探偵たちに歴史はない

探偵とホットケーキ

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第3章

第3章

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また、皆が各々の研究に向かい始めたところで、水樹は偶然一番近くにいた、ひかるに声をかけた。
「鷹見教授の論文を拝読したのですが、今までに発見されていないが、存在が噂されている謎の文明について書かれていて、とても興味深かったです」
詳しい話を、汐海に訊いても良かったのだが、こうして学部の中の生徒と、コミュニケーションを取るきっかけにする目論見もあった。ひかるは水樹をまっすぐ振り返り、大きな赤茶色の双眸を輝かせて、
「そう! そうなんです。ヴェルミル文明と言って、もしも実在することが分かったら、発祥は此の大学のすぐ裏手にある小さな丘の辺りだったとされていて、世紀の大発見になるかもしれないんですよ!」
と、半ば叫ぶように言って、両手を広げた。
水樹が事前に読んで来た資料に、ヴェルミル文明についての記載はこうあった。

僅かに残されている資料によると、ヴェルミルの語源は、文明内の言語で「虫」と「世界」に由来する。これにより、「虫の世界」という意味を持つが、ここでの「虫」は生命の象徴として使われている。ヴェルミル文明は、自然との共生と再生のサイクルを重んじる文化を持っており、土地の豊かさと生命の循環を象徴する名前として「ヴェルミル」が選ばれた。
また、ヴェルミル文明はその独自の建築様式や芸術作品でも知られている。鮮やかな赤と金を基調とした色彩が特徴で、これは彼らの信仰する太陽神の象徴でもある。遺跡から発掘された工芸品や文献から、ヴェルミル人が高度な天文学と農業技術を持っていたことが明らかになっている。
このようにして、ヴェルミル文明はその名称に込められた深い意味と歴史的背景を持つ、豊かで神秘的な文明として描かれている。

