを持ち、ひたすらに移動。そして、海を渡らないといけなくなった。移動手段は泳ぎ。
ワイヤーの様な釣り糸の様な細い綱に掴まり、4~5列に並んで海を泳ぐ。泳ぐというか、遥か向こうにある船に牽引してもらうといった感じか。
綱にさえ掴まっていれば移動できるので、泳ぐ必要はない。
だが、ある地点はかなりの難所だった。すごく水深が深く波が高く、綱に掴まっていても浮く事が出来なくなるらしい。
その地点を『死神のスポット』と言うらしい。
対処法は慌てず騒がず、掴まっている場所を数センチ移動させる。するとまた、浮上可能になるという。
(そんな事言っても、急に身体が沈んで水を飲んだらパニクって何も出来なくなるって)
警戒していた通り、ある地点で沈みかけた。一瞬慌てたが、拳2つ分だけ前に進んで何とか事無きを得た。
ふと隣の隊列を見ると、綱を掴んだ子供の様に小さな手だけが水面に出ていて、沈んでる誰かが居た。
(えっ!!子供?いや、でもその割に皺々で毛深い…)
岸に着いた時に見ると、そこに居たのは溺死した猿だった。飼い主と思しき男が、タオルに包んで砂浜に埋葬する。
(猿なりに綱を掴んでいれば何とかなると考えたのか…。頭の良い子だったんだ)
たき火で少しだけ身体を温めた後、髪も乾かぬ内に私達は空港へ向かった。
私達を支援する団体からチケットと救援物資を受け取り、搭乗手続きをしなくてはならない。
(だいぶ、人数が減った)
弱い者、運の悪かった者から脱落していったのか。或いは、生に対する執念が凄まじい者だけが残ったのか。
終着はどこなのか。
何かから逃げていたのかもしれない。楽しい旅という意識は皆無だった。
着の身着のまま、最低限の荷物だけを持ち、ひたすらに移動。そして、海を渡らないといけなくなった。移動手段は泳ぎ。
ワイヤーの様な釣り糸の様な細い綱に掴まり、4~5列に並んで海を泳ぐ。泳ぐというか、遥か向こうにある船に牽引してもらうといった感じか。
綱にさえ掴まっていれば移動できるので、泳ぐ必要はない。
だが、ある地点はかなりの難所だった。すごく水深が深く波が高く、綱に掴まっていても浮く事が出来なくなるらしい。
その地点を『死神のスポット』と言うらしい。
対処法は慌てず騒がず、掴まっている場所を数センチ移動させる。するとまた、浮上可能になるという。
(そんな事言っても、急に身体が沈んで水を飲んだらパニクって何も出来なくなるって)
警戒していた通り、ある地点で沈みかけた。一瞬慌てたが、拳2つ分だけ前に進んで何とか事無きを得た。
ふと隣の隊列を見ると、綱を掴んだ子供の様に小さな手だけが水面に出ていて、沈んでる誰かが居た。
(えっ!!子供?いや、でもその割に皺々で毛深い…)
岸に着いた時に見ると、そこに居たのは溺死した猿だった。飼い主と思しき男が、タオルに包んで砂浜に埋葬する。
(猿なりに綱を掴んでいれば何とかなると考えたのか…。頭の良い子だったんだ)
たき火で少しだけ身体を温めた後、髪も乾かぬ内に私達は空港へ向かった。
私達を支援する団体からチケットと救援物資を受け取り、搭乗手続きをしなくてはならない。
(だいぶ、人数が減った)
弱い者、運の悪かった者から脱落していったのか。或いは、生に対する執念が凄まじい者だけが残ったのか。
終着はどこなのか。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
鳴瀬ゆず子の社外秘備忘録 〜掃除のおばさんは見た~
羽瀬川璃紗
経済・企業
清掃員:鳴瀬ゆず子(68)が目の当たりにした、色んな職場の裏事情や騒動の記録。
※この物語はフィクションです。登場する団体・人物は架空のものであり、実在のものとは何の関係もありません。
※ストーリー展開上、個人情報や機密の漏洩など就業規則違反の描写がありますが、正当化や教唆の意図はありません。
注意事項はタイトル欄併記。続き物もありますが、基本的に1話完結、どの話からお読み頂いても大丈夫です。
26年1月限定で毎週金曜22時更新。
次回の限定更新は26年3月を予定しております。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる