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序章
【プロローグ】死神と呼ばれた日
しおりを挟む「.....。」
「俺は誰で、、、」
「何者なのだろう...。」
ただ冷たい地面に顔を埋めて俺は呟いた。
だが不思議だ。
何かに触れていると言うわけではない。
何も聞こえない。何も感じない。記憶も無い。
「此処はどこだろう」
立ち上がりそう呟いた俺に誰かが耳元で囁く。
「力を欲するか?」
「.....ッ!?誰!?」
だが俺の言葉は届かなかった。
「もう一度問う。力が欲しいか。」
力とは何なのか。その問いの意味は全く分からなかったが俺は何故かその答えを知っていたのかのように咄嗟に答えていた。
「...欲しい。」
何故そう答えたのかは分からなかった。
だが声の主はその答えを待っていたかのように声を返す。
「ならば貴様に力を授ける。受け取れ。これが貴様に与えられし権能と運命だ。」
そう言って声の主は消えてしまった。
俺は何のことか分からずにその場に立ち尽くす。
刹那。風景が変わった。
気づけば路地裏に立っていた。
俺は夢でも見ていたのかの様にただ呆然としていた。
目の前にあるのは左手に握られた血の滴るナイフとおそらく手に持つナイフによって命を絶たれた数え切れない屍の山。
記憶も何も無い俺にはピンと来なかったが何故だか体が震えて止まらない。
目の前の亡骸の山を見ると寒気や吐き気が止む事なく俺を襲う。
この景色を俺が作り出したのか。
俺もいつかの未来はこのように人気もなく孤独な死を迎えるのか。
それとも………。
他の明るい未来があるのか。
これは常に死と隣り合わせの少年が自分の存在意義を探し求める物語。
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