エチエチH

四宮秋穂

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1.変態の館

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小百合は大切にしていた処女を高1の時、担任の先生にあげた。念願かなって、新宿のラブホで結ばれたのだ。先生は、たっぷりと中出ししてくれた。

 しかし、先生はシーツについた小百合の鮮血を見た瞬間に、急にブチ切れた。

「俺はな、処女は嫌いなんだ。小娘ではなく、吉原のソープ嬢とかAV嬢とか、黄金町の立ちんぼとか、飛田新地のチョンの間とか、そういうテクニシャンが好きなんだ。俺と付き合いたいなら、性技を磨いてから出直せ」
 先生は、意外と遊び人であった。

 小百合は悲しさのあまり死のうと思った。手っ取り早く、山手線に飛び込もうとした。そのまま、新宿のホームの先頭に立った。
 入線にしてくる電車に飛びこもうとした時、後ろから、肩をつかまれた。振り返ると、ちょっと素敵なオジサンがいた。

「あなた、早まってはいけない」

小百合は・・・

「辛いことがあったんだね」

オジサンは優しそうな笑顔で、そう声をかけてくれた。

(優しい人ね)

「死ぬ気なら、何でも話せるでしょ。オジサンが聞いてあげるから」

(嬉しい)

 小百合は、オジサンとマックに入った。突然、そのオジサンの醸し出す優しさが乙女心に響いたのか、小百合は、マックの客たちの眼もはばからずに、泣きに泣いた。声をあげて涙が枯れるまで泣いた。その間、オジサンは、じっと小百合を見守ってくれていた。その優しさは小百合に新たな勇気と希望を与えてくれた。

「さゆりちゃん、その卑劣で嫌らしい先生を見返さないか?」オジサンは意外な案を出した。

「えっ」ちょっと意味がわからなかった。

「だから、さゆりちゃんが、これから、女を磨き、エチエチな女になって、先生を見返すってどう?」

「エチエチな女?」

「そう、さゆりちゃんが、いい女になって、もう一度、先生に抱かれて、今度は先生を、さゆりちゃんがトロトロにとろかして、さゆりちゃんの虜にして、奴隷にして、いきなり、ふるんだよ。そして、もう二度と会ってやらないの。復讐さ」

小百合はいい考えだと思った。しかし、自分がエチエチになれるはずがない。まだ高校一年生で、身体も未熟だし、どうやって磨くのかわからない。そんな迷いを見透かしたオジサンは、

「ここに行ってごらん。怖いところじゃないから」

オジサンは、名刺を渡した

その名刺には、

【エチエチH 変態の館 
性のすべてをご指南します】

小百合は、怖くなって、オジサンを無視して、何も言わずに店をあとにした。
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