どうして私は身内ばかりにモテるんですか?

冬愛Labo

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中編 記憶

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公園で遊んでいた幼い私は一緒に遊ぼでいる皆の方を向いて話しかけた。

『あのね、私皆のお嫁さんになりたいのっ』

弟の律はびっくりして私に言うが、嫌がっている様子はない。

「姉さん、俺達血が繋がっているから…結婚出来ないよ?」

『やだやだ、奥さんにして欲しい!!それが出来ないならずっとそばに居て』

私は駄々をこねると兄さんが私の頭を撫でて微笑んでくれる。

「……桃華はそれで良いの?」

「うん、兄さん」

歳が少し離れた最年長の叔父さんも…苦笑いをして話す。

「桃華…、お前は本当に困った姪だな…」

『叔父さんも兄さんも律も大好き』

「………」

3人は固まるとまるで子供とは思えない程の熱を孕んだ瞳で私を見る3人。
確かこの時から溺愛が強くなっていったんだ。
なぜ忘れていたのだろう。
最初に告白をしたのは私からだったんだ。
幼な心で兄さん達を愛していた。
けれど、思春期になって血が繋がっていて結婚出来ない事を本当の意味で知り、兄さん達のモテる光景を見ていた私はふっと思った。
私は……似合わない。
もっと他の人が似合うに決まっている。
そう思っていつしか距離を取るようになった。
心に秘めていた思いを隠す様に……。


◯◯◯◯


眠りから覚めると天井が見えは肌寒さを感じた。
あれは夢だけど、過去の私だった。
兄さん達を大好きで大好きで堪らなかった私の記憶。
そうか、兄さん達の心を動かしたのは私だったんだ。
覚えていたいけど、同時に忘れたい記憶として頭が処理をしていたのだろう。
妙に納得をした私は、まだ眠気のある身体を動かして起き上がるといつの間にか裸でベッドで横になっていた。
多分この部屋は画材道具が置いてあるから叔父さんお部屋だろう。
足元にある布団を取り周りを見渡すと部屋のドアが空いた。

「起きた桃華??ご飯でも食べる?」

『に、兄さんあの服を貰いたいんだけど、探しても見つからないの』

裸が恥ずかしくてお布団に包まり兄さんに伝えるとにっこりと笑ってこちらを見る。

「ねぇ、桃華足首を見てごらん?」

『え?………鉄輪??鎖が繋がっている』

血の気が引いた私は兄さんに訴えた。

『これ何!?お願いだから外して、ねぇお願いだよ兄さんっ!』

「お見合いの事を隠していたお仕置きだよ。大丈夫今日だけしかしないから。だからその一日で無理矢理でも俺達のものになっもらう。もう待つのはやめる事にしたんだ」

『そ、そんなっ。あのね、私の話を聞いて欲しいのっ!!大事な気持ちを思い出したの!だからっ』

「陸翔が大好きな気持ちを思い出したの?」

兄さんは怖い表情で私を見る。
まるで獲物を狙う肉食獣の様な瞳だった。

『ち、違うっ。だから…』

「もう逃げようとして嘘をつかなくて良いんだよ?俺はとっくの昔に覚悟を決めているんだから」

『……兄さんっ!!』

私の話を遮るように大和叔父さんと律が開けっぱなしのい部屋の入り口から入って来た。

「兄さん、準備したよ。姉さんを落とす為に色々使うんだろ?」

「そうだよ律。叔父さんも撮影は大丈夫ですか?」

「あぁ、さっき電気店に行って来て良いカメラを買ってきた所だ、録画もバッチリだ」

3人は私の話を聞かないで事を進めようとしている。
ここではっきり言わないと、私の気持ちを言わないと…っ!

『待って!お願いだから私の話を聞いて!』

「……まだ抵抗するのかい桃華?」

『あーもうっ!!違う違う違うっ!!ちゃんと話を聞いてよっ!私は3人の事が大好きなの!本当はずっと好きだったの!』

「…は?」

律が驚きの声をあげると私は畳み掛ける様に言う。

『思い出したの、本当は私から皆に告白をしたんだって。だけど、私は平凡で血も繋がっているから一緒にいる資格は無いって高校生の時に感じたの。だからそれ以来気持ちを隠して逃げる様になった。そしたら、隠す気持ちが強すぎて最初の頃の気持ちがわからなくなって。好きって思ったら罪なんだって思ったら怖くなって。だからこんな思いはいらないって思ったの。でも、でもっ……私は本当は……好きだったの』

私はまるで吐き出す様に3人に言うと兄さんは涙を流した。

「あぁ…やっと思い出したんだ?そうだよ、本当に小さな子供だった頃俺達の楔を抜いたのは桃華なんだよ…。あの言葉を聞いてから抑えていた理性が全部切れたんだ。桃華を手に入れる為なら世間に顔を背けられても構わないってね」

『…だったら、足の鉄輪を外して?』

「それは出来ない。桃華はネガティブだからね。またいつ俺達には似合わないとか訳の分からない事を言うかもしれないだろ。だからこの場でしっかり身体に教え込む」

『っ!!』

兄さんの声に大和叔父さんと律は何かの準備をし始める。
大和叔父さんは私の真前にカメラを設置して、律は紙袋から大人の玩具や錠剤を取り出しベッドの上に置く。
兄さんは私が逃げない様に近寄り抱きしめていた。
この異様な光景に私は戸惑うと耳元で兄さんが囁く。

「俺達の愛は普通からしたら歪んでいる。だけど、ここまでしても手に入れたいと思うのは桃華以外いないんだよ?どんなに他の綺麗な女性に口説かれても俺のちんぽは勃つ事は無いんだ」

『兄さん……、あの…私、両思いでエッチしたの。好きな皆と好きになりたいの。だから…愛しているって言って欲しい…な。…だめ?』

「……桃華。本当に…アホっ子だな。だけどそこが可愛すぎる。ここまでするのに愛していないって思うんだ?俺はお前を愛しているよ」

兄さんの言葉にいつもいつもモヤモヤしてた私の気持ちが一瞬にしてキリが晴れた。
律が近づき手を握る。

「姉さんは自分の気持ちに気づかなさすぎるんだよ。本当にお馬鹿さんだね。俺も愛しているよ。血の繋がりがあっても無くても関係なく、姉さんの事を愛している」

あぁそうか、私は愛されているのか。
兄さんにも律にも…。
なんて贅沢だろう。
うっとりとしていると、後ろからチョップをされて振り返ると大和叔父さんが私を見ていた。

「俺を忘れるな。ったく、こっちは歳が離れてかなり不利なのに…。桃華、俺は本当にお前を愛している。だからもう逃げないで欲しい」

『うん、大和叔父さんの事もずっとずっと大好きだったの。だからね、捨てないでね?』

「……優磨、もう我慢ができん。すぐにヤるぞ」

大和叔父さんが言うと兄さんはため息をついた。

「最年長がどうしてそんなに我慢が出来ないんですか?まぁ、気持ちは分からなくもないですけど」

兄さんは裸の私から手を離して軽く口づけをすると突然乳首を咥え出した…。









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