「ヴェルミル文明について、ほんの僅かにあった資料を見つけたのは、何を隠そう鷹見教授なんですよー!」
流石ですね、と水樹が相槌を打とうとしたところで、健吾が、じめっとした声で割って入った。
「成果が全く出ていないのに、こんな研究良く続けると思いますよね」
「雨宮君」
優子が咎めるような声で言ったが、健吾は唇を尖らせて続ける。
「鷹見教授は、変わり者で有名なんです。他の教授たちとの交流もほとんどないし、休み時間はいつも難しい顔をして、変な絵柄のカップに苦そうなコーヒーを淹れて、それを啜りながら外を見て。僕は、あんな研究者には、なりたくないなぁ」
「鷹見教授は優秀な教授ですよ」
優子は水樹と健吾の間に入って、引き攣ったような笑みを浮かべた。しかし、健吾は唇を尖らせ、引き続き、ぶつぶつと言葉を続ける。
「こっちは、ヴェルミル文明を調べられるのが、此処しかなかったから入っただけですし……」
「ヴェルミル文明についての資料は本当に少ないのですが、この大学のすぐ傍で、見つかったんです」
優子が、健吾の声をかき消すように言った。
「この大学の向かいにあったでしょう、今は廃校になった小学校。其処に資料が残っていたんだって、鷹見教授が仰っていました」
「神崎小学校ですね」
「やっぱり御存じでしたか。神崎小学校の校舎の何処にあったのかは分からないですが、多分図書室とかに残っていたのかしら。この地域で、噂自体はそもそもあったんですけれど、その資料が見つかったのは、それが初めてだったんです」
その後は、講義が始まるまで優子の話を聞いた。
***
大学の食堂は、独特の明るさがある。学生たちの活気と談笑の場だ。広々としたスペースには長テーブルと椅子が整然と並び、自然光が大きな窓から差し込む。壁には学生たちの活動やイベントのポスターが色鮮やかに貼られている。食堂のカウンターには、日替わり定食やカレーライス、ミートソースやカルボナーラなど、様々な料理が並び、香ばしい匂いが空気を包む。フライの音と共に、笑顔のスタッフが忙しそうに動き回る。学生たちは友人と一緒に食事を楽しみ、温かい雰囲気に包まれている。デザートにはプリンやフルーツポンチが用意されており、食事の後の楽しみも充実しているようだ。コーヒーやジュースなどのドリンクも豊富に揃い、学生たちは好きなものを選び、楽しいひとときを過ごしている。
水樹たち探偵社の三人は並んで座り、水樹の向かいに座った汐海は、身を乗り出していった。
「どうですか? 何か分かりそうですか?」
水樹はカルボナーラを口に運びながら、首を横に振った。そして飲み込んだ後に答える。
「未だ、調べ始めたばかりで何とも。ただ、御学友たちの雰囲気におかしいところはありませんでしたね」
 汐海はうなだれて落ち込んでしまったが、こういうことに関して依頼人に嘘を吐くのは、かえって不誠実である。
「ヴェルミル文明は、もしその全貌が分かった場合、日本の歴史文化が変わるレベルの大発見なんです。だから、麻理香ちゃんも命を狙われてしまったのかも……」
「一度、小学校も調べておいた方が良いでしょうか」
理人の問いに先に反応したのは、暗い顔になった汐海ではなく、陽希だった。
「やっぱり何事も実際に見てみないと分からないからね」
陽希は、いつになく真面目な顔つきと口調で、断言した。
***
汐海がお手洗いに立っている間に、探偵社の三人だけで、一度話し合いをすることにした。
陽希は、アプリコットジャムのような色の髪をピアスだらけの耳にかけ、シチューを口に運びながら、言った。
「ヴェルミル文明について解き明かせば、滅茶苦茶金持ちになれるかもしれないわけじゃん? だったら、麻理香ちゃんが、ヴェルミル文明の秘密を握っちゃってー、それを知った誰かに、やられちゃった可能性もあると思うんだよねぇ」
シチューは、一見して温かさと豊かさを感じさせる。クリーミーなソースが鮮やかな野菜と柔らかなチキンを包み込み、見た目にも美しい。じゃがいもや人参、玉ねぎが皿の中で色とりどりに配置され、食欲をそそりそうだ。バターとミルクの香りがほんのり漂い、一口すくうたびにスプーンには濃厚なシチューがたっぷりと絡んでいる。水樹は水を喉に通しながら、頷いた。
「早く動くべきだというのは、僕も同意です。麻理香さんが誰かに誘拐されたのだとしたら、犯人らから身代金の要求も、何もないわけですから、殺害はしていないまでも、何処かに売り飛ばされるなど、悲しいことになっているかもしれない」
かつて、血縁者の女性から襲われた経験を持ち、それにいまだに苦しむ理人を前にしては言えなかったが、どこかに売られてしまっている可能性もあるだろう。とにかく、急がなくてはと思った。
***
汐海を案内係にし、「探偵社アネモネ」の三人は神崎小学校を訪れた。大学から歩いて、ほんの数百メートルであるが、活気のある大学内その周りとは全く異なり、既に窓ガラスが割れ、蔦に覆われた小学校の校舎は、何処となくモンスターのようで恐ろしい。
「一度、ヴェルミル文明に関する文献が出てから、神崎小学校への一般の方々の出入りが禁止になっているんです。入れるのはうちの大学の生徒だけで、鍵は私たち考古学部の人たちだけが持ってるんですよー。入ったこと、内緒にしてくださいね」
「勿論です、我々は探偵ですので、捜査に関する秘密は保持しますよ」
女性と話すのが得意な理人が、オーボエのような声で告げると、汐海はすぐに安心したようだった。実際には、昔少しだけやんちゃだったという陽希に頼めば、鍵開けなんて簡単にできるのだが、それはいざという時の手段として取っておきたい。
校舎の中は、ずっと閉め切っていた建物特有の、黴臭さがあった。
「教授は図書室で資料を見つけたそうです。その資料そのものは、写しを取って、戻したそうです。私も読みましたが、他の資料を探すのならば図書室に行ってみますか?」
「そうですね、まずは其処を目指しながら、道中をよく観察していきましょう」
古い小学校というのは、水樹にとって実に動き回りにくい。水樹は片足が不自由で、平らなところでも杖が必要である。上下の移動が全部階段という環境は、修行のようだった。一階移動しただけで汗がにじむ。
「おんぶしましょうか……」
理人が心配してくれたが、首を左右に振る。
「さすがに僕は重いですよ。早急に小学校のバリアフリー化を進めるべきですね」
実際、ある事故で怪我をする前、自分が小学生の時は両足が動いていたので、感じたことがなかった。必然的に、足元をよく見る機会にはなった。その過程で、二階から三階に移動する途中の段で、一個光るものを見つけた。しゃがむことができないので、理人を呼んで拾い上げてもらうと、マンボウの飾りがついた髪留めのピンである。
少し先を歩いていた汐海が、飛ぶように水樹のところへ来て、そのピンを奪うように手に取った。そして、悲痛な声を上げる。
「これ……麻理香ちゃんのお気に入りのピン留めです! どうしてこんなところに」
水樹は無意識に顎に手をやった。
「まず、彼女は、この小学校を訪れていたことが分かりましたね。そして、これがお気に入りのピン留めであれば、落ちたら気付いて拾っているでしょう。飾りがかなり大きいですから、床に落ちれば跳ねて音がしますから。それを、落としたまま立ち去るということは、恐らくその余裕もなかったからではないでしょうか」
「麻理香ちゃんは、ここで連れ去られたかもしれない……? じゃあ、マンションが荒れていたのは?」
「連れ去ったくらいですから、鍵を奪って開けて、マンションで連れ去られたように偽装したのでしょう」
 人差し指を立てて、推論を続ける。
「そうだとしたら、もう一つ、確定することがあります。家の鍵を奪ったところで、彼女の家がどこにあるかを知らなければ、意味がありません。依って、犯人は家の場所まで知っていた人物」
「水樹」
理人に窘められ、ハッとなって口を噤む。汐海が真っ青になって、うつむいているのにようやく気付いた。目を膜で覆うように涙が光っている。
水樹は、汐海に近寄り、手を取った。
「……大丈夫! 僕たちが動き出したのですから。いや、大丈夫にします、きっと、大丈夫にしてみせます」
汐海は言葉こそなかったが、何度も頷いていた。
***
図書室に到着した。もう借りる者もいない本が整然と並び、古い本特有の匂いが充満している。グレーのカーペットの床を進む。一応、いくらかの本は別の学校か何かに持ち出されたのか、棚がごっそりとカラになっている部分もあるが、とはいえ、この本を片端から見るというのは無理だ。
「どのあたりの書籍であったか、教授から話はありましたか?」
「そこまでは。ただ、歴史の本が他にもたくさんあったって言ってたから、あのあたりじゃないでしょうか」
それを聞くと、何も言わずとも水樹と理人と陽希で「歴史」と書かれた札が天井から下がっているあたりに歩み寄って、本棚から一冊ずつ本を抜き、中に目を通し始める。水樹が三冊目くらいを手に取り、開いた瞬間だった。
床に一枚のメモが落ちたのは。
ひらりひらりと、花びらのように回転して落ちていくものだから、簡単には拾えず、運動神経の良い陽希がキャッチした。
「何だろ、このメモ。変な字が書いてある」
水樹が手を伸ばすと、其処に陽希がメモを乗せる。白い紙きれだったのだろうが、古く黄ばんで、何色だったか分からない色の抜けたインクで、次のように文字が並んでいた。

