1 / 6
1話
しおりを挟む
ルーデン王国の東にあるオデルの町には
おしどりがそのまま人の形をなしたのではないかと
思われるほど、お互いを愛し合っている夫婦がいた。
夫は常に妻の隣から離れずに彼女を見守っている。
「みて、サリア、花が咲いてるよ。もうじき春が来るね」
「そうね。新キャベツに、新ジャガイモ。
今年はどんなにおいしいものが食べられるかしら」
「また食べ物の話してる」
「いいじゃない!病院では味気ない料理ばかりだったんだもの!」
二人は道ばたにさく小さな花を見つけ、
冬が過ぎ春が訪れてきているのを感じていた。
しかし肝心なサリアは、道ばたに咲く花よりも
これから収穫されるであろう旬の野菜達で頭がいっぱいのようだ。
別に彼女が食いしん坊であるからと言うわけではない。
どちらかといえば彼女は小食なほうだ。
ただちょうど彼女が退院したてであり、
これであの薄味の病院食から解放されたという
喜びを表現しているだけなのである。
「あら!サリアさん。こんにちは。もう大丈夫なの?」
そんなアリアに対し、老婆が親しげに話しかけてくる。
「?」
だがサリアはその老婆の態度とは対照的に、
まるで始めて出会った時のような困惑をしていた。
「こんにちは、ステラさん。サリア、隣の家のステラさんだ。
よくサリアも夕食にお招きいただいたりしてたんだよ?」
「そうなの?お世話になっております」
「あ!そうだったわね。まだ戻らないんでしたっけ?
ごめんなさいねえ。つい元気そうだったから」
とっさの夫であるルークのフォローにより、サリアは礼儀良く老婆に対して頭を下げた。
そんな彼女の姿をみて、老婆はとても申し訳なさそうな顔をするのであった。
なぜこのようないびつな会話が繰り広げられているかといえば、
それはサリアが記憶喪失になってしまっているからであった。
彼女は転んだ際に、強く頭を打ち付けたらしく、それ以前の記憶が
すっぽりと抜け落ちてしまっている。
次に目が覚めたのは、病院のベッドの上であり、
サリアはなぜ自分がこんな所で寝ているのかどころか、
自身が何者であるのかすら思い出すことができなかった。
当然サリアはひどく困惑し、憔悴することとなった。
彼女は一夜にしてこれまで生きてきた24年の
すべてを失ってしまったのであるのだから当然の反応だ。
しかし過去も名前も忘れてしまった彼女にも唯一の残っていたものがあった。
それは病室のベットの隣に座っていた自身の夫を名乗るルークと、
そんな彼が持つ、彼と自分が共に写った写真であった。
この二つがなければきっとサリアは今も病院で苦しんでいただろう。
そう断言できるほど、優しい夫と、その夫との関係を証明してくれる写真の効果は絶大だった。
サリア自身が覚えていなくともルークが昔の自分について覚えてくれていて
教えてくれるというのは、すべてを失ってしまった彼女にとって大きな支えとなった。
おかげで今、サリアは健康状態そのものは良好である。
ただ、どうしても記憶だけは戻る気配がなかったのであった。
「サリアさん。あなたにとっては知らないおばちゃんかもしれないけど、
私にとってはあなたは大切な子なの。困ったことがあったらぜひ言ってちょうだいね」
老婆がサリアの手を強く握りしめながら言った。
目には涙が浮かんでいる。
サリアはそんな知らぬ老婆の行動に若干戸惑いつつも、
「ありがとうございます、ステラさん。そしてごめんなさい。
きっと、たくさん助けていただいているのに、思い出せなく」
と謝罪をするのであった。
老婆がおかしいのではない。
おかしいのは自分の方であるのだ。
自分をこれだけ大切に思ってくれている人が
いるのにも関わらず、何も思い出せないことに
サリアはただ唇を噛むことしかできなかった。
「いいのよ。あなたが悪いわけではないのだから。じゃあ、私はこれで。またね」
老婆はそう言うと小さく手を振りながら去って行った。
「記憶、戻ってほしいなあ」
サリアは老婆の小さくなっていく姿を見つめながら、ぼそりとつぶやく。
無意識にでた言葉だった。しかしサリアの本音でもあった。
多くの人がサリアの事を見るたびに、声を掛け心配をしてきてくれる。
記憶を失う前の彼女の交友関係はとても広かったようだ。
たくさんのお友達がいるにも関わらず、一人も覚えていないという事実は、
