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24話(2)

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 次に目が覚めたのは夜で、こんどはゴブリンAちゃんに抱かれている状態だった。体を見ると薬草はすべて取られており、自由に動けるようになっていた。私はゴブリンAちゃんに気づかれないようにそうっと抜け出して、他のゴブリンを起こさないように洞窟の外にでる。


 洞窟の入り口にあった柵はなくなっていたが、跡は残っていた。外に出ると一人ゴブリンがいた。リーダだ。リーダーは洞窟から出てきた私に気がつくと、起きたかと安心した顔をして、隣に座れと地面をポンポンと叩いた。リーダーの隣に座ると、まずリーダーは私に村を守ってくれたことに対しての感謝と自身の能力の低さゆえに私を危険にさらしてしまった事への謝罪の言葉を掛けてくるのであった。


・・・正直、襲撃への対応について、リーダー達に言いたい文句はたくさんある。とはいえ彼らも初めての状況で動揺していたわけで、私も途中まで勝手に行動して会議に参加もしていなかったので、今回は目をつむることにした。この経験を生かして次もっとうまく立ち回ってくれればそれでいい。ただ、次のミスはただでは許す気などないけれどね。


またリーダーとそのままゆっくり話せたことで、シルバーウルフたちとの戦いがどうなったかを詳しく理解する事ができた。


 どうやら私がボス狼を倒した後、残った狼たちは森へと逃げていったらしい。洞窟を守っていたゴブリン達が、何事かと恐る恐る外にでて状況を確認してみると死んだボス狼と大量の出血をしている私を見つけ、急いで洞窟に連れ帰って薬草を巻いてくれたらしい。


 出血が多いためもう助からないかもしれないと誰もが思ったが、ゴブリンAちゃんが諦めずに治療してくれて、なんとか命がつなぎ止められたそうだ。リーダーは後で彼女にお礼を言っておけよと言ってくれた。結局私は二週間も目を覚まさなかったようだ。またケガが完全に治った事については、リーダーも分からないらしい。


 次に村のことだが、狼の襲撃の後、村は早急に復興にうつっている。シルバーウルフを撃退したという噂はすぐに周辺の村に伝わり、たくさんのゴブリンが復興のお手伝いにきてくれて、そのおかげで、現在村は完全に元に戻っていると、リーダーは言っていた。戻るどころか、周辺に住んでいたゴブリン達が合流を申し出てさらに大きくなっているとのことだった。


 最後にシルバーウルフだが、彼らは戦いでその数を減らしボスもいなくなってしまった事でその勢力を大幅に減らしている。森にはいっても姿を見る機会はほとんどない、そのくらい弱体化してしまったようだ。残酷だが、敗者の末路といったところか。もうゴブリン達はシルバーウルフに怯えなくてすむので良いことだ。


 しかし油断をしてはいけないだろう。シルバーウルフは放っておけば再び数を増やし勢いを付けてくるかも知れない。弱っている今、確実に仕留めておいた方がいいだろう。


 私は早速リーダーに明日から再び弓矢を使ってシルバーウルフを狩ろうと思っていることを伝えるとリーダーはあきれたように笑った。そして無理だけはしないようにと私に告げて、寝床へと帰って行くのであった。
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