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20話 しっかりした下半身(意味深)
しおりを挟む誘拐事件があってから、私は極力不要な外出を避けよるようになった。私個人のせいで騎士団の皆さんに迷惑をかける訳にはいかないから。
ヨハンさんいわく、私の髪の色は非常に珍しいらしい。茶色や青が混ざっていない純粋な黒髪の人を彼は生まれてから一度も見たことがないって言ってた。そういえば茶髪や金髪の人はいるけど、異世界に来てから私以外に黒髪な人は見たことない気がする。アルビノみたいなもんかな。
希少というだけでありがたがり、崇拝し、己のものにしたがる......ほんと、自己中の固まりみたいな連中だったな、危うくカルト教団の御神体にされるところだったよ。
引きこもってばかりだと運動不足が懸念されるので、私は乾いた洗濯ものを畳んで袋に入れて、それぞれの兵士さんの部屋まで届けていた。一階から五階まで何度も階段を昇り降りする。これがまたきっついんだ。最近足が太くなった気がするなぁ、筋肉がついたのかな、乙女としてはゆゆしき事態。
ルイスさんとヨハンさんの部屋の前まで来て、ドアをノックしてみたが返事がない、いないのかな。さっさと洗濯ものを置いてほかの部屋へ......そう思ってドアを静かに開けたとき。
「おい! やめろ! パンツを引っ張るな!」
「いいじゃん、減るもんじゃねーし!」
「わお」
ちょうどその瞬間、ヨハンさんがルイスさんの下着を引き下ろして、ルイスさんの全裸姿が私の目の前に晒された。綺麗に割れたシックスパックに、普段から鍛えこまれているであろうしっかりした下半身。そしてその中央には......外国の人ってやっぱりナニが大きいのね。というか二人ともなにやってんだ……修学旅行でふざけあう男子高校生か。それともあれか? ホ○なのか!?
「サトミ......」
「洗ったお洋服をお持ちしました。一応ノックはしたのですが、お返事がなかったので」
「......見た?」
そりゃもうバッチリ。ルイスさんとヨハンさんは固まったまま、目を見開いていた。
「申し訳ございません」
「頼むから謝らないでくれ……罵倒された方がまだマシだ」
「別に隠すほど恥ずかしいもんついてねーだろ、逆に誇るべきだよ」
「ヨハン! だいたいいつもお前のくだらないいたずらのせいで俺は恥を……」
ルイスさんは慌ててパンツとズボンを履き直すと、ヨハンさんと口喧嘩をはじめた。喧嘩するほど仲がいいってことですね。私はそっと洗濯物を床に置いて、部屋のドアを閉めてその場から去った。Lか……いや、LLサイズかもしれん。ちっちゃいときに一緒にお風呂に入ったときに見たお父さんのナニよりデカかった。
お昼の時間、いつもは兵士さんたちが食べ終わった後に食堂に行くから、十二時ぴったりに休憩が取れるのは珍しい。混んでいる中、料理を受け取ってウロウロしていると、ようやく空いている四人がけのテーブルを見つけて椅子に座った。
今日の献立はビッグポークソーセージにポテトサラダ、ザワークラウト(キャベツの漬物)にミネストローネ。いつもよりおかずの種類が多くてラッキー。この千切りキャベツ、酸っぱくて美味しいな。
「相席頼んでもいいか?」
「はい、どうぞ」
「サンキュー、ほかに空いている席が見つからなくてさ」
現れたのはヨハンさんと、気まずそうなルイスさんと あと一人、天パの金髪に翡翠のような緑色のくりくりお目目、透き通るような真っ白な肌をしたビスクドールみたいな美少年。
「おいルイス、お前がサトミの隣に座れよ」
「……いや、俺は」
「じゃあ僕が座っちゃっお」
無邪気そうなショタっ子が私の隣に腰掛けて、ルイスさんとヨハンさんは私の向かい側に座った。
「えっと、君は?」
「はじめましてだっけ? 五番隊隊長のユリウス・フィッツだよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「敬語は使わなくていいよー。サトミちゃんだっけ? 例の誘拐事件大変だったね」
「まぁ、はい」
「ユリウスは出張でいなかったもんな」
ヨハンさんが得意げに笑った。
「残念。僕がその場にいたなら、悪い奴らを全員皆殺しにしてあげたのに」
「はは……」
金髪美少年の正体はまさかのバーサーカー。
綺麗な顔に似合わず怖いことをおっしゃる。
「それでさー、こいつのナニがデカいのなんのって。しかもズルムケ」
「ヨハン先輩、マジすか?」
「そうそう、な? サトミ」
「お前ら、女性の前で下品な会話はやめろ!」
ヨハンさんとユリウスくんがはじめた猥談を、ルイスさんがぶった切った。大丈夫ですよ、私イケメン同士のそういう話大好物なんで。
「君も見たんでしょ? 大きさこれくらいだった?」
ユリウスくんがニヤニヤしながら皿に乗ったソーセージを指さした。私は少し考えて、自分の分をフォークで突き刺して、なんの躊躇もなくそれをパキッと噛みちぎる。
「いや、もっと」
「……ひぇっ」
「お前、なかなか肝が据わってるな」
「……いちいち答えなくていいんだよ、サトミ」
怯えたような顔をするユリウスくんと、若干引き気味のヨハンさんと、大きくため息をつくルイスさん。私、なにか変なことしちゃったかな?
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