サリアの胸にチクりと痛みを与えてくる。
「焦らなくても大丈夫だよ。それに戻らなくても、今日から思い出を作っていけばいいじゃないか」
ルークはそんなサリアを、やさしく励ますでのであった。
「さあ、かえろうか」
「うん」
サリアは夫と手をつなぎながら帰路につく。
今日から思い出を作っていけばいい。
その言葉が頭に残っていた。
記憶は何時戻るかわからない。
それどころか一生忘れたままなのかもしれない。
でも、そんな分からない事に悩んで、うじうじとしているくらいならば、
その時間で誰かとお話しして、あたらしい記憶を作って行く方がいい。
夫のその優しさに感謝を示しながら、
前を向いて生きていこうとサリアは決意するのであった。
「サリア、そこ凍ってるから気をつけてね」
そんな決意をしていたからか、サリアはルークの
言葉が耳に入ってきていなかった。
そのまま足を前に進め、雪が溶け夜の寒さで
再び凍結したであろう地面を踏みしめてしまう。
「「あ!」」
サリアとルークが同じ悲鳴を上げた。
凍結した大地を踏みしめたサリアの足は、地面を蹴り上げる
ことはかなわず、つるりとすべる。
元々退院したてで、体の筋肉が衰えていたことに加え、
よそ見までしていたサリアに、対処できるだけの余裕はなかった。
サリアの頭と、地面を舗装する石畳が衝突する。
当たりにはゴッ!という鈍い音が響くのであった。
「さ、サリア!?大丈夫かい?」
ルークが慌てた様子でサリアに問う。
「・・・・・・」
しかしサリアはそんな夫の問いに返答することもせず、
石畳に横になりながら、目を見開いて青空を見つめている。
痛いとも叫ばず。ただ淡々と。
ルークはそんな彼女の姿に、違和感を抱き、少し恐怖をいだいた。
「サリア?」
ルークは再びサリアに声をかける。
今度はサリアは反応を示し、目をこちらに向けてた。
青空を見つめていた見開いた目が、今度は夫に向けられている。
そしてほんの少しの間を置いてから、
「痛たあああああああああああ!!!」
と叫び声を上げるのであった。
帰宅後。
サリアの後頭部を見ると、幸いたんこぶが出来た程度で、大きな外傷はなさそうだった。
ルークはケガが無いことを確認すると、ホッと胸をなで下ろしながら、
「気をつけなきゃだめだよ!」
とサリアをきつく叱った。
けれどサリアは自身も転んだことにショックを受けているのか、
浮かない表情を浮かべていたので、叱るのをやめる。
そして彼女を笑わせようと、
「また記憶喪失にでもなったらどうするのさ」
と軽口を叩くのであった。
サリアはそんなルークの言葉に、
「ええ、それは困るわね。次は気をつけるね、ルーク」
と微笑みながら返すのであった。
ルークは彼女がいつも通りであることに安心し、再び胸をなで下ろした。
そしてサリアが転んだ際に感じた違和感は、気のせいであったのだと処理をする。
その処理が、今後彼の運命を大きく狂わすとも知らずに。
おしどりがそのまま人の形をなしたのではないかと
思われるほど、お互いを愛し合っている夫婦がいた。
夫は常に妻の隣から離れずに彼女を見守っている。
「みて、サリア、花が咲いてるよ。もうじき春が来るね」
「そうね。新キャベツに、新ジャガイモ。
今年はどんなにおいしいものが食べられるかしら」
「また食べ物の話してる」
「いいじゃない!病院では味気ない料理ばかりだったんだもの!」
二人は道ばたにさく小さな花を見つけ、
冬が過ぎ春が訪れてきているのを感じていた。
しかし肝心なサリアは、道ばたに咲く花よりも
これから収穫されるであろう旬の野菜達で頭がいっぱいのようだ。
別に彼女が食いしん坊であるからと言うわけではない。
どちらかといえば彼女は小食なほうだ。
ただちょうど彼女が退院したてであり、
これであの薄味の病院食から解放されたという
喜びを表現しているだけなのである。
「あら!サリアさん。こんにちは。もう大丈夫なの?」
そんなアリアに対し、老婆が親しげに話しかけてくる。
「?」
だがサリアはその老婆の態度とは対照的に、
まるで始めて出会った時のような困惑をしていた。
「こんにちは、ステラさん。サリア、隣の家のステラさんだ。
よくサリアも夕食にお招きいただいたりしてたんだよ?」
「そうなの?お世話になっております」
「あ!そうだったわね。まだ戻らないんでしたっけ?
