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02 説明
しおりを挟む「な、何!?どう言う事よ!!」
『えっと、娶る??』
動揺を隠せないでいると男性はフードを外して一礼する。
フードを被った男性は綺麗な顔をした茶髪のショートヘアだった。
「まずは、先に謝ります。申し訳ありません」
「な、何が!何が申し訳ありませんよ!!」
『冬坂さん落ち着きましょう。あの、一体どう言う意味ですか?』
「まず、俺の名前はじゅんといいます」
『えっと??』
「24歳です。母親が日本人でした」
「そして、母も今まで来た異世界の女性は戻った前例がない」
じゅんさんが言うと私は唖然とした。
「ここは人、国に呪いがかかっています。男島は子供が産まれてもほぼ男しか生まれない。しかし、他国の女性はこの島一年以上居ると死ぬ。そして、性行為をしても子供は殆ど出来ないのです」
『あの、どう言う事です?なんで、子供が出来ないのですが?』
「そうですね。どう言えばいいのでしょ我々が存続する方法は異世界召喚しかないんです。そして、異世界から来た女性と子作りをする。それが子孫を残す事」
「アンタ達頭沸いてるの?私達は急に来て子供を作れって言われたのよ!!そんなの無理に決まってるでしょ!」
『と、冬坂さん』
狂った様に怒る冬坂さんを見ると、私も不安が襲う。
「わ、たしは…子供が出来ないのよ!!欲しくて欲しくて堪らなくても出来ないのよ!何でここでも惨めな想いしないといけないのよ!!」
『と、冬坂さんも??』
冬坂さんの言葉に私は驚いた。
まさか、同じ境遇だっなんて…。
「大丈夫ですよ。我々にも分からない事が有りますが、召喚は定期的にされるのです。自然にね。そして、統計を取ると女性は皆子供が出来ない者達ばかり」
『!?』
「ですが、何故かこの島では子供が産めるのです。だから、安心して下さい」
『わ、分からないって?』
「えぇ、解明されていない事です。ですが、条件に必ず子供が出来ない女性が我々の元に来るのです」
『な、なんで産めるのですか?』
訳が分からず困惑しているとじゅんさんが背中をさっと撫でる。
「落ち着いてアリアさん」
「あぁ!じゅん君勝手に触ってる!契約違反だよ!」
「煩いですね」
シルさんの言葉にじゅんさんが話し出した。
「我々にも明確には分かりませんが、この世界。この男島に来ると体の作りが少し変わる様です。適応すると言うのでしょうか」
『な、何で?』
「さぁ、それは分かりません」
『え?』
「分からない事だらけです。ですが、確かな事は貴女達は妊娠出来る。そして、この島では妊娠期間は1ヶ月。一週間で子供が産めます」
『えぇ!?』
私は驚いた。
ここは一体どう言う事なのだろう。
「ですが、ここは呪いの掛かった場所。謎は多いのですが、子供が産まれたら自然と狂った者や歳を重ねた者はが死ぬ」
『!?』
「我々の人数はどうやら決まっているようです。何人とまで分からないですが」
『人が…死ぬ』
「まぁ、狂うよりマシかもしれませんがね」
『??』
「こちらの話です」
じゅんさんは少し悲しげな表情で話を切った。
「さて、最後に伝える事は後一つ」
「あーそれ、言わないとだね」
突然、会話に入ってきたシルさんがお茶を皆に配りながら話す。
「ここはさ、多重婚で多夫一婦制なんだよね。男ばっかだから。勿論断る権利もある!」
『多重婚!?』
「だよだよ~。んーとね、いきなり結婚を申し込まれても困るでしょ?だから、俺達は明日武闘会で戦って花嫁を勝ち取らないといけないんだよね。一応さ、戦闘民族だからねっ」
『…えっと??』
「ここの習わしはさ、強いものが王となる。つまり、強いものが妻を娶る権利がもらえる訳」
その言葉に冬坂さんが机を叩いた。
「女が子供産む道具みたいな言い方が気に食わないわね」
「あのね、冬坂ちゃん。俺達も必死なんだよ。嫁さん欲しいもん」
「だからって景品みたいに!!」
「景品だよ」
『え!?』
「最高の人生に一つしかない景品。全ての資材を投げても欲しい存在なんだよね」
『…っ!?』
真顔で言われた私は顔を赤くして固まってしまった
「はは、アリアちゃんかーわいい。俺さ君がくるの…」
「抜け駆けですか?名前言いますよ」
じゅんさんが笑顔で言うとシルさんは固まる。
「ご、御免なさい」
「さてと、色々説明をするべきでしょうがもう一人の女性が男性漁りに行ってしまわれましたからね」
『だ、男性漁り…』
「まぁ、よくある事です。冬坂さんの様に怒る女性とすぐに適応して男性漁りをする者」
『そんな人が居るんですね』
「まぁ、開き直られたら、それはそれで有難いですがね」
『…んー』
私は苦笑いをしているとお腹が鳴った。
『あ…』
「はー、緊張感ないわね」
『すいません、冬坂さん』
「もう良いわよ。一緒にいたのが、アンタなのがせめてもの救いかしらね。男漁りの女と一緒どったら狂ってたわよ」
『あ、有難うございます』
冬坂さんは可愛い笑みを浮かべてくれて私は少し緊張がほぐれた。
『お腹すいちゃいました』
「あははは、この状態でお腹空いたは良いねアリアちゃん」
『んー、そうです?』
「うん!」
笑顔のシルさんに私は真剣な表情で喋った。
『でも、冬坂さんみたいに可愛くないし、おっぱいもないので私余り物になっちゃいます』
「「「は?」」」
『え?』
男性3人が固まって驚き顔をする。
「アンタって鈍すぎない?私でもこの人達がアンタを贔屓してるの分かるわよ」
『ひ、贔屓!?』
私がビックリしているとシルさんはテーブルに伏せった。
「マジか、俺結構ラブラブビーム出してたのに…」
『ラブラブビーム?』
「明日絶対勝つ。そして、堂々とアリアちゃんに告白するんだ!!」
その言葉に私はどうして良いか分からず赤面するのであった。
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