王子の取り巻きの伯爵子息の僕、好きな子(公爵令嬢・子爵養女)が2人とも王子に奪われたので断罪イベ起こして自分のものにしようとしてみる

ぬぬぬ木

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式は狂気の翌日に

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次の日、俺は教会にやってきていた。



 理由は――――――



 結婚式。それも俺の。



 仲のいい貴族や、王様に王z…… クソまで参列してくれている。



「健やかなる時も、病める時も共に支え合うことを誓いますか?」

「はい」

「いやぁ…… 急に言われてもぉ……! 」

「誓いますか? 」

「……はいぃ」

「では、誓いのキ」

「ちょっと待った!!!」



 神父の問いに返事をし、少し躊躇う相手にも目で返事をするように促す。



 これにて目出度く俺は独身貴族ではなくなってしまうな、はは。



 そんなことを軽く思い、彼女のベールを脱がせようとした時……



 来賓席から怒号が発せられた。



「何でしょう、王子?」

「なんでもなにもあるか! 何故! お前が! ナギと結婚しようとしているんだ!!!」

「……? 婚約者と結婚するのは普通では?」

「婚約者だとぉ……? 出鱈目なことを言うな!」

「ひぇー…… 王子様ぁ!」



 さて、ナギをどうやって手に入れるか。答えは簡単だ。



 結・婚・し・て・し・ま・え・ば・い・い・



 彼女の養親である子爵と、事前に約定を結んでおいておいた。

 貴族社会では結婚するまで相手の顔なんか知らないなんてザラだし、ナギは拾ってもらった恩から親には逆らえない。

 外堀さえ埋めてしまえば、もう勝ちだ。



「子爵殿! この婚約は法によって定められた正式な約であった筈。たとえ王子であっても覆せぬもの、そうですよね?」

「そ、そうです! ナギ、お前ラダマス様と結婚するよな? な!」

「は、はぃ……」

「馬鹿な! おかしいだろそんなもの! そうですよね父上!」



 困った王子は父王に助けを求める。

 が、それまで静観していた王は……



「法に背き、側近の結婚を祝えずなんとする! それにそんな子爵家の娘が大事か? 主はまず、エリザロッテの幸せを考えろ!」



 息子の主張を聞かず、あのクソを一喝した。



「そんなこと許せるわけ! それにエリザロッテだってもう……」

「なんだ!? お前何を言っている!!」



 昨日の夜、エリザロッテ様の実家には王子と共に王宮へと帰られた。婚前ではあるがもうすぐ結婚する身、心配めされるなという内容の使者を送ってある。



 まだ俺によるエリザロッテの殺害は表に出ていなかった。



「エリザロッテなら昨晩殺しましたよ! そこのラダマスが!」

「なんだとっ! ラダマス、それは真か?」

「はっ、主命により仕方がなく……」



 あそこで逆らったら俺が殺されていたしな。仕方ない選択感を醸し出す。



「エリザロッテもナギも! 全てお前の所為だぁぁぁ!!」



 が、それでは納得できなかったクソがいるらしい。いや、ナギは確かに策略を巡らせたけど、エリザロッテ様はお前の命令じゃん!



「ラァダァマァスゥゥーー!!」

「王子様ぁ! 剣は駄目ですよぉ!」



 うわっ! まじか! 御前だぞ? いくら王子とはいえ抜刀して切りかかってこられれば……



「ひっ捕らえろ!」



 王の命令一つで彼の身柄は拘束されてしまった。



「ラダマ……ぐっ……覚えていろ……」

「連れていけ! 部屋に閉じ込めておけ!」



 恨み言を残してえっちらおっちら連れて行かれる主を見て爆笑しそうになる口を押さえ、さもビックリしたかの様に下を見る。



 そんな俺に真上から



「後でお前にも事情を聴く。邪魔して悪かったな。続けろ!」



 との王の声が降りかかった。



「いえ、感情が昂ぶりそれどころではないので。お開きにしましょう」



 ここまでの一連の騒ぎにより、王子に継承権は戻らないだろう。すべてを奪ってやった快感から、ちょっと今は人に見せれる顔をしているからな。



 そのまま俺は裏に引っこみ、馬車に乗って新居へと向かった。



 ――――――――――

 



「はぁ、緊張するな……」



 ところ変わってここは新居のロビー。やはり若い夫婦と一緒に暮らすのは嫌だったのか、卒業に際して親から貰った家の玄関で俺は一人の侍女と共に新婦を待っていた。



「いやぁ、緊張するなぁ……」

「はっ、そうですか。おめでとうございますですわ!」



 そわそわする俺と、それを冷たい目で見降す侍女。ちょっと空気が死んでしまったロビーに、漸くして彼女はやってきた。



「ふ、不束ものですがぁ宜しくお願いしますぅ!」

「あぁ、よろしく。さっ、早速家の中を案内するよ。おいで!」



 俺はこうして二人の好きな人を手に入れた。



 まだまだ乗り越えなきゃいけない壁は多いけれど、きっと大丈夫。だって俺はこんなにも幸せなんだか……



 らっ…… ぐっ……



「仕方なかったんですぅ!」



 最後の記憶は、愛した声だった。
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