"Uv fdxswf xq hylh gnblfkpqy gm vgl gnsq excmoyrf si pfi."
"Ulv njwdkv gr srvs fvmh zsposwo lg, 'O dlpbyvec ahxtnh grwt si bvz et cpv 12'."

「子供の悪戯かな」
そう言ったのは汐海だけで、水樹たちは、そのメモをじっと見て立ち尽くしていた。

***
水樹たちは結局、そのメモと幾らかの書籍のページを写真で撮影して探偵事務所に帰って来た。しかし、実際のところ、確かに結果が出せそうな捜査方針も、現状ないというのが事実だ。
真っ青なソファに座って、水樹は頭を両手で押さえた。
その時、目の前に、小さな木のプレートに美しく並べられたミニクロワッサンサンドが置かれた。ハッとなって顔を上げると、理人が立っている。整った黒い眉を下げ、不安そうに目を覗き込んで来た。
「コーヒーもすぐにお持ちしますから、召し上がってください。何か食べないと、もちませんよ」
壁にかかった時計を見ると、いつの間にか日付が変わっていた。陽希は別の椅子に座ったまま、船を漕いでいる。
「正直、食べる気がしないのですが」
「水樹、貴方の悪い癖ですね。ひとたび仕事となると、寝食も忘れて取り組む。貴方は素晴らしい探偵です、が、栄養を摂ってからの方が、頭も回るというものですよ」
「子供扱いしないでください」
少し頬を赤くして水樹が言うと、理人は苦笑を浮かべ、今度は陽希に毛布をかけた。
何はともあれ、出された料理を食べてみることにする。サンドの中には、新鮮なハムとクリーミーなブリーチーズが挟まれており、ルッコラの緑が鮮やかに映えている。クロワッサンの外側はサクサクとした食感を保ち、中はバターの香りが広がるふんわりとした生地。一口かじると、ハムの塩気が絶妙で、ルッコラのほろ苦さが味を引き締める。そのころ届けられた珈琲を一口飲むと、水樹は頭を下げた。
「美味しいです。ごちそうさまでした」
「いいえ。それでは、残りの仕事を片付けていきましょうか。お手伝いします」
理人は水樹の横に座ると、散らばっていた書類を手でまとめる間に、思考もまとめるように話し出した。さりげなく、他人に頼るのが嫌いな水樹が気を利かせなくても良いように、先回りして動いてくれる。理人は優しい人だ。
「……このメモに残った暗号は、ヴィジュネル暗号という感じがしますよね」
 水樹が言うと、理人は、先の図書室で見つけたメモの写真を取り出して、水樹の前に置いてくれた。
「ええ。キーワードが分からないので、全く解けそうもありませんね。まぁ、この謎の文章に意味があるのかどうか、そもそも分からないのですが。ただの子供の思い付きにしては手が込んでいる気がします」
「何とかヒントだけでも出ないものでしょうか? 現れる回数の多い文字を確認していく、頻度分析というやつです。例えば、『l』や『v』が英文には多く現れますから……」
「水樹。お言葉ですが、麻理香さんの失踪の謎に、この暗号が関わっている、とすら確信が持てない今、此処に時間を割くことはできないでしょう?」
「ただ、あの小学校には何かある」
 水樹は虚空をにらみつけて、そう呟いた。
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