ごめんなさいねえ。つい元気そうだったから」
とっさの夫であるルークのフォローにより、サリアは礼儀良く老婆に対して頭を下げた。
そんな彼女の姿をみて、老婆はとても申し訳なさそうな顔をするのであった。
なぜこのようないびつな会話が繰り広げられているかといえば、
それはサリアが記憶喪失になってしまっているからであった。
彼女は転んだ際に、強く頭を打ち付けたらしく、それ以前の記憶が
すっぽりと抜け落ちてしまっている。
次に目が覚めたのは、病院のベッドの上であり、
サリアはなぜ自分がこんな所で寝ているのかどころか、
自身が何者であるのかすら思い出すことができなかった。
当然サリアはひどく困惑し、憔悴することとなった。
彼女は一夜にしてこれまで生きてきた24年の
すべてを失ってしまったのであるのだから当然の反応だ。
しかし過去も名前も忘れてしまった彼女にも唯一の残っていたものがあった。
それは病室のベットの隣に座っていた自身の夫を名乗るルークと、
そんな彼が持つ、彼と自分が共に写った写真であった。
この二つがなければきっとサリアは今も病院で苦しんでいただろう。
そう断言できるほど、優しい夫と、その夫との関係を証明してくれる写真の効果は絶大だった。
サリア自身が覚えていなくともルークが昔の自分について覚えてくれていて
教えてくれるというのは、すべてを失ってしまった彼女にとって大きな支えとなった。
おかげで今、サリアは健康状態そのものは良好である。
ただ、どうしても記憶だけは戻る気配がなかったのであった。
「サリアさん。あなたにとっては知らないおばちゃんかもしれないけど、
私にとってはあなたは大切な子なの。困ったことがあったらぜひ言ってちょうだいね」
老婆がサリアの手を強く握りしめながら言った。
目には涙が浮かんでいる。
サリアはそんな知らぬ老婆の行動に若干戸惑いつつも、
「ありがとうございます、ステラさん。そしてごめんなさい。
きっと、たくさん助けていただいているのに、思い出せなく」
と謝罪をするのであった。
老婆がおかしいのではない。
おかしいのは自分の方であるのだ。
自分をこれだけ大切に思ってくれている人が
いるのにも関わらず、何も思い出せないことに
サリアはただ唇を噛むことしかできなかった。
「いいのよ。あなたが悪いわけではないのだから。じゃあ、私はこれで。またね」
老婆はそう言うと小さく手を振りながら去って行った。
「記憶、戻ってほしいなあ」
サリアは老婆の小さくなっていく姿を見つめながら、ぼそりとつぶやく。
無意識にでた言葉だった。しかしサリアの本音でもあった。
多くの人がサリアの事を見るたびに、声を掛け心配をしてきてくれる。
記憶を失う前の彼女の交友関係はとても広かったようだ。
たくさんのお友達がいるにも関わらず、一人も覚えていないという事実は、
サリアの胸にチクりと痛みを与えてくる。
「焦らなくても大丈夫だよ。それに戻らなくても、今日から思い出を作っていけばいいじゃないか」
ルークはそんなサリアを、やさしく励ますでのであった。
「さあ、かえろうか」
「うん」
サリアは夫と手をつなぎながら帰路につく。
今日から思い出を作っていけばいい。
その言葉が頭に残っていた。
記憶は何時戻るかわからない。
それどころか一生忘れたままなのかもしれない。
でも、そんな分からない事に悩んで、うじうじとしているくらいならば、
その時間で誰かとお話しして、あたらしい記憶を作って行く方がいい。
夫のその優しさに感謝を示しながら、
前を向いて生きていこうとサリアは決意するのであった。
「サリア、そこ凍ってるから気をつけてね」
そんな決意をしていたからか、サリアはルークの
言葉が耳に入ってきていなかった。
そのまま足を前に進め、雪が溶け夜の寒さで
再び凍結したであろう地面を踏みしめてしまう。
「「あ!」」
サリアとルークが同じ悲鳴を上げた。
凍結した大地を踏みしめたサリアの足は、地面を蹴り上げる
ことはかなわず、つるりとすべる。
元々退院したてで、体の筋肉が衰えていたことに加え、
よそ見までしていたサリアに、対処できるだけの余裕はなかった。
サリアの頭と、地面を舗装する石畳が衝突する。
当たりにはゴッ!という鈍い音が響くのであった。
「さ、サリア!?大丈夫かい?」
ルークが慌てた様子でサリアに問う。
「・・・・・・」
しかしサリアはそんな夫の問いに返答することもせず、
石畳に横になりながら、目を見開いて青空を見つめている。
痛いとも叫ばず。ただ淡々と。
ルークはそんな彼女の姿に、違和感を抱き、少し恐怖をいだいた。
「サリア?」
ルークは再びサリアに声をかける。
今度はサリアは反応を示し、目をこちらに向けてた。
青空を見つめていた見開いた目が、今度は夫に向けられている。
そしてほんの少しの間を置いてから、
「痛たあああああああああああ!!!」
と叫び声を上げるのであった。
帰宅後。
サリアの後頭部を見ると、幸いたんこぶが出来た程度で、大きな外傷はなさそうだった。
ルークはケガが無いことを確認すると、ホッと胸をなで下ろしながら、
「気をつけなきゃだめだよ!」
とサリアをきつく叱った。
けれどサリアは自身も転んだことにショックを受けているのか、
浮かない表情を浮かべていたので、叱るのをやめる。
そして彼女を笑わせようと、
「また記憶喪失にでもなったらどうするのさ」
と軽口を叩くのであった。
サリアはそんなルークの言葉に、
「ええ、それは困るわね。次は気をつけるね、ルーク」
と微笑みながら返すのであった。
ルークは彼女がいつも通りであることに安心し、再び胸をなで下ろした。
そしてサリアが転んだ際に感じた違和感は、気のせいであったのだと処理をする。
その処理が、今後彼の運命を大きく狂わすとも知らずに。
35
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました
しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。
自分のことも誰のことも覚えていない。
王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。
聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。
なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。
記憶が戻ったのは婚約が解消された後でした。
しゃーりん
恋愛
王太子殿下と婚約している公爵令嬢ダイアナは目を覚ますと自分がどこにいるのかわからなかった。
眠る前と部屋の雰囲気が違ったからだ。
侍女とも話が噛み合わず、どうやら丸一年間の記憶がダイアナにはなかった。
ダイアナが記憶にないその一年の間に、王太子殿下との婚約は解消されており、別の男性と先日婚約したばかりだった。
彼が好きになったのは記憶のないダイアナであるため、ダイアナは婚約を解消しようとするお話です。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
悪役令嬢カタリナ・クレールの断罪はお断り(断罪編)
三色団子
恋愛
カタリナ・クレールは、悪役令嬢としての断罪の日を冷静に迎えた。王太子アッシュから投げつけられる「恥知らずめ!」という罵声も、学園生徒たちの冷たい視線も、彼女の心には届かない。すべてはゲームの筋書き通り。彼女の「悪事」は些細な注意の言葉が曲解されたものだったが、弁明は許されなかった